15節 ヘラ Hera (ユノ Juno)
ヘラHeraの化粧makeupに仕えるカリテスCharites
ゼウスZeusとヘラHera
冬の村の消防署 Winter
Village Fire Station 2018年(平成30年)
冬の村の消防署 Winter
Village Fire Station 2018年(平成30年)
冬の村の消防署 Winter
Village Fire Station 2018年(平成30年)
冬の村の消防署 Winter
Village Fire Station 2018年(平成30年)
ゴジラ Godzilla
ヘラHeraの化粧makeupに仕えるカリテスCharites
ヘラ Hera (ユノ Juno)
ヘラHeraは、古代ギリシアの宗教ancient
Greek religionにおける出産の女性women in childbirth、結婚marriage、家族family、女性の女神goddess
of womenである。
Hera is the goddess of women, marriage, family
and women in childbirth in ancient Greek religion.
クロノスCronusに石stoneを包んだおくるみを贈呈するレアRhea
Rhea presenting Cronus with the stone wrapped
in swaddling bands
ギリシア神話Greek mythologyでは、彼女は12人のオリュムポスの神々the
twelve Olympiansとオリンポス山Mount Olympusの女王queenであり、ゼウスZeusの姉妹elder sisterと妻wifeであり、タイタンTitansのクロノスCronusとレアRheaの娘daughterである。
In Greek mythology, she is queen of the twelve
Olympians and Mount Olympus, sister and wife of Zeus, and daughter of the
Titans Cronus and Rhea.
The Chariot of Zeus
神話mythにおけるヘラHeraの決定的な特徴defining characteristicsの1つは、彼女を怒らせる人、特にゼウスZeusの数多くの姦淫の恋人adulterous loversや違法な子孫illegitimate
offspringに対処する際のin dealing with彼女の嫉妬深く復讐的な性質jealous and vengeful natureである。
One of her defining characteristics in myth is
her jealous and vengeful nature in dealing with any who offend her, especially
Zeus' numerous adulterous lovers and illegitimate offspring.
ヘラHeraは合法的な結婚lawful
marriageの守護女神patron goddessである。
She is patron goddess of lawful marriage.
ヘラHeraは結婚式weddingsを管理し、夫婦の結婚marital
unionsを祝福blessesし、合法化legalisesし、出産中の危害harm during childbirthから女性を保護protects
womenする。
She presides over weddings, blesses and
legalises marital unions, and protects women from harm during childbirth.
ヘラ Hera (ユノ Juno)
ヘラHeraの神聖な動物sacred
animalsには、牛cow、カッコウcuckoo、孔雀peacockが含まれる。
Her sacred animals include the cow, cuckoo and
the peacock.
ヘラHeraは時々不死の象徴emblem
of immortalityとしてザクロpomegranateを持っているように見える。
She is sometimes shown holding a pomegranate,
as an emblem of immortality.
ヘラHeraのローマRomeの対等相手はユノJunoである。
Her Roman counterpart is Juno.
6月の花嫁 June Bride
欧米では6月に結婚marriageする(6月の結婚June
Bride)(6月の花嫁June Bride)と幸せになれるといわれている。
その由来の一つには、結婚marriageをつかさどる女神goddessであるヘラHera (ユノJuno)が、6月を守護Protectしているからというもの。
英語のJune(6月)は、ヘラHera (ユノJuno)が6月を守護Protectしているゆえの命名であり、6月に結婚式weddingをするとヘラHera (ユノJuno)の加護で幸せになれるといういわれがある。
ゼウスZeusとヘラHera
ヘラ Hera (ユノ Juno)
イオニアIonia方言ではヘレHere。
宇宙の最高神The highest god of the universe・ゼウスZeusの妻wifeであり、天界の王妃Queen of heaven。
クロノスCronusに石stoneを包んだおくるみを贈呈するレアRhea
Rhea
presenting Cronus with the stone wrapped in swaddling bands
クロノスCronusとレアRheaの娘daughterで、ゼウスZeusの姉elder sisterにあたる。
ヘラHeraの名nameは「貴婦人Lady」を意味meaningし、英雄heroや戦士Warriorを意味meaningするヘロスHerosの女性形feminine formだろうと言われる。
「虚栄vanity」の象徴Symbolである孔雀peacockがヘラHeraに捧げられる聖鳥Holy birdであり、結婚marriageと子供childrenや婦人womenの生活lifeが彼女の守護分野Protection fieldである。
ガイア Gaea (the Earth) (大地)
ヘラHeraは生まれるとすぐ、他の兄弟たちと同じくAs soon as Hera
is born, like the other brothers、自分の子供たちによって王位throneを奪われると恐れるFear of being robbed of the throne by his
childrenクロノスCronusの腹の中に飲み込まれたwas swallowed in Cronus' belly。
6番目に生まれた末子the youngest childのゼウスZeusだけはOnly Zeus, the youngest child born in the sixth、母motherのレアRheaと祖母grandmother・ガイアGaea(the Earth)(大地)の気転quick-wittednessで飲まれずに済んだdidn't have to be swallowed
because of quick-wittedness of his mother Rhea and grandmother Gaea。
ゼウスZeusとヘラHera
長じたゼウスZeusは女神goddessやニンフnymphや人間の女性human womenたちと次々に情を交わしたがZeus who grew exchanged
feeling with goddess and nymph and human women in sequence、正妻legal wifeにはヘラHeraを選んだchose Hera to a legal wife。
ヘラHeraは押しも押されもせぬ天上界heavenly worldの女王QueenであるHera is Queen of the recognized heavenly world。
しかし、夫husband・ゼウスZeusはあくまでも彼女の優位dominantにあり、対等equalityというわけにはいかないHowever, husband Zeus of her is dominant, and cannot say equality。
そのため、彼女は夫husbandと対立したり、ときに必要とあらば陰謀plotも企んだ。
Therefore she was opposed to a husband and
plotted the plot, if necessary, at time.
