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2021年3月7日日曜日

 

たま Tama she-cat


ぴょん Pyon she-cat


街角のカフェ Cafe Corner 2007年(平成19年)


市場の一角 Market Street 2007年(平成19年)


青果店 Green Grocer 2008年(平成20年)


消防署 Fire Brigade 2009年(平成21年)



じゃりン子チエ Chie the Brat

はるき悦巳(はるき・えつみ)(1947年(昭和22年)528日~)

1978年(昭和53年)~1997年(平成9年)

アニメ監督 高畑勲(たかはた・いさお)

1935年(昭和10年)~2018年(平成30年))


じゃりン子チエChie the Brat


じゃりン子チエChie the Brat


じゃりン子チエChie the Brat


じゃりン子チエChie the Brat


じゃりン子チエChie the Brat


じゃりン子チエChie the Brat


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じゃりン子チエChie the Brat


じゃりン子チエChie the Brat


じゃりン子チエChie the Brat


じゃりン子チエChie the Brat



竹本チエ(たけもと・チエ)Chie Takemoto

本作の主人公。

大阪の架空の地名、頓馬区西萩2-4にあるホルモン屋(「テッちゃん」改め)「チエちゃん」を営む小学5年生。

1968年(昭和43年)生まれ(11歳)。

1979年(昭和54年)現在。

一人称は基本的に「ウチ」だが、ごく稀に「わたし」と言うこともある。



ポッチリと呼ばれる赤い髪留めと下記の下駄がトレードマーク。

勉強こそ苦手だが、得意教科である体育だけは非常に成績が良く、男子をケンカで圧倒する身体能力を持つ。

また、仕事でも用いる算盤は得意。

外に出る時は下駄を履いており(この下駄はケンカの時には武器となる。

ただし、運動会の時などは運動靴を履いている)、両親譲りの足の速さを誇る。


竹本菊


テツには似たくないと考えているが、同級生のマサルは「(性格も顔も)チエはテツにそっくり」と言っており、実際に似ている点も多いが結局は全て祖母・菊に似ており、菊の幼馴染からは「若い頃の菊ちゃんそっくり」と言われたこともある。

一方、小鉄は(特に横顔を見て)ヨシ江に似ているという感想を抱いている。

バイタリティに溢れ、根は素直で明るい性格。

周囲の人気者で、店の常連からも「チエちゃんの笑顔」目当てに訪れる客も多い。

一方で、喜怒哀楽が激しく、すごく落ち込んだり、時には接客中にも無粋な表情を返したりすることもしばしばで、喧嘩っ早いところも父親や祖母に似ている。



基本的には父親・テツのことを「テツ」と呼び捨てにするが、母親のヨシ江からは「お父はん」と呼ぶようにたしなめられている。

遊んでばかりで働かないテツのことを人前では決して良く言わないが、いい所もあると密かに認めていたり自分が退屈しているときは自らテツの遊び相手になるなど、父として大切に思う描写も見られる。

ホルモン屋の経営も結構気に入っており、客の扱いは祖母も感心するほど上手だが、テツや周りのつまらない大人たちの様々な騒動に巻き込まれる自分の不遇をぼやくこともある。

「ウチは日本一、○○な少女や」が口癖である。

子供同士の時は年齢相応の無邪気さを見せるが、大人に囲まれるとクールな一言で大人を凍りつかせることもある。

また、年齢不相応にしっかりしたところもあり、いざという時のためにへそくりも貯めている。

お金こそ賭けないがギャンブルは父親に似ず驚異的な強さを持ち、カブでテツと遊ぶ際はほぼ圧勝している(テツ曰く「カブの天才」)。

父親と異なり(小学生でありながら)酒は飲める。


小鉄


好物は巻き寿司、ばってら、回転焼き、善哉、チョコレートパフェ、餃子など。

下ネタなど下品な言動を嫌い、「レディーに向かって何てこと言うんや!」と激怒することも度々。

他に、オバケや幽霊といったものも苦手。

給食のキャベツやクリームシチューを残したこともある。

猫好きで、小鉄以前にも猫を何度か飼おうとしたことがあるが、テツのせいで逃げられてしまった。

また、小鉄の世話は基本彼女がしているが、劇が進むに連れて扱いがかなり荒くなっている。

チエの人物像にははるきが幼少期に見た『がめつい奴』の向山テコの影響が強いといい、中山と対談した際に『(中山演じるテコが)強烈なイメージで自分の中にずっと残っていた』と明かしている。