ヘラ Hera
ゼウスZeusは怒りにまかせて時にヘラHeraを厳しく罰したがZeus left it
to anger and sometimes punished Hera strictly、ヘラHeraがヘラクレスHeraclesを執拗に迫害したときなどはWhen
she persecuted him obstinately、オリュムポスOlympusの頂上にヘラHeraの両手を括りつけ、足には鉄床(かなとこ)anvilの重りweightをつけて宙吊りにしたZeus tied Hera both hands to the top of Olympus and he
attached the weight of the anvil (come) to the foot and would have hanging in
midair。
イナコス川 the river Inachus
父によって認知されるイオ Io recognized by her father
牝牛の姿The appearance of a cowのイオIoに気づくイナコスInachus
ポセイドン Poseidon
ヘラHeraはアルゴスArgosの市cityをポセイドンPoseidonと争いcompete、守護神Guardian
deityとなったが、その地方areaのアステリオン河神the
river god Asterion、イナコス河神the river god Inachus、ケピソス河神the
river god CephissusがヘラHeraに自分たちの川の支配も任せたのでAs
the rule of their rivers entrusted Hera, too、恨んだポセイドンPoseidonは三つの流れを涸れさせ、しかも辺り全域に水を溢れさせたPoseidon whom bore a grudge against let three flows
exhaust and let water overflow throughout the area。
ヘラHeraに宥められてポセイドンPoseidonはやっと怒りを鎮めたBeing calmed by Hera, Poseidon finally calmed his anger、という神話mythologyもアルゴリスArgolis地方には伝わっている。
郭公(カッコウ) cuckoo
托卵(たくらん) Brood parasite
自分より大きい郭公(カッコウ)cuckooの雛(ひな)に餌を与えるオオヨシキリEurasian
reed warbler
ヘラHeraの結婚marriageについても諸説があるThere
are various theories about the marriage of Hera。
ゼウスZeusがアルゴスArgosに近い森を歩いていたヘラHeraを身初めZeus fall in love
with Hera at first
sight as she was walking in the woods near Argos、嵐を起こし、自分は雨にぬれた一羽の郭公(カッコウ)cuckooに姿を変えてヘラの衣にくるまれたcaused a
storm and oneself changed a figure into a cuckoo of in the rain wet one
and was able to be wrapped up in clothes of Hera。
そのあと、本来の姿にたちかえり、求愛をして結ばれた、とする説Then,
he got back to an original figure, and did courtship, and was concluded, the
theory that。
柘榴(ザクロ) Pomegranate
柘榴(ザクロ)Pomegranateと林檎(リンゴ)AppleがヘラHeraの神木sacred
treeである。
アテナイ市the city of
Athensでは、古くからヘラHeraの月month・ガメリオンGamelion(「婚姻の月Marriage month」の意meaning、1月Januaryから2月Februaryの半ば)に結婚式weddingが行われ、花嫁brideに柘榴(ザクロ)Pomegranateを贈るしきたりThe
tradition of givingがある。
The Garden of Hesperides
また、ヘスペリデスHesperidesが守る黄金のりんごthe golden applesは、ヘラHeraの結婚marriageを祝うcelebrate祖母grandmother・ガイアGaea(the Earth)(大地)からの贈り物presentである。
ヘパイストスHephaestusに情事を発見されたアプロディテAphroditeとアレスAres
エイレイテュイア Eileithyia
ゼウスZeusの鷲eagleに餌を与えるヘベHebe
ゼウスZeusの雷を鍛えるヘパイストスHephaestus
アテナの誕生 The Birth of Athena
ゼウスZeusとの間にアレスAres、エイレイテュイアEileithyia、ヘベHebeを産んだが、ヘパイストスHephaestusはゼウスと関係なく、ヘラHera一人で産んだ子供childである。
しかし、それに対抗したゼウスZeusが、自分の頭Headから一人でアテナAthenaを産んだ(もっともこのときは、ヘパイストスHephaestusの斧axeがゼウスZeusの頭Headを割る役目を果たしたのだが)。
ヘラクレスHeraclesを産むアルクメネAlcmene
ヘラクレス Heracles
Leto with her children
Apollo and Artemis
イオ Io
アルテミスArtemisに変身してカリストCallistoに近づくゼウスZeus
ゼウスZeusの雷光にうたれるセメレSemele
たしかにヘラHeraには、漁色家(ぎょしょくか)lecherの夫husband・ゼウスZeusに対する嫉妬Jealousyから、浮気相手adulterous partnerの女性Womanやニンフnymphやその子供childrenたちに復讐revengeする話が多い。
最も執拗に苦しめられ迫害persecutionされたのは、アルクメネAlcmeneとその子供childのヘラクレスHeraclesである。
(ヘラクレスHeraclesという名は、ヘラHeraに因んでつけられたのであるが。)
さらに、アポロンApolloとアルテミスArtemisを産んだレトLeto、ヘラHeraに仕える巫女priestessだったイオIo、カリストCallisto、セメレSemeleなどもヘラHeraの復讐revengeに泣かされた女性womenたちである。
イクシオンIxionとネペレNephele
(「雲cloud」)
イクシオンIxionも神々Godsに招かれて天上の客になったとき、客としての立場を忘れてヘラHeraに言い寄った。
ゼウスZeusは雲cloudでヘラHeraの似姿をつくり、イクシオンIxionはその雲cloudをヘラHeraと思って交わった。
そのあとイクシオンIxionはゼウスZeusによってタルタロスTartarusに落とされ、永劫の罰Eternal punishmentを受けた。
パリスの審判 the Judgement of Paris
ヘラHeraは、ホメロスHomerの 『イリアスIliad』 に描かれるトロイア戦争Trojan Warでも重要な役割Important
roleを果たす。
ただ、三人の女神three goddessesが自分を最も美しい女性The most beautiful womanであると言わせようとして、それぞれの贈り物を約束してトロイアTroyの王子prince・パリスParisを買収する「パリスの審判the Judgement of Paris」については、 『イリアスIliad』 には詳しい言及がない。
ヘラHeraもアジアAsia全体の支配権を餌(えさ)にパリスParisを抱き込もうとするが失敗したため、それを恨んでトロイアTroyを徹底的に迫害Persecuteする。
イアソンJasonはメデイアMedeaに永遠の愛を誓う
一方、黄金の羊の毛皮the Golden Fleeceを求めて遠征expeditionに出るイアソンJasonに対しては、ヘラHera自ら老婆old
womanに身をやつして、イアソン一行Jason and his partyに力を貸している。
しかし、これはイオルコス市IolcusのペリアスPelias王Kingに対する復讐revengeの意図intentionがあってのことだった。
The Murder of Pelias by His Daughters
ペリアスPeliasはヘラHeraの神殿templeに逃れた継母stepmother・シデロSideroを殺して、神殿templeの神聖を汚したDefiled
the sacredうえに、その後もヘラHeraを崇拝worshipしなかったのである。
結局ペリアスPeliasは、魔女witch・メデイアMedeaに騙された自分の娘daughtersたちによって細かく切り刻まれ、釜茹でにされたboiling to death。
スピンクス sphinx
ヘラHeraはテバイThebes市を破滅させようとしてスピンクスsphinxを送り込んだこともある。
The Murder of Laius by Oedipus
それは、テバイThebes王King・ライオスLaiusがクリュシッポスChrysippusを見初めて誘拐abductionし、父father・ペロプスPelopsに返そうとしなかったことに起因する。
ヘラHeraはギリシアGreece中の全女性から崇拝cultされた。
(もっとも、出産と産褥Childbirth and puerperiumの仕事は、大きな影響力を保持しながら、娘daughterのエイレイテュイアEileithyia(イリテュイアIlithyia)に譲った。
ローマ神話Roman
mythologyではエイレイテュイアEileithyiaは、誕生の女神・イリテュイア・ルキナと呼ばれ、のちにユノ・ルキナと呼ばれて母娘が同一視された。
アルカディアArcadia地方ステュムパロスStymphalusでは、ヘラHeraは女性の一生涯を表す「乙女」「妻」「寡婦」の三つの名で呼ばれた。
ヘラHeraは年に一度、清らかなカナトスKanathosの泉springに沐浴し、年齢を洗い流して処女性を取り戻す、と伝えられた。
The birth of Athena from the head of Zeus,
with Eileithyia on the right.
エイレイテュイア Eileithyia
エイレイテュイア Eileithyia
出産の女神goddess of childbirth。
ホメロスHomerは複数形plural formのエイレイテュイアイで呼ぶこともある。
ヘシオドスHesiodではゼウスZeusとヘラHeraの娘daughter。
クノッソスKnossosの洞窟caveから、エイレイテュイアEileithyiaと名が刻まれた粘土板が発見されたことからも、エイレイテュイアEileithyia崇拝cultの起源はクレタ島Creteと考えられている。
複数形plural formのエイレイテュイアイの名で呼ばれるとき、その中に結婚の女神Goddess of the marriageであるヘラHeraと、若者の守護神であるアルテミスArtemisが含まれることがある。
Leto with her children
Apollo and Artemis
ヘラHeraの支配下にあるエイレイテュイアEileithyiaは、ヘラHeraの命令で二度ヘラHeraの恋敵rival in loveの出産childbirthの邪魔をした。
一度はアポロンApolloとアルテミスArtemisの誕生birthのときである。
しかし、このときは、ヘラHera以外の他の女神たちOther goddessesにたくさんの高価な贈り物で買収されて、結局二神の誕生birthに立ちあった。
ヘラクレスHeraclesを産むアルクメネAlcmene
もう一度は、ヘラクレスHeraclesの誕生birthのときである。
ヘラクレスHeraclesの母mother・アルクメネAlcmeneの産室の前に、出産childbirthを妨げるまじないの、膝を重ね、腕を組み、指を絡ませる格好をして座った。
しかし、結局このときも、ガリンティアスGalanthisに邪魔されてヘラクレスHeraclesは無事に生まれた。
ゼウスZeusの鷲eagleに餌を与えるヘベHebe
ヘベ Hebe (ユウェンタス Juventas)
「青春(の美)」の意。
ゼウスZeusとヘラHeraの娘daughterで、軍神god of war・アレスAresの姉妹sister。
天上で神々の酒杯を満たす役についている。
『イリアスIliad』 では、アレスAresがディオメデスDiomedesと闘って傷を受けると、アレスAresの入浴を手伝って傷口を洗う。
ヘラクレス Heracles
ヘラクレスHeraclesは妻wifeのデイアネイラDeianiraが渡した毒を塗った服をそれと知らずに着て焼死するが、そのとき肉体は浄められ、天上に迎えられてオリュムポスの神々the Olympian godsの仲間入りが許される。
そして、天上の新しい妻wifeとしてヘベHebeがヘラクレスHeraclesに与えられた。
ヘラクレスHeraclesの願いに従ってヘベHebeはヘラクレスHeraclesに忠実だった甥nephew・イオラオスIolausを一日だけ若返らせ、ヘラクレスHeraclesの子供childrenたちを迫害するエウリュステウスEurystheusを討ちとらせた。
ヘパイストスHephaestusに情事を発見されたアプロディテAphroditeとアレスAres
アレス Ares (マルス Mars)
ギリシアの戦争の神the Greek god of war。
のちにローマ神話Roman mythologyにおける重要な神・マルスMarsと同一視された。
ゼウスZeusと正妻lawful wife・ヘラHeraの一人息子only son。
オリュムポスの十二神the Twelve
Olympian godsの一人に数えられるが、『イリアスIliad』 では、凶暴で大ぼら吹きの戦士soldier of the braggadocio with brutalityとしてからかわれている。
アプロディテAphroditeと三美神Charitesに武器を取り上げられるアレスAres
多くの女性と関係したが妻wifeはいない。
ヘパイストスHephaestusの妻wife・アプロディテAphroditeとの恋愛loveでは、娘daughter・ハルモニアHarmonia、ポボスPhobos(「狼狽」)とデイモスDeimos(「恐怖」)の双子の兄弟Twin brothersが生まれた。
(恐怖の具現であるポボスPhobosとデイモスDeimosの二神は、父father・アレスAresが激しい怒りを掻き立てて人々を殺戮に追いやった戦場で、いつも父fatherのそばに姿を現した。)
ヘリオス Helios
アプロディテAphroditeとの恋愛loveのあっけない結末は 『オデュッセイアOdyssey』 の中で、吟唱詩人Skald・デモドコスDemodocusが語っている。
太陽神sun god・ヘリオスHeliosが二人のひそかな情事love affairを夫husband・ヘパイストスHephaestusに知らせたため、ヘパイストスHephaestusはレムノス島the island of Lemnosの崇拝者worshipperたちのところを訪ねると偽り、オリュムポスOlympusを留守にする振りをした。
アレスAresとアプロディテAphroditeが一緒にベッドに入ると、その上に仕掛けてあった大きな網が落ちてきて裸で抱き合う二人をベッドごと捕えた。
神々Godsが呼ばれて、二人は見世物showにされた。
女神goddessesたちは遠慮して来なかったが、男の神々は見に来て2人を嘲笑した。
ポセイドンPoseidonが仲介に入り、アレスAresがヘパイストスHephaestusに罰金を支払うことで話がつき、二人は解放された。
ポセイドン Poseidon
アレスAresとケクロプス1世Cecrops Iとの娘daughter・アグラウロスAglaulusとの間に生まれたアルキッペAlcippeが、ポセイドンPoseidonの息子son・ハリロティオスHalirrhotiusにアテナイAthensのアクロポリスAcropolisの付近で犯されたため、怒ったアレスAresはその場でハリロティオスHalirrhotiusを殴り殺した。
ところがハリロティオスHalirrhotiusの父father・ポセイドンPoseidonは、アレスAresを殺人の罪crime of murderでアテナイAthensの法廷Courtに訴えた。
アレイオス・パゴス Areios Pagos (アレオパゴス Areopagus)
そこでアレスAresは裁判trialにかけられることになったが、その事件caseを記念して裁判trialが行われた場所は、「アレスの丘Hill of Ares」という意味meaningの「アレイオス・パゴスAreios Pagos(アレオパゴスAreopagus)」の名で以後呼ばれるようになり、アテナイAthensの最も厳粛な評議と裁判trialの行われる場所になった。
その第1回の殺人事件の裁判Trial of the murder caseにおいてアレスAresは、他のオリュムポスの神々the Olympian godsより成る陪審juryによって無罪の判決Innocent judgmentを受けた。
Bellona
Presenting the Reins of his Horses to Mars
アレスAresは戦闘のための戦闘と流血を好み、その正邪は問題にしない。
戦場には双子の息子たちTwin sons・ポボスPhobosとデイモスDeimosと、戦いの女神Goddess of the fight・エニュオEnyo(ローマ神話Roman mythologyのベロナBellona)を従えて現れ、戦士たちの戦闘意欲を煽った。
しかし、戦術の神で真の勇気の神であるアテナAthenaにはかなわなかった。
Titans
and Giants, including Ephialtes on the left
あるときは、アロアダイAloadaeの名で呼ばれる巨人Giantsたち・オトスOtusとエピアルテスEphialtesに捕えられ青銅の壺Bronze jarに閉じ込められた。
巨人Giantsたちの継母stepmother・エリボイアEriboeaに危機を知らされたヘルメスHermesに助けられなければ、もう少しで死ぬところであった。
Minerva
Fighting Mars
トロイア戦争Trojan Warではトロイア側Troy sideについたが、彼の果たした役割は不名誉なものである。
アテナAthenaに加護されたディオメデスDiomedesに深傷を負わされ、それをオリュムポスOlympusのゼウスZeusに訴えに行く。
ゼウスZeusからは以後戦闘に加わることを禁じられるが、なお戦場に出たため、アテナAthenaになじられ押しとどめられた。