竹本テツ(たけもと・テツ)Tetsu Takemoto

チエの父。37歳。1942年(昭和17年)生まれ。

1979年(昭和54年)現在。

一人称は「ワシ」だが、稀に「僕」と言うこともある。

なお、漢字での名前は「竹本哲」。

ホルモン屋「テッちゃん」を営むも、ロクに働かず博打とケンカに明け暮れるため、チエに店を奪われ実質無職。

店名も「チエちゃん」に変わる。

坊主頭に口元のヒゲ、黒シャツと腹巻がトレードマーク。

腹巻は真夏でも常に着用しており、長時間外していると腹を壊す。

自他共に認める負けず嫌い。



強面で筋骨隆々の体格を持ち、体力とケンカの強さは元日本ウェルター級1位をパンチ一発でKOしたり、酔った幕内力士3人を相手に、場所を欠場させるほどの大怪我を負わせたり、一人でヤクザの事務所に殴り込みに行ったり、チンピラ相手に5時間以上暴れまわったりするなど、一騎打ちにおける格闘能力はとてつもなく高い。

反面、1人で4人以上を同時に相手にすると思考が追いつかなくなり弱くなる(しかし、実際はヤクザ数十人相手に打ち勝っている場面もおり、本人も「あれは後ろから奇襲されたから」と弁解している)。

猫とのケンカを苦手にしており、小鉄を始め作中に登場する様々な猫に再三手ひどく痛めつけられている。


百合根光三


百合根のお好み焼き屋やラーメン屋「カルメラ亭」をブラブラしたり、ヤクザやチンピラから金をゆすり取るのが日課。

一応ヤクザ以外からは恐喝をしない自分なりのルールを持っているが、知り合いの弱みに付け込んで食事を奢らせたりタダ同然で仕入れた物を売りつけるといった事は平気で行う。

非常に執念深くやられたらやり返すまで絶対に諦めないため、ヤクザ関係者からは☆5つ(最上級)の危険人物としてブラックリストに挙がっており、警察からもマークされている。

少年期に(本人によると「無実の罪で」)鑑別所に入っていたことがあり、当時の収監仲間には今でも慕われている。


竹本菊


男性相手にはすぐ手が出るものの、女性に対して暴力を振るうことはほぼ皆無であり、女性陣との口ゲンカで神経を磨り減らすナイーブな面も持ち合わせ、ノブ子、朝子など作中の女性にはけっこう気に入られている。

また、現在はヨシ江一筋であるため、女遊びもしない。

母親の菊がギックリ腰になったときは本気で喜んでとどめを刺そうとしたり、おジィのことは金づるとしか思っていないなど、両親への情は希薄な一方で、なんだかんだで放っておけずに助けることも少なくない。

上記のように大人としては極めて問題の多い傍若無人な性格だが、妻のヨシ江に加え自分よりも強い菊と小学生時代の恩師である花井拳骨の二人には基本的に頭が上がらず、チエや彼らの介入で失敗したり、チエに店を任せっきりにしたり定職に着かないことなどだらしのなさを咎められることもしばしばある。

幽霊やお化けも大嫌いで、チエと違って正体が人間とわかっていても怖がる。

結局、それが原因で、お化け屋敷にてヨシ江にプロポーズすることになった。

注射も苦手。



青年時代、得意の健脚がヨシ江にはかなわず(コーナーを回るのが下手)、彼女に極度のコンプレックスを抱くことになる。

劇中の現代でもヨシ江に見られているといつもの調子が出せなくなり、ヨシ江と2人きりになると緊張してアガってしまうが、彼女はそんなテツの意外性を気に入っている。

おいちょかぶが大好きだが、持ち札の良し悪しが顔に出るためあまり強くない。

ただしその弱点については本人も自覚しており、お面を被った時はチエに勝利している。

また、金を賭けていない時は普通に強い。

その特技を活かして博奕で財産をなくした人のお金を取りかえすことにも貢献している。



母親の菊に子供の頃から仕込まれたホルモン焼きの技は体で覚えているものの、テツが店に立つことはごく稀で、いざ店に立った時には客が寄り付かなくなる。

一般市民を狙うヤクザも彼を恐れているため(ヤクザの間でテツやテツの身内に対し、非礼なこと《劇中ではスリ、窃盗など》が起きたりすると、上から落とし前を付けてこいといわれるほど。

また、常連客が、チンピラからテツに助けてもらったと発言している場面もあり、テツが大活躍する話も多い)、テツによって周囲の治安が保たれている一面もある。

娘のチエのことは大切に思っている一方で、金がなくなるとチエにまで小遣いをせびったり、家財道具を質に入れようとするためたびたび激怒させ呆れられたり返り討ちにされている。