神々Godsが両陣営に分かれて敵対し始めると、アレスAresはアテナAthenaの胸当てbreastplateアイギスAigis(aegis)をねらって槍spearを放った。
しかしアテナAthenaは無傷unharmedで終わり、アレスAresはアテナAthenaに石stoneで打たれた。
アプロディテAphroditeが駆け付けてアレスAresを戦場から隠そうとしたが、アプロディテAphroditeもアテナAthenaの拳fistで打たれた。
ヘラクレス Heracles
デルポイDelphiへ赴くヘラクレスHeraclesがアレスAresの息子son・キュクノスCycnusに挑戦したとき、アレスAresは息子sonとともに戦った。
アテナAthenaに助けられたヘラクレスHeraclesはキュクノスCycnusを殺し、アレスAresの大腿Thighを傷つけた。
その他、アレスAresには多くの凶暴なFerocious息子sonsたちがいる。
ニンフnymphのキュレネCyreneとの間に生まれたトラキア王King of Thrace・ディオメデスDiomedes、アスカラポスAscalaphus、プレギュアスPhlegyas、そしておそらくメレアグロスMeleagerもそうであろう。
ゼウスZeusの雷を鍛えるヘパイストスHephaestus
ヘパイストス Hephaestus
(ウゥルカヌス Vulcan)
ヘシオドスHesiodによると、ヘラHeraが異性と交わることなく産んだ息子sonであるが、ヘシオドスHesiod以外はヘラHeraとゼウスZeusの子childとしている。
鍛冶forgeと金属鋳造metal castingの神godである。
モスキュロス火山Mosychlos volcanoのあるエーゲ海the Aegean Sea北部のレムノス島the island of Lemnosがヘパイストス神the god Hephaestus崇拝worshipの発祥の地place of originと言われる。
小アジアAsia MinorのカリアCaria、リュキアLyciaでも崇拝worshipされる。
やがて、エトナ山Mount Etnaのあるシシリア島Sicily、リパリ諸島Lipari Islands、ヴェスヴィオス山Mount VesuviusのあるカムパニアCampania地方など、火山volcanoを有する西方地域でも礼拝worshipされるようになった。
元来は、火fire、とくに活火山active
volcanoから噴出Spoutする火の神god
of fireである。
ヘパイストス Hephaestus
ヘパイストスHephaestusは二度オリュムポスOlympusから墜落fallした。
一度は、誕生birthのとき。
あまりに醜くToo ugly、しかも足が不自由だったlameため、腹を立てたAngry母親mother・ヘラHeraに、天上から投げ捨てられたAbandoned from heaven。
海に落ちたFell into the seaヘパイストスHephaestusはオケアノスOceanusの娘daughtersたちのテティスThetisとエウリュノメEurynomeに拾われ、彼女たちの住む海底深い洞穴Deep sea caveで、神々に見つかることなく9年間育てられた。
ヘラ Hera
そのとき、ヘパイストスHephaestusは鍛冶仕事Blacksmith workを学び、職人技artisanshipを身に付けた。
そして、磨いた腕で立派な黄金の椅子Golden chairを作り、ヘラHeraに贈った。
しかし、それは自分を棄てた母親motherへの復讐revengeだった。
すなわち、その椅子chairには仕掛けが隠されていて、喜んだヘラHeraが座ると、目に見えぬ鎖がたちまち彼女を縛り付け、神々の誰一人として彼女を自由にすることができなかったのである。
ヘパイストスHephaestusは神々に頼まれて天上へ招かれたが、断じてヘラHeraを解放しようとしなかった。
ディオニュソス Dionysus
ディオニュソスDionysusに酒を飲まされ、隠し持っていた椅子chairの鍵を見つけられると、やっと彼はヘラHeraを縛る鎖を解いた。
別の説では、ヘパイストスHephaestusはオリュムポスの神々the Olympian gods全員にサンダルSandalsを贈ったという。
そして、贈られた黄金のサンダルGolden sandalsを履いたヘラHeraは、つんのめって転び、いやというほど強く頭を打った。
オリュムポスOlympusに迎えられたヘパイストスHephaestusは、鍛冶仕事Blacksmith workの一切を司ったが、不自由な足や、足をせわしげに引きずって歩く歩行の仕方や、すすで汚れた顔などが嘲笑の的となった。
気まぐれな妻wife・アプロディテAphroditeのリードで踊るダンスも神々の間の物笑いの種だった。
ヘパイストスHephaestus、アレスAresとアプロディテAphrodite
アプロディテAphroditeはヘパイストスHephaestusと結婚marriageするとすぐに夫husbandを裏切り、軍神god of war・アレスAresと密通adulteryを重ね、多くの子供childrenを産んだ。
すべてを見ている太陽神solar deity・ヘリオスHeliosから妻wifeの情事love affairを教えられたヘパイストスHephaestusは怒り狂った。
レムノス島the island of Lemnosで世話になった人々に会いに行くという噂を広めておいて、実は物陰に潜み、アプロディテAphroditeとアレスAresがベッドに入ると、上から大きな網Big netを落とし二人を捕えた。
二人が身動きもできず縛り付けられていることを見届けてから、ヘパイストスHephaestusは彼らの痴態sillinessを見せつけるために神々Godsを招集した。
さすがに女神goddessesたちは遠慮し、男神male godsのみがやって来た。
みな大いに笑った。
しかし、アレスAresも滑稽ridiculousだったが、妻wifeを寝取られた本人のヘパイストスHephaestusはもっと滑稽ridiculousだった。
ポセイドン Poseidon
見兼ねたポセイドンPoseidonが二人をほどくようにヘパイストスHephaestusを説得した。
ヘパイストスHephaestusはポセイドンPoseidonから、アレスAresに償いの金をきっと支払わせるMake sure he pays the compensation moneyと保証されて、二人を解いた。
ヘパイストスHephaestusが二度目にオリュムポスOlympusから落とされたという次の話は、彼が母親motherとは和解していたことを示唆している。
ヘラHeraとゼウスZeusがヘラクレスHeracles迫害について派手な口喧嘩をしているとき、ヘパイストスHephaestusはヘラHeraに味方して熱弁を振るった。
怒ったゼウスZeusはヘパイストスHephaestusの足を掴み天上から投げ捨てた。
丸一日落下し続けて彼はレムノス島the island of Lemnosに落ち、シンティエス人(この島に住んでいたトラキア人)に助けられ足の怪我の介抱を受けた。
この話では、そのときの返礼にヘパイストスHephaestusは彼らの守護神Guardian deityとなり、彼らに金属細工Metalworkの技術を教えたという。
彼らの金属細工Metalworkの腕は有名である。
Thetis
Receiving the Weapons of Achilles from Hephaestus
ヘパイストスHephaestusはオリュムポスの神々the Olympian godsに非常に重宝がられた。
神々Godsが住む豪華な宮殿Palaceはみな彼の作品である。
頼まれれば、下界の人間たちが身に付ける武具甲冑Arms armorまでも作った。
たとえば、海のニンフnymphのテティスThetis(彼女は彼を拾って育ててくれた恩人でもある)に頼まれて作った彼女の息子son・アキレウスAchillesの甲冑armor、そして、アプロディテAphroditeに頼まれたアイネイアスAeneasの武具armsなどである。
あるいは、人類Humanに肩入れしすぎるプロメテウスPrometheusを罰するpunishために、ゼウスZeusが彼の弟younger
brother・エピメテウスEpimetheusに妻wifeとして与えた人類最初の女性The first woman of mankind・パンドラPandoraを造ったのもヘパイストスHephaestusである。
キュクロペスの鍛冶場 The Forge of the Cyclopes
通常ギリシア人Greeksは、彼の工房Workshopはレムノス島the island of Lemnosにあり、一つ目巨人one-eyed giant・キュクロペスCyclopesが職人として働いていると考えた。
そして、キュクロペスCyclopesはテルキネスTelchinesたちや、クレタ島CreteのダクテュロイDactylsのように、火の神God of fireと見なされた。
ローマ神話Roman mythologyではヘパイストスHephaestusは、ときに火の擬人神Anthropomorphic god of fireでもあるウゥルカヌスVulcanと同一視されたが、シシリア島Sicilyのエトナ山Mount Etnaの下が彼の鍛冶場blacksmith's workshopだった。
天上にも仕事場はあった。
すなわち神々GodsとギガンテスGigantesの戦いbattle(ギガントマキアGigantomachy)の際、ヘパイストスHephaestusは炉furnaceの中から溶鉱smeltingを取り出し、ギガンテスGigantes(巨人族)giantsの一人ミマスMimasに投げつけた。
この炉furnaceで、プロメテウスPrometheusをカウカソスCaucasusの岩山に縛った鎖Chain tied to a rocky mountainも造った。
ゼウスZeusの稲妻lightning、アポロンApolloとアルテミスArtemisの姉弟Siblingsが持つ弓矢Bow and arrowも彼の作品である。
アテナの誕生 The Birth of Athena
ヘパイストスHephaestusが父fatherなくして母mother・ヘラHeraからのみ生まれたように、アテナAthenaが母motherなくしてゼウスZeusの頭Headから生まれたのは、ヘパイストスHephaestusが生まれたあとのことである。
なぜなら、頭痛headacheに苦しむゼウスZeusの頭Headを斧axeで打ち砕いてアテナAthenaの誕生Birthを助けたのはヘパイストスHephaestusだからである。
Athena
Scorning the Advances of Hephaestus
のちにヘパイストスHephaestusはアテナAthenaに恋い焦がれるが、アテナAthenaにつれなく拒絶され、悶々として大地Earthに精液を垂らしてしまった。
身ごもった大地Earthから、アテナイAthensの伝説上の王Legendary king・エリクトニオス1世Erichthonius I of Athensが生まれた。
Water,
or the Fight of Achilles against Scamander and Simoeis
トロイア戦争Trojan Warのときには、逆巻くスカマンドロスScamanderの流れに苦闘するアキレウスAchillesを見、鍛冶場の火Blacksmith fireで川を干上がらせてLet the river dry、英雄heroを溺死Drowningから救った。
彼の子供childrenたちのほとんどは、父親fatherと同じように足が不自由だったが、アルゴナウタイArgonautsの一人パライモンPalaemon、コリュネテスCorynetes(棍棒男)というあだ名を持つエピダウロスEpidaurusの山賊・ペリペテスPeriphetes、フルートの発明者・アルダロスらがいる。
古代に各地に見られた多くの粗削りの神像も、彼の作品とされた。
ポセイドン Poseidon
ポセイドン Poseidon
ポセイドン Poseidon
(ネプトゥヌス Neptune)
海を支配するrule
the sea主要なギリシアの神Greek god。
ローマ神話Roman
mythologyでは海神Sea god・ネプトゥヌスNeptuneと同一視された。
ポセイドンPoseidon(ドリス語でポテイダン)という名は「大地の支配者または夫」を意味しているらしく、その起源は彼の通称ガイエコス(「大地の所有者」)と一致している。
また地震earthquakeとも結び付けられ、そのため「大地を揺さぶる者」という意味のエノシクトンやエノシガイオスとも呼ばれる。
関連のある動物Related animalは主として馬Horseと牡牛Bullである。
ポセイドンPoseidonは、礼拝の対象Object
of the worshipでもあり、神話に登場する神々The gods who appear in the mythの中でも偉大な神Great
godの一人である。
キュクロペスの鍛冶場 The Forge of the Cyclopes
しばしば芸術作品の題材Subject of the work of artとなり、背が高く、あご髭をはやし、いつも三叉の矛trident(キュクロペスCyclopes、またはテルキネスTelchinesが作ったとされる、先が三叉の、マグロ漁師Tuna
fishermanが使う槍)を携え、ときには魚を持った姿で描かれる。
ポセイドンPoseidonは「海の老人the Old Man of the Sea」と言われるネレウスNereusやポルキュスPhorcys、プロテウスProteusといった古い穏やかな海神Sea godたちに取って代わり、彼らが本来持っていた性質の多くを引き継いだが、彼らに欠けていた激しさも持っていたようである。
それはポセイドンPoseidonがしばしば不機嫌で、復讐心に燃え、危険な人物として描かれるからである。
彼の行動はその破壊力Destructive powerを示している。
クロノスCronusに石stoneを包んだおくるみを贈呈するレアRhea
Rhea presenting Cronus with the stone wrapped
in swaddling bands
彼はクロノスCronusとレアRheaの息子sonで、ヘシオドスHesiodによればゼウスZeusの兄elder brotherである。
ゼウスZeusを除く兄弟姉妹Brothers
and sistersと同様に、生まれるとすぐに父親fatherに飲み込まれたが、それは子供childrenたちが将来、自分の競争相手になることを父親fatherが恐れたからである。
もっともアルカディアArcadiaの人々はレアRheaが子馬ponyをポセイドンPoseidonの身代わりにして夫husbandに飲ませたのだという。
また、レアRheaはポセイドンPoseidonをロドス島Rhodesに連れて行き、そこでオケアノスOceanusの娘・カペイラCapheiraがテルキネスTelchinesの助力を得て彼を育てたという話もある。
メティス Metis
メティスMetisがクロノスCronusに催吐薬Emeticを与えて子供childrenたちを吐き出させると、ポセイドンPoseidonはゼウスZeusを助けてティタン神族Titansを打ち負かし、タルタロスTartarusに幽閉Imprisonmentした。
それから、クロノスCronusの三人の息子たちthree sonsは全宇宙whole
universeを分け合ったが、地上GroundとオリュムポスOlympusだけは共有shareした。
ポセイドンPoseidonは籤(くじ)lotteryで海Seaが当たったのだが(彼の出生についての通説とは異なる説によれば)、奇しくも海Seaは、彼がレアRheaの胎内から生まれるとすぐにクロノスCronusの手で投げ込まれた所であった。
アポロン Apollo テティス Thetis
ポセイドンPoseidonは最高の地位highest
postを与えられたゼウスZeus(ホメロスHomerによれば長男)に対してしばしば反抗resistしたけれども、窮地に陥ったときに限って敗北を認めた。
あるとき、ポセイドンPoseidonはゼウスZeusを打ち負かそうとヘラHeraとアテナAthenaと陰謀Plotをめぐらし、ゼウスZeusを縛り上げたが、テティスThetisがタルタロスTartarusから百の手を持つ巨人Giant having 100 hands(ヘカトンケイルHecatoncheir)・ブリアレオスBriareosを連れて来て、ゼウスZeusを解き放した。
ポセイドン Poseidon アムピトリテ Amphitrite
ポセイドンPoseidonの子供たちchildrenの多くは、人間も神もともに彼の激しさを継いでいる。
彼の妻wifeはネレウスNereusないしオケアノスOceanusの娘daughter・アムピトリテAmphitriteであると言われている。