花井拳骨


良かれと思ってしたことでチエを泣かせてしまったこともある(授業参観に勝手に現われ、マサルと担任の花井渉までも脅迫まがいの発言で泣かせている。しかし、それが原因で拳骨と新たな接点ができてしまった)。

好物はかりんとう、天丼、天ぷらうどん。

また、ジュース、冷やし飴、チョコレートパフェ、赤福など甘いものも好んでいる。

イメージとは違って酒は全く飲めず、タバコも吸わない(一度口にしたものの、むせてしまい断念)。

博打やかりんとうは好きだが下戸という設定は、作者のはるきの私生活の投影でもあるらしい(はるき自身はタバコは吸うが下戸であるという)。


レイモンド飛田


野球に興味は無いとチエは発言している。

そのため、阪神ファンではないものの、少年時代に川上哲治のホームランボールを頭に受けたため、巨人の帽子を見たら怒り狂う。

一方、草野球は好きな方で、鑑別所でピッチャーをやっていたり、地獄組と賭け野球をしたり、男性陣と女性陣で対決したりしている。

勉強はダメだが、そろばん検定3級を取っている。

また、鑑別所時代にいろいろなことを経験しているために、意外と色々な知識を持っている。

(チエに運動靴を買ってあげた後、靴擦れを防止するために石鹸を靴の踵部分に塗る等)方向音痴でもあり、「一人でひょうたん池より遠くへ行ったことがない」と菊にいわれている。



竹本ヨシ江(たけもと・ヨシえ)

チエの母で、テレビアニメ1期第6話まではテツの元妻であったが、第7話以降は再妻となった。

37歳。1942年(昭和17年)生まれ。

付き合い始めの頃は、テツのことを「竹本君」と呼んでいるシーンがある。

一人称は「わたし」。

ホルモン屋の客から西萩小町と呼ばれているほどの美人で、学生時代はテツを含めた男子のマドンナだった。



連載開始当初は(理由は定かではないが)テツに「出て行け」と言われたことを真に受け、家出状態であったが、次第にチエへの思いが込み上げるようになり、テツの母・菊や仲人を務めた花井拳骨などの計らいで復縁。

離縁時は洋裁で生計を立てていたなど生活力は高く、復縁後は拳骨の紹介で、洋裁教室の講師を務めている。

チエの一張羅もヨシ江が作ったもの。

早く両親を亡くしたため、親族は登場しない。

姑である菊との関係はかなり良好で、舅共々信頼を一身に集めている。

帰りは遅いが、時々ホルモン屋を手伝うこともある。



学生時代は陸上競技の選手で、「トラックの魔女」と呼ばれたほどの、テツ以上の脚力の持ち主。

当時、地区対抗リレー内で、大会の紅一点ながら南海地区のアンカーに選ばれ、西萩地区代表のテツとの一騎打ちで勝利している。



その後、テツから再戦の申し込みがあったが、(「テツが会いたがっている」とだけ花井拳骨から聞いたため)これをデートの誘いと勘違いし、スカート姿で弁当を持って待ち合わせの場所へ行き彼を困惑させた。


花井拳骨


しかしこれが縁でテツと付き合い始め、10年後に拳骨の計らいで結婚している。

しかし、チエもその能力を知らず、小学校の父兄運動会で大活躍するまで、自分に似ず運動神経は鈍いと思いこんでいた。

学生時は市川雷蔵のファンで、テツが市川雷蔵の名を騙ってラブレターをヨシ江に送ったことがある。



喫茶店「防空壕」はテツと付き合っている頃からの思い出の店で、同店のチョコレートパフェはテツの好物の一つであり、チエも好んでいる。

また(回数は少ないが)博打でもテツに勝っており、劇中で最もカブが強い人物の一人にもなっている。

性格は控え目で物静かで、普段は非常にしとやかな淑女ぶりを見せているが、物事や騒動に対して消極的な思考や行動も多く、あまり都合の悪いことは半ば本能的に考えないようにしている(チエ曰く、諦めが得意)。


一霧二郎


だが、いざという時の行動力には長けており、難波大学の応援団とテツ及びチエ、菊らが大乱闘となっていたところを一喝して収拾させる(第一期アニメの最終回)、強盗犯を鈍器で殴りつける、騒動の原因を冷静に分析し、的確な行動に出るなどここ一番には強いところを見せることもある。

一方で、若い頃は現在とは裏腹に颯爽として活発だった。

また、テツと2人きりになった際は(テツが緊張してしまうため)積極的にテツをリードする。

結婚したきっかけも彼女からテツを相手に選んだことであり、テツのだらしなさに呆れる反面、周囲がテツの悪口を言ったりすると、複雑な感情を顕わにすることもしばしば。

また、二人きりの時は他人に見せない意外性を見せている。

テツがケンカしているところを見たことがないとも発言している。

仕事先の電話番号は「シンゴンインケツゾロゾロカブカブ」(4510099?)。

好んで飲まないが、テツとは異なり酒はチエよりも強く、しかも後に残らないほど。

だが、かなりの笑い上戸な上に、記憶も飛んでしまう。



竹本菊(たけもと・きく)

チエの祖母であり、テツの母。71歳。1908年(明治41年)生まれ。

一人称は「わたい」。

チエは「おバァはん」、ヨシ江は「お母さん」と呼ぶ。

チエの店からさほど離れていない場所で同じくホルモン屋を営んでおり、チエの店の仕入れなども一括して行っている。

テツが家庭を持つ前は、現在「チエちゃん」がある家に住んでおり、「お菊ちゃん」という店名でホルモン屋を経営していた。

33歳の時にテツを出産。



性格は喧嘩早くて短気、口よりも手が出てしまい、それが時に客に及ぶこともある。

自分の店だけでなく、一時的に任されたチエの店でまでその対応だったため、接客態度について度々チエに諫められている。

一方、店の経理関係を受け持っているため金銭関係には強く、地獄組のレイモンドに金を貸していたヤクザたちに対して、暴利で金を騙し取ろうとしていたことを見事に暴いている。

その割に、商才には乏しく、目先を考えずに仕入れを行ったりするなどチエより商売感覚に疎い。

金銭面は勿論のこと全てにおいてだらしのないテツには厳しく、しっかり者であるチエやヨシ江には優しい。

劇中で最も強い人物の一人にも数えられる矍鑠とした人物で、空手道場で「名誉師範」の肩書きを持っており、ゲンコツで木の椅子の座面を打ち抜く「正拳イスぶち抜き」や相手の延髄を突く「ナンマイダ蹴り」などの特技を持つ。



また、かつて百合根の手下だったヤクザ四人組を一人で叩きのめすなどしているが、素顔を隠してのテツとのタイマン勝負では惨敗し、特技の「正拳イスぶち抜き」が出来なくなってしまうほどのショックを受けている。

かつては近所のヤクザ連中を震え上がらせ、彼らに「西萩小町」と呼ばせていた。

ちなみに、小さい頃のテツにケンカをけしかけていたのも菊であり、テツの人格形成に少なからず影響を与えている。

菊のいない所だと、テツは菊を「クソババ」と呼んでいる。

ただしテツが自分の前でババア扱いをした時は必ずテツを殴る。

そのため対面時は「お母はん」、テツが都合の悪い時は「ママ」とテツから呼ばれている。

テレビのエンドロールではおバァと表示される。



おジィ

チエの祖父であり、テツの父で婿養子。

最後まで本名は明かされなかった。

一人称は「ワシ」である。チエやヨシ江らは「おジィはん」と呼ぶ。

菊からは「あんさん」と呼ばれている。

体と心臓が少し弱く、脅かされると心臓を抑えつつヒィヒィと過呼吸気味になる。

その一方で、劇中で数少ない喫煙者である。

テツには甘く、小遣いをせびられては金を渡してしまい、菊に叱られることが度々。

そもそも「じゃりン子チエ」の第1話からして、テツがおジィを騙して金を得る場面で始まる。

自分なりにテツをかわいがっており、テツ抜きでご馳走(すき焼きや赤福など)を食べていても、テツにも残しておくようにと一人だけテツを気遣う。

日頃「もう少しテツのことを信用してやれ」と菊たちに言っているが、菊からは一番信用していないのはおジィではないかと突っ込みを入れられ続けられている。

原作では一度だけテツに対して怒りが爆発し、殴ったことがある(対するテツは、気に病んで寝込んでいるおジィを窓から物凄い形相でにらみ続けた)。

また菊と口論の末、どういう訳かチエの店のタレに下駄を漬けているところをチエに発見されるという謎の騒動を起こしたことがある。

ひどいことがあっても全く懲りない性格で、菊からも血筋と呆れられている。



百合根光三(ゆりね・こうぞう)

お好み焼き屋「堅気屋」を営む初老の男性。一人称は「ワシ」。

元は博打屋「遊興倶楽部」を元締め=“社長”として道楽で営んでいたが、テツに博打場を荒らされ難儀していた。

愛猫アントニオの死後、バクチから足を洗い、お人好しのお好み焼き屋「堅気屋」に転業する(お好み焼きは亡きアントニオの好物だった)。

テツの母・菊と恩師・花井拳骨を除いて、「テツ」と呼び捨てできる人物。

大の愛猫であり、アントニオ、彼の亡き後は息子のアントニオJr.を溺愛し、彼らがいなくなったりジュニアがノイローゼに罹ったりすると激しく落ち込み、酒に溺れたり、釣られて鬱を患ったりすることもしばしば。