ポセイドンPoseidonが求婚Proposeすると、アムピトリテAmphitriteは脅えてアトラスAtlasのもとへ逃れたが、一頭の海豚(いるか)dolphinが彼女を見つけ出し、説得Persuadeしてポセイドンと結婚marriageさせた。
その海豚(いるか)dolphinは褒美rewardに星座constellationとして天に配置された(海豚座Delphinus)。
トリトン Triton
アムピトリテAmphitriteは夫husbandのためにトリトンTriton、ロデRhode、ベンテシキュメBenthesikymeの三人の子Three childrenを産んだが、ポセイドンPoseidonは女神goddessやニンフnymphや人間の女たちと交わって他にも多くの子供childrenをもうけた。
神馬Horse of God・アレイオン(アリオン) Arion
ポセイドンPoseidonはまた馬Horseの姿になってデメテルDemeterを我がものとしたが、それは彼女が彼を避けるために牝馬Mareになっていたからである。
二人の名が大地と関係のあるところから推測されるように、おそらく彼女は彼の最初の伴侶だったのだろう。
デメテルDemeterは神馬Horse
of God・アレイオン(アリオン)ArionとデスポイナDespinaという娘daughterとを産んだ。
メドゥサ Medusa
ポセイドンPoseidonはまた、ゴルゴンGorgonのメドゥサMedusaがまだ美しい女性beautiful
womanであった頃、メドゥサMedusaを愛し、アテナの神殿the temple of Athenaで彼女と交わった。
そのため処女神virgin goddess・アテナAthenaはメドゥサMedusaを忌まわしい怪物Disgusting monsterに変え、ペルセウスPerseusがメドゥサMedusaを殺す手助けをした。
ペガソス Pegasus
ポセイドンPoseidonの子を身ごもっていたpregnant in childrenメドゥサMedusaの切られた首neckから、クリュサオルChrysaorと翼のある天馬Fine steed with the wing・ペガソスPegasusとが生まれた。
ヘラクレス Heracles アンタイオス Antaeus
ポセイドンPoseidonはまた祖母grandmotherのガイアGaea(the Earth)(大地)に巨人giant・アンタイオスAntaeusを産ませた。
Titans
and Giants, including Ephialtes on the left
他の巨人giantでポセイドンPoseidonが父fatherとされるものにオリュムポスOlympusを急襲しようとしたオトスOtusとエピアルテスEphialtes(アロアダイAloadae)、それにキュクロペスCyclopesのポリュペモスPolyphemusがいる。
ポリュペモス Polyphemus
ポセイドンPoseidonはポリュペモスPolyphemusを盲目BlindにしたオデュッセウスOdysseusを激しい憎悪の念に駆られて追った。
その他のポセイドンPoseidonの子供childrenたちは、体形は普通だが性格は獰猛である。
その中に異母兄弟half brother・テセウスTheseusに殺された悪党・ケルキュオンCercyonとスキロンSciron、ゼウスZeusの息子son・ポリュデウケスPolydeucesに殺されたアミュコスAmycus、ヘラクレスHeraclesに殺されたブシリスBusirisがいる。
テセウス Theseus
彼らよりまともでポセイドンPoseidonを父fatherと主張する人間の中に、エパポスEpaphusの娘daughter・リビュエLibyaの産んだ息子sonsたち・ベロスBelus、アゲノルAgenor、レレクスLelexがおり、とりわけ有名なのがテセウスTheseusで、母motherはアイトラAethraだが、父fatherはアイゲウスAegeusとも言われる。
その他アミュモネAmymoneとの間に大航海家Person of Great NavigationのナウプリオスNauplius、テュロTyroとの間にペリアスPeliasとネレウスNeleus、カリュケCalyceとの間にコロナイの王・キュクノスCycnus、など多くの息子sonsたちがいる。
ポセイドンPoseidonはホメロスHomerの 『イリアスIliad』 の中できわめて重要な存在である。
これは主として彼がトロイア軍Trojan armyに対して憎しみを抱いていたからであり、そのために彼はゼウスZeusのはっきりとした命令にも逆らって、ギリシアGreeceに味方した。
アポロン Apollo ポセイドン Poseidon ラオメドン Laomedon
この憎しみは以前ポセイドンPoseidonとアポロンApolloがプリアモスPriamの父father・ラオメドンLaomedonに奉仕して、ある金額でトロイアTroyの町の城壁Town wallsを作ることに応じたにもかかわらず、結局ラオメドンLaomedonがその代金の支払いを拒んだRefused to pay the priceことに起因している。
アポロンApolloはその罰punishmentとしては疫病plagueをはやらせただけで十分だと感じていたらしい。
それは彼がその後のトロイア戦争the Trojan
Warでトロイア軍Trojan armyに味方したからである。
ヘラクレス Heracles ヘシオネ Hesione
これに対して、ポセイドンPoseidonはより非情であった。
ポセイドンPoseidonは海の怪物sea
monsterを遣わし、それがもう少しでラオメドンLaomedonの娘daughter・ヘシオネHesioneを貪り食うところだったが、それだけでは満足せず、トロイア戦争the Trojan
Warの間、ずっとトロイア軍Trojan armyを迫害し続けた。
小アイアス Ajax the lesser
しかしポセイドンPoseidonの怒りはギリシア軍Greek armyをも容赦しなかった。
ロクリスLocrisのオイレウスOileusの息子sonのアイアスAiasが、アテナ神殿the temple of AthenaでカッサンドラCassandraを犯すという不敬の罪Crime of the disrespectを犯したため、姪nieceのアテナAthenaはギリシア軍Greek armyを罰punishmentしたが、ポセイドンPoseidonはそれを助けたのである。
それどころか、帰国の途上難破したアイアスAiasが神々Godsを侮(あなど)り自力で我が身を救ったのだと自慢したため、ポセイドンPoseidonは彼がしがみついていた岩を打ち砕き犯罪者として彼を処罰した。
また他のギリシアの指揮官たちGreek commandersは罪を犯したアイアスAiasを罰punishmentすることを拒んだため、ポセイドンPoseidonが送った嵐に翻弄される羽目になった。
オデュッセウス Odysseus
オデュッセウスOdysseusはアイアスAiasをその罪のゆえに石を投げて殺そうと提案したのでこの迫害を逃れたが、のちに彼がポセイドンPoseidonの息子son・ポリュペモスPolyphemusを盲目Blindにしたために、ポセイドンの怒りの矢面に立たされた。
その後、オデュッセウスOdysseusの帰国は大幅に遅れ、やっと帰国を果たした時には、仲間をすべて失っていた。
パイアケス人 Phaeacians
さらに、ポセイドンPoseidonは、航海術に長けたパイアケス人PhaeaciansがオデュッセウスOdysseusやその他の旅人に援助を与えたため、彼らの港を巨大な山脈で塞ぎ、オデュッセウスOdysseusを運んだ船を岩に変えて彼らを罰した。
しかしポセイドンPoseidonは心が平静なときには、忠実なエチオピア人Ethiopianの所へ好んで訪れた。
エチオピア人Ethiopianが彼に多くの犠牲を捧げたからである。
オデュッセウスOdysseusが一度ならずポセイドンPoseidonの目を逃れたのは、ポセイドンPoseidonがエチオピア人Ethiopianの所へ行っていて留守をしていたという偶然が幸いしたからだった。
ポセイドンPoseidonはアイガイAegae(この名の付いた場所はアカイアAchaeaとエウボイア島Euboeaの2箇所)に近い海底の宮殿Palace of the bottom of the seaに住んでいた。
彼は戦車Chariotに乗って驚くべき速さで海上を進み、サモトラケ島SamothraceからアイガイAegaeまで大股の四歩で渡ることもできた。