また、周囲の人間より猫の気持ちをよく理解しており、小鉄もチエより彼を頼ることがある。


アントニオ


チエとヒラメとサッちゃん(米谷里子)からは「お好み焼き屋のオッちゃん」と呼ばれ、テツとカルメラとミツルからはお好み焼屋の「オヤジ」と呼ばれて慕われている。

映画及びテレビ第一期のクレジットは「社長」で統一されており、ヨシ江らは「社長はん」と呼ぶ。

普段は温厚だが飲酒量が一升を越えると人格が一変し、酔いが覚めるまで誰も店には近づけないほどの大トラに変貌する(酔いが浅い場合は大トラには達せず、陽気な性格になるシーンも多い)。

その時点での馬力はテツでもまともに太刀打ちできるものではなく、作品中の登場人物の中でも最強を誇る(地獄組の「カブの会」に乗り込んだテツによれば、「ワシと酔っ払った野獣のようなおっさんならヤクザの組3つまで潰せる」)。

“ばくだん”という粗悪酒を飲むと強烈な暴走をする。


アントニオJr.


アントニオの命日(毎月14日)には、必ず剥製となったアントニオの前で延々と読経しており、時折、小鉄やジュニアも参加させられる。

酒が一升を越えた時には関係ないチエやテツなども強制的に参加させることがあり、アントニオとテツなどが全く区別が付かなくなってしまうことがある。

妻子がいたが離婚(妻:今西ミツ子、息子:カオル。百合根が中年期に生まれた子で父に溺愛される。チエと同年代)している。

その後は抜け殻のようになり、酒に溺れる毎日を送っていたが、アントニオと道端で出会うことで人生が変わる。

元は大手旅館の御曹司で、経営者の百合根耕太郎の長男(先妻の子)。

母親が夭折したために元々道楽者だった父親の女漁りが始まり、その間に異母弟となる余三郎が誕生している。

父の道楽と女遊びを嫌った百合根は若い時に“婆や”のお丸の手引きで、父に無断で横山大観の画額を持ち出して家出した。



後年、父の危篤を聞き臨終間際に再会、父と酒を飲みながら和解し、父は大往生。

元々、金銭感覚に疎く、遺産相続は放棄している。

また、持ち出した画額で今の家を買っている(父親曰く大阪城が買えるほどの値段。しかし、本人はそのせいで人生が狂ったと発言している)。

その後、光三の嫁探しに奔走するお丸のお節介に手を焼くことになる。

またお丸からは未だに幼い時からの愛称“ボンボン”で呼ばれている(本人はかなり辟易している)。

また、お丸のお節介が過剰になり、彼女が「堅気屋」を仕切ると、面倒になってアントニオの剥製を持ち出して逃げ出し、泥酔しながらお丸の住宅に押し掛けて警察に捕まってしまう騒動を起こした。

テツと異なり水泳は得意で、酒が入っていても自在に泳ぎこなす。

お丸とともにカルメラ兄弟の仲人を務めた。



丸山ミツル(まるやま・ミツル)

西萩の交番に勤務する警察官。37歳。1942年生まれ。

テツの幼馴染で子分格。一人称は「オレ」。

昔はテツと共に色々悪さをやっていた悪童であったが、現在では真面目に生きている。

しかし、テツにいつもおちょくられていて頭が上がらないためか、テツの犯罪をもみ消そうとしてしまうなど、警察官としての自覚に欠けるところがあるが、それでもテツの活躍が犯人逮捕につながるなど恩恵を受けることも多々あり、その手柄などで連載中盤で派出所所長に出世している。



また、時には制服を脱ぎ捨ててタイマンでヤクザに挑んだこともある。

同僚だったノブ子との結婚式では、タカの折り入っての頼みで断れなくなり、テツとヨシ江が仲人を務めた。

カルメラ兄弟とは仲が悪いが、お互いの夫人3人は意気投合している。

彼含め同世代の仲間はみんな、独身の頃ヨシ江を好きだったらしく、彼も熱を上げていた一人であり、それにコンプレックスを抱いている場面もあった。

そもそも、警察官試験を受けた理由が友人(アケミ)への失恋であり、ヤンキー連中に対する逆恨み(自分が逮捕する側になってやるというヤケクソ感情)からである。



丸山ノブ子(まるやま・ノブこ)

(旧姓:山下)

ミツルと同僚の女性警察官で、ミツルと職場結婚。

一見地味でおとなしそうな女性だが、剣道の有段者で意外と好戦的な性格。

最初、ミツルの婚約者と知らずうどん屋で相席したチエとテツから、拳骨にまつわる(テツの主観)話を聞いて困惑していた。

作中で長男(正雄)を出産するが、名前がチエの会話から出ただけで顔は一切登場しない。

出番は少なく、劇中の序盤と終盤にしか出てこない。



丸山タカ(まるやま タカ)

ミツルの母親で、菊の小学校からの幼馴染み。

71歳。1908年(明治41年)生まれ。

それゆえテツのことも子供の頃からよく知っており、彼のことを気に入っている。

旦那には若く先立たれており、女手一つでミツルを育ててきている。

エンドロールの表示はおタカ。



花井拳骨(はない・けんこつ)

テツとミツルの小学生時代の担任で、教員を退職後は著述業で生活している。

チエの担任・花井渉の父。1908年(明治41年)生まれ。一人称は「ワシ」。

チエは「花井のオッちゃん」と呼んでいる。

テツは「花井先生」や単に「花井」と呼び捨てにしており、自身のいない時は「花井のドアホ」などとこき下ろす。

ミツル、ヨシ江、菊などからは「花井先生」や単に「先生」と呼ばれる。

普段の出で立ちは和服姿に下駄履き(この下駄は、チエと同様に武器となり、テツを懲らしめる時などに用いられる)。



アマチュア相撲の横綱だったため、70歳を超えた現在でもテツを正面から軽く捻じ伏せる力を持つなど作中でも喧嘩が強い人物の一人となっている。

しかし、彼が拳を振るう相手はテツ、ごくまれに息子の渉だけである。

大学時代(作中には京都大学であることが暗示されている)は相撲部所属で学生横綱として活躍すると共に、李白研究の第一人者として将来を嘱望され、大学卒業後も大学に残って研究を続けたが、権威をかさに着る指導教授(氏名は横島厚顔 25話より)と衝突を繰り返し、遂には全裸にひん剥いて学内のポプラ樹に吊るしてしまう。

この事件によって大学を去り、以後は一小学校教諭として定年まで勤め上げたた。

地位や名声とは無縁の、豪放磊落な人物。

研究者としての評判は続いているが、マスコミからは「文壇の孤児」と称され、本人もマスコミや俗世間を嫌っている。

テツを小学校1年生から6年生まで担任(テツの通知表に、「劣る」のさらに下の「メチャメチャ劣る」と書いた)し、テツとヨシ江の仲人を務めたが、夫人に先立たれてからは独り身で、執筆活動などを行いつつ悠々自適の生活を送っている。

また、若い頃からヨシ江とも知り合いと思わせる描写がある。



テツとヨシ江を引き合わせた張本人であり、結婚式には仲人も務めている。

そのため、現状(ヨシ江がチエと一緒に暮らしたがっていると嘆いていたことなど)には強い責任感を感じており、二人の復縁も彼の計らいなくしては実現できなかった。

かつての教え子であるテツとミツルにとっては大人になった今も面と向かうと全く頭の上がらない存在で、特にテツは喧嘩も悪戯も上手な拳骨に完敗してしまう。

一方で最終的に彼の意見を取り入れて行動を改めたり一時的に災難を回避することも少なくない。

拳骨も「テツの嫌がることはワシは好んでやる」と発言するなど気にかけており(百合根曰く「(拳骨は)テツのファン」。)、なんだかんだで悪友のような師弟関係を築いている。



大の酒豪(ただし、日本酒しか飲まない)でもあり、仕事の合間にも酒を飲んでいる場面も。

また、皆と酒席を囲む際には若干絡み酒の傾向があり、下戸のテツや子供のチエや普段は飲まないヨシ江にまで酒を勧めたりしたこともある。

妻とは死別しており、彼女はテツをよくかわいがっていた。

そして、旦那の拳骨に対し、テツをあまりどつかないようにと遺言を残している(拳骨はその遺言を憶えているが、全く守っていない)。

また、妻に死なれてから酒に浸る回数が増えている。

妻の実家は饅頭屋である。



花井渉(はない・わたる)

花井拳骨の息子でチエ、ヒラメ、マサル、タカシの担任である。

一人称は「僕」である。テツは「ワタル」と呼び捨てにしている。

37歳。1942年生まれ。東京府出身。

容姿・性格とも父と似ておらず、やや気弱で温厚。

母(拳骨の妻)を早く亡くした関係か、東京在住の親戚宅での生活が長く、登場人物中では珍しく関西弁ではなく標準語を話す。

ただし、アニメ版では発音のみが関西弁になることもしばしばある。

教師としての職責を全うした父を誇りに思い、自身も(東京の)大学(東京学芸大学)を出て同じ教職に就く。

運動はからっきしだが、地理には強い。



参観日の際、テツに因縁を付けられ脅された際には声を上げて泣く等、臆病な面を見せる事もある。

しかしテツが父の教え子だと分かってからは、笑って相対したり、様々な理由で拳骨不在時の花井家にテツを滞在させたりするようになった(しかし、朝子が来てからはその頻度も減っている)。