また彼が戦いに加わると、ハデスHadesは彼の起こす地震earthquakeで地面が崩れて地下の世界の天井が落ちて穴があくのではないかと恐れた。
アテナAthenaとポセイドンPoseidonの競争
ポセイドンPoseidonは多くの土地をはっきりと自分のものだと主張し、そのことで他の神々Godsと争ったが、しばしばその争いに敗れている。
たとえば彼はアテナイAthensとトロイゼンTroezenの両国をめぐってアテナAthenaと争いを起こした。
アテナイAthensの場合には競争competitionが行われた。
アテナAthenaがオリーヴの木Olive
treeを生え出させたのに対して、ポセイドンPoseidonはやっとの思いで三叉の矛tridentでアクロポリスAcropolis山上の岩を打ち砕き塩水の泉brine
springを作り出したに過ぎなかった。
アテナイAthensの人々は二つを比べて、アテナAthenaの贈り物の方が役に立つと考えた。
そこでポセイドンPoseidonは彼らがアテナAthenaを選んだことを罰punishmentするために、アッティカAttica周辺の野に洪水floodを起こした。
のちにゼウスZeusがポセイドンPoseidonとアテナイAthensの人々とを和解させ、それ以後彼らはポセイドンPoseidonを大いに敬うようになった。
トロイゼン Troezen
トロイゼンTroezenではゼウスZeusは兄elder
brotherのポセイドンPoseidonと娘daughterのアテナAthenaとを平等に取り扱った。
しかしそこでもポセイドンPoseidonは洪水floodを引き起こした。
そのため、ついにトロイゼンTroezenの人々は、彼を崇(あが)めてピュタルミオス(「草木の育成者」)という呼称を与えた。
The Death of Hippolytus
ポセイドンPoseidonがテセウスTheseusの息子son・ヒッポリュトスHippolytusを殺した海獣Sea animalを送り込んだのもトロイゼンTroezenの近くであった。
アルゴスArgosではポセイドンPoseidonはヘラHeraと激しく争ったが、アルゴスの河神the river godたちはヘラHeraの方を高く評価した。
ヘラHeraがアルゴスArgosの町の当初からの守護神Guardian
deityだったからである。
それに腹を立てたポセイドンPoseidonは川をすべて枯らし、その地を海水で氾濫させた。
ポセイドン Poseidon アミュモネ Amymone
それでもポセイドンPoseidonがのちにダナオスDanausの娘daughtersの一人アミュモネAmymoneと出会ったのはアルゴスArgosの地であった。
彼は彼女が気に入り、泉のところまで連れて行って、彼女と交わった。
それでアミュモネAmymoneはナウプリオスNaupliusを産んだ。
ともあれ、ポセイドンPoseidonは一つの町を我が物とした。
ヘリオス Helios
ポセイドンPoseidonはコリントスCorinthの所有権OwnershipをめぐってヘリオスHeliosと争い、その決着はブリアレオスBriareosの手に委ねられた。
彼の公平な裁定によって、町を見下ろす高い丘(アクロコリントスAcrocorinth山)は太陽神solar
deity・ヘリオスHeliosに、そして両側が海に面しているコリントス地峡the Isthmus of Corinth全体はポセイドンPoseidonにとそれぞれ与えられることになったのである。
ミノタウロス Minotaur
ポセイドンPoseidonはクレタ島の王King of Crete・ミノスMinosと激しく争ったが、それは次のような経緯による。
王KingがポセイドンPoseidonに犠牲Sacrificeにするための牡牛Bullを送って欲しいと求めると、ポセイドンはそれに応じて海から見事な牡牛Bullをよこした。
それは実に立派な牡牛Bullだったので、ミノスMinosは犠牲Sacrificeに供するよりも飼っておきたいと思った。
ポセイドンPoseidonはそれに腹を立てて、ミノスMinosの妻wife・パシパエPasiphaeがその牡牛Bullに情欲を抱くように仕向けた。
テセウス Theseus
その後、テセウスTheseusが彼らの怪物の子monster child・ミノタウロスMinotaurを殺そうとしてクレタ島Creteにやって来たとき、ミノスMinosは自分の指輪ringを海Seaに投げ入れ、テセウスに回収してくるように命じた。
こうすることによってミノスMinosは、ポセイドンPoseidonが本当にテセウスTheseusの父親fatherであるかどうかを確かめようとしたのである。
ポセイドンPoseidonとアムピトリテAmphitriteの勝利
テセウスTheseusが海Seaに飛び込むと海SeaのニンフnymphのネレイデスNereidsがすぐに指輪ringを彼に返し、アムピトリテAmphitriteは黄金の冠Golden
crownも一緒に手渡した。
テセウスTheseusはその冠crownを自分のものとして取っておいた。
テイレシアス Tiresias
ポセイドンPoseidonは海辺Seasideだけでなく内陸inlandでも自分に敬意が払われることを重んじた。
このことは、テイレシアスTiresiasの亡霊GhostがオデュッセウスOdysseusに対して与えた指示から窺える。
テイレシアスTiresiasの亡霊Ghostは、海Seaなど見たこともないため、オデュッセウスOdysseusが肩に担いでいた櫂(かい)oarが櫂(かい)oarであることすら知らないような人々の住む内陸inlandで、ポセイドンPoseidonに敬意を表して犠牲Sacrificeを捧げよ、とオデュッセウスOdysseusに命じたのである。
デルポイの神託 Delphic oracle
ポセイドンPoseidonは内陸inlandのボイオティアBoeotiaとデルポイDelphiでも崇(あが)められた。
デルポイDelphiでは神託oracleの仕事をアポロンApolloが引き受けるまで、ポセイドンPoseidonとガイアGaeaがその仕事の分担をしていたとも言われる。
デルポイDelphiではコルキュラ島Corcyraの人々が、漁師Fishermanにマグロの大群Horde
of tunaのいる位置を浜辺に立って示してくれた牡牛Bullを記念して、ポセイドンPoseidonに青銅の牡牛Bronze bullを捧げる習慣があった。
コルキュラ島Corcyraの人々がマグロTunaを網で捕えることができたのは、漁獲量の10分の1をポセイドンPoseidonに与えよというデルポイの神託Delphic oracleを受けたあとのことであったからである。
嵐で漂流するオデュッセウスOdysseusを助けるレウコテア女神Goddess Leucothea
ポセイドンPoseidonは破壊的な活動Destructive
activityだけでなく、慈悲深い行いBenevolent deedsもした。
たとえば以前は巨大な湖Huge lakeであったテッサリアThessalyを乾いた土地Dry landに変えたのだが、これは大地震huge earthquakeを引き起こしてテムペ渓谷the Vale of Tempeをくり抜き、そこをペネイオス川the river Peneusが流れるようにして実現したのである。
ポセイドンPoseidonはまたイノInoと息子sonのメリケルテスMelicertesが海Seaに身を投げたとき、彼らを海神Sea godレウコテアLeucotheaとパライモンPalaemonに変えて救った。
ポセイドンPoseidonはゼウスZeusの息子sonsのポリュデウケスPolydeucesとカストルCastor兄弟brothers(ディオスクロイDioscuri)を船乗りの保護者Guardian of the sailorに指名し、彼らに嵐を鎮める力Power
to calm the stormを与えた。
また地震earthquakeが起こらないようにと祈る場合、人々はポセイドンPoseidonの加護を求めた。
アスパリオス(「地すべりの防止者」)としてポセイドンPoseidonに祈りを捧げたのである。
馬の神Horse godとしてのポセイドンPoseidonはヒッピオス(「馬の神」の意)として知られていた。
アテナイAthensではアテナAthenaはヒッピアの呼び名で彼と結び付けられている。
ペロプス Pelops
ポセイドンPoseidonは気に入った多くの者に馬Horseを与えた。
たとえば愛していたペロプスPelopsに馬Horseを与え、それを用いてペロプスPelopsはヒッポダメイアHippodamiaを手に入れた。
イダスIdasにはエウエノス河神the river god Evenusの娘daughter・マルペッサMarpessaを連れ去るために馬Horseを、またトラキアの王King of Thrace・レソスRhesusにはオデュッセウスOdysseusとディオメデスDiomedesが盗んだ馬Stolen horseを、さらにペレウスPeleusにはテティスThetisとの結婚式weddingのときに、のちにアキレウスAchillesが拒絶することになる不死の名馬Immortal
fine horse・クサントスXanthusとバリオスBaliusとを与えた。
黄金の毛をした牡羊 the ram with golden wool
彼はまた牡羊ramとも結び付けられていた。
それは彼がテオパネTheophaneを犯したとき牡羊ramに姿を変え、2人のあとを追っていた彼女の求婚者たちsuitorsの目をくらますために彼女を羊sheepに変えたからである。
こうしてテオパネTheophaneは黄金の毛golden woolをした牡羊ramを産んだのだと言われる。
この牡羊ramは、その後、息子sonのプリクソスPhrixusがアタマスAthamusの手で犠牲Sacrificeにされるのを救おうとして、ネペレNepheleがプリクソスPhrixusに与えたものである。
ポセイドンPoseidonの求愛を受けるカイニスCaenis
すべての海神Sea godは自分たちの姿を変える力を持っていたが、ポセイドンPoseidonは多くの人間の姿をも変えた。
カイニスCaenisを犯したのち、彼女の願いで彼女を男に変えたり、アロペAlopeを泉に変えたりした。
彼は息子のペリクリュメノスPericlymenusに意のままに姿を変える力を与え、誘惑したメストラMestraにも同じ能力を贈った。
息子のキュクノスCycnusを不死身にもした。
ポセイドン Poseidon アムピトリテ Amphitrite
アムピトリテ Amphitrite
ネレウスNereusとオケアノスOceanusの娘daughterであるドリスDorisとの娘daughterで海の女王Queen of the sea。
ポセイドンPoseidonはナクソス島the island of Naxosで踊っていたアムピトリテAmphitriteを見て彼女に恋をしたが、彼女は逃れて巨人神Giant god・アトラスAtlasに救いを求めた。
ポセイドンPoseidonは召使いServantの海の動物たちSea animalsにアムピトリテAmphitriteを探させた。
ついに海豚(いるか)Dolphinが彼女を発見し、ポセイドンPoseidonのために熱烈に説得したので、彼女はポセイドンPoseidonと結婚marriageした。
海豚座(いるかざ) Delphinus
そのためポセイドンPoseidonは海豚(いるか)Dolphinを空に上げて星座constellationとした(海豚座Delphinus)。
2人の間の大勢の子供childrenの中にトリトンTriton、ロデRhode、ベンテシキュメBenthesikymeなどがいる。
トリトン Triton
トリトン Triton
半人半魚Half-human half-fishの姿をしたさほど重要でない海神Sea
god。
ポセイドンPoseidonとアムピトリテAmphitriteの息子son。
彼は古代芸術Ancient artによく扱われる題材であるが、描かれ方は様々で、彼が一人だったのか、あるいは複数いたのか定かでない。
最も普通に描かれるのは、頭と胴は人間The head and torso are humanだが、尾は魚The
tail is a fishといった人物としてである。
大きな津波large tsunamiがアルゴナウタイArgonautsを襲い、彼らをリビュアLibyaの奥地深くまで運んだので、彼らが船shipを(今日のチュニジア南部Southern Tunisiaにある)トリトニス湖Lake
Tritonisまで移動させたとき、トリトンTritonがエウリュピュロスEurypylusという名の美青年の姿になって現れ、再び海を見出すにはどちらの方向に向かったらよいかを教えた。
彼はギリシア人Greeksから、アルゴナウタイArgonautsがデルポイDelphiから持ってきた黄金の祭壇を贈られたあと、別れの贈り物としてエウペモスEuphemusに土塊a clod of earthを与えた。
テラ島 Thera
この土塊a clod of earthは、エウペモスEuphemusがクレタ島Creteの北で船shipから落とすと、カリステ島Kalliste(テラ島Thera)になった。
ボイオティアBoeotiaのタナグラTanagraの人々は、トリトンTriton、またはこの名で呼ばれる海神Sea
godたちの一人を危険と見做した。
なぜなら、タナグラTanagraの女たちがディオニュソスDionysusに犠牲Sacrificeを捧げる前に海で沐浴していると、彼がよく襲ってきたからである。
それで、トリトンTritonとディオニュソスDionysusの間で戦いが起こったが、トリトンTritonが敗れた。
またあるとき、トリトンTritonsの一人がタナグラTanagraで捕えられ、首を切られた。
彼はその地の家畜をとって食べていたが、その後葡萄酒を贈られて酔っぱらったところを、うまく罠に誘い込まれたのだと言われる。
トリトン Triton アムピトリテ Amphitrite
トリトンTritonは渦巻状のspiral法螺貝conchと結び付けて考えられている。
それは嵐の海を静めるCalm the stormy seaためのトランペットtrumpetとして用いられた。
神々GodsとギガンテスGigantes(巨人族)giantsとの戦いbattle(ギガントマキアGigantomachy)でも、トリトンTritonはギガンテスGigantesを驚かせるために、法螺貝conchを使った。
トリトンTritonはまた父father・ポセイドンPoseidonと同様、三叉の矛tridentを携えていた。
このトリトンTritonがヘラクレスHeraclesによって格闘で倒されたトリトンTritonと呼ばれる海獣と同一であるかどうかは、定かでない。
アテナAthenaの子供時代に関する神話では、トリトンTritonにはパラスPallasという娘daughterがあり、アテナAthenaは彼女と遊んでいて、かっとなって彼女を殺してしまったという。
ポセイドンPoseidonの求愛を受けるカイニスCaenis
カイネウス Caeneus
もともとはテッサリア王King of Thessaly・エラトスElatusの娘daughter・カイニスCaenisであった。
大変な美人だったが、誰とも結婚しようとしなかった。
しかしカイニスCaenisが海岸を歩いているとき、ポセイドンPoseidonが彼女を見て、犯した。
その償いに、ポセイドンPoseidonはカイニスCaenisの望むことは何でも叶えようと約束した。
カイニスCaenisは、ポセイドンPoseidonから加えられた侮辱を再び受けずにすむように、自分を男にして欲しいと言った。
ポセイドンPoseidonはその願いを聞き入れ、しかも、カイニスCaenisを剣によっては決して傷つけられない男にした。
名もカイネウスCaeneusと改めて、テッサリアThessalyのラピテス族the Lapithsの族長Patriarchの一人とした。
ラピテス族とケンタウロスの戦い
The
Battle between the Lapiths and the Centaurs
ペイリトオスPirithousの結婚式weddingで、酒によったケンタウロスたちthe centaursがラピテスたちthe Lapithsを襲い、ラピテスLapithsの女たちを奪おうとしたとき、カイネウスCaeneusは剛勇のラトレウスLatreusを含む6人のケンタウロスthe
centaursを殺した。
残りのケンタウロスたちthe centaursが彼を攻撃したが、武器では彼を傷つけることができないので、彼の頭上に岩や木を雨あられと降らせた。
彼はその非常な重みで地中にめりこんで行き、ついにタルタロスTartarusに達した。
タルタロスTartarusで彼は再びもとのカイニスCaenisに戻った。
しかしオウィディウスOvidではこの結末の部分が違っていて、それによれば、予言者・モプソスMopsusはカイネウスCaeneusの魂が小鳥の姿になって、山と積まれた岩や木の中から空へ飛び立って行くのを見たという。
カイネウスCaeneusの息子sonがコロノスCoronusである。