当初は気弱なキャラクターであったが非常に誠実な人柄で、あまりの馬鹿正直さにテツもタジタジになるほど。

複雑な家庭環境のチエにも思いやりを持って接し、教育者として成長してゆく。

東京で出会った向井朝子と結婚するが、尻に敷かれるようになってしまい、テツにも嘆かれている。

チエにとっては教師の関係にあたるため、親しく接している拳骨より行動や言動に気遣っている場面が多い。

そのため、劇中ではチエやヒラメの制止役となることも多く、マサルやテツがチエの暴力(といっても、非はたいてい相手側にある)に対し、盾にすることもしばしば。



花井朝子(はない・あさこ)

渉の妻。旧姓は向井。登場当初は渉のフィアンセとして登場した。

一人称は「わたし」。

テツに「五分刈り」と呼ばれるほどのショートヘアスタイルが特徴である(拳骨への挨拶の際はもう少しだけ長かった)。

テツを全く怖がらず、むしろ好意的に接してくるため、テツは朝子を苦手としている(朝子曰く「テッちゃんはわたしのタイプ」)。

渉同様、標準語を話す。運動神経は良く、男勝り。

ラグビーの経験もあり、府警のコーチをしていたこともある。

渉との間に「アキラ」という息子をもうける(祖父の拳骨に似ており、テツにちょっかいを出すのが大好きらしい。

また、彼だけは少しずつ成長しており、それを見たアントニオJr.がメタ的なツッコミを入れている)。

積極的な性格で、遠慮はあまりしない。

渉と結婚してからは花井邸で舅の拳骨と仲良く暮らしている。



平山丸太(ひらやま・まるた)

ヒラメの兄で中学生。一人称は「僕」。気弱な性格で、

テツにボクシンググローブを売りつけられたり(因みに月別分割支払制であった)、サングラスをかけてワルぶったポーズで人通りの多い所に立たされる「男」修行を無理矢理させられるなど、何かと利用される。

中学校ではブラスバンド部に所属。

トランペットを演奏するが、その音色は妹ヒラメの歌声と同じく、聴く者を悶絶させる。

丸太、ヒラメともテツに対して素直に接するゆえか、テツも彼ら兄妹のことを気に入っている(子分扱い?)が、なぜか丸太の名前が覚えられず、声をかけようとしてとにかく「丸い物の名前」を連呼し、なかなか正解に辿り着かずに丸太を困惑させている。



レイモンド飛田(レイモンド・とびた)

元はヤクザ組「地獄組」(表向きは不動産業)の親分。45歳。一人称は「ワシ」。

デタラメな英語を振り回す。チエを「赤貧チルドレン」と呼ぶ。

初登場時、テツとの間で賭け野球をし(テツが勝てば50万円、レイモンド飛田が勝てば「チエちゃん」は取り壊されてゲームセンターに)敗北。

後に、テツへの復讐のためあの手この手を尽くしたり、テツを利用したりしようとするが、失敗続きの末、彼を恐れるようになる。

バクチ大会(「大阪カブの会」)で狐とひょっとこのお面を被ったテツや百合根と対決し、騒動の果てに逮捕されたことがある(テツと百合根はお面を被っていたために、強行突入した警察に面が割れなかったことと、チエと菊に救出され逮捕を免れた)。

そのせいで「地獄組」が解散に追い込まれる。



その後、ボクシングジムを経営してテツをプロボクサーに仕立てようとするが、腹巻問題等により失敗し、スパーリングが原因で世界チャンプを失脚させたことで協会から免許を剥奪される。

また、大阪のヤクザ達をバックに市議へ立候補してテツの追放を目論むが、これも失敗(ヤクザ達の選挙違反もあり落選)。

また、コケザルの奸計に乗せられ、お化け屋敷で稼ごうとするも、これも失敗。

ヤクザになる前は知恵の輪の職人だった。

弟がいるが、レイモンド飛田とほとんど同じ顔のオカマで、後述する天野コケザルがチエに郵送して来た写真では、弟が活躍している岐阜のバーで一緒に女装していた。

しかし、これも弟が恋人(男)を作って駆け落ちしてしまったため、長続きしなかった。

ハワイで旅行代理店の事業を興していたこともあるが、資金を持ち逃げされる。


天野コケザル


挙げ句には、「地獄組」のビルまで失ってしまうが後に復活、自殺志願者でステーキハウス経営者でもあった谷江竜太(レイモンドはダニエルと呼んでいた)と出会ってからは、競輪で大儲けし、地獄組の事務所があった場所にステーキハウス「ヘルハウス(開店当初は高級志向で「ヘレハウス」としていたが、場所柄・値段的に客の入りは散々だった)」のボス(オーナー)としてカムバックする。

ただし、オーナーになってからもヤクザな生き方は相変わらずで、金銭話に目ざとい。自称インテリで、テツとその家族、関係者を徹底して見下す一方、文壇に所属する拳骨と付き合いたいと思っているせいか、花井家の人間には良い顔をする。

拳骨がテツのファンだと言われても、「インテリがアホのファンになったりしない」と信じない。

なお、レイモンド飛田という名称はアニメ第1期には登場せず、地獄組のボス(チエからは地獄組のオッちゃん)と呼ばれ、エンドロールも地獄組のボスと表記。



仁吉

レイモンド飛田の秘書。

彼とは同じ釜の飯を食ってきた仲で、地獄組が解散し、レイモンドが収監された後も、彼だけが彼を見舞い、後に付いてきた。

元はレイモンドと同じく知恵の輪職人であり、夢見がちなレイモンドとは異なり、根は常識人。

彼が真っ当な社会人に復帰することを望んでおり、彼の失脚後は一人でチエに相談しに来たこともあるが、彼には一定の恩義があるため、葛藤しながらも結局はレイモンドに靡いた生き方しかできないでいる。



カルメラ兄(菊崎健二)

通称「カルメラ1号」。本名は菊崎健二。30歳。

坊主頭で、額の片隅に傷跡がある。九州(小倉?)の出身。一人称は「ワシ」。

家は貧しかったのか、高校は入れなかった。

登場当初は的屋稼業もしているゴロツキで、堅気屋に入り浸っていた迷惑者だったが、テツに遭遇し撃退された後は、彼の手下となり、しょっちゅうこき使われるようになる。

かつてカルメラ弟とともにカルメラ焼きの屋台を引いていたため、テツなどからこう呼ばれるようになった。


百合根光三


のちにラーメン屋「カルメラ亭」をカルメラ弟と営む(カルメラ兄は餃子担当で、中華料理屋でのアルバイトで技術を習得し、更にヨシ江から隠し味を教わった。そのため、テツは彼の餃子を食べようとしない)。

昔はキックボクサーで西日本を制したこともあるが、オーナーの無茶苦茶な減量に付き合わされて体調が最悪の中対戦を余儀なくされたため、東日本チャンピオンに惨敗。

その後、オーナーの怒号「お前みたいなカルメラ頭はカルメラでも焼いとけ!」という発言をヒントに、カルメラ稼業を始めることになった。当時のリングネームは「アラクラン菊崎」だった(アラクランとはスペイン語で「サソリ」のこと)。

また、流しの弾き語りをしていたこともあり、歌唱力もそこそこ、白浜の旅館では飛び入りながら団体客の喝采を浴びていた。

百合根の実家の旅館に勤務していた女性(良子)と見合い結婚し、621日に子供をもうける。



カルメラ弟(山下勘一)

通称「カルメラ2号」。リーゼントとタラコ口の男。

本名は山下勘一で、一人称は「ワシ」。

カルメラ兄を慕って常に行動を共にしている。

カルメラ兄からは「ヤマカン」というあだ名で呼ばれる。28歳。

以前はカルメラ焼きの屋台をカルメラ兄と一緒に引いていたため、テツなどからこう呼ばれるようになった。



しかし、カルメラを焼くのは下手で、なかなかうまく膨らませられない。

のちに堺の中華料理店で修行し、ラーメン屋「カルメラ亭」をカルメラ兄と営む(ラーメン担当)。

後に、カルメラ兄の妻の双子の姉(恵子)と結婚し、戸籍上でも兄弟となる。

また、カルメラ兄と同じ日に子供を授かる。

徳島県の出身で、問題を起こした彼を勘当した父が58歳で亡くなり、弟夫妻がミカン栽培の家業を継ぐ。

キックボクサー時代の菊崎のトレーナーであり、元は街路をうろつくゴロツキだったが、ムシャクシャの腹いせにジムに乱入するも彼に完敗、その圧倒的な強さに惚れ込んでから兄貴と呼び慕うようになった。

なお、無茶な減量ゆえの惨敗に対する心無いオーナーの怒号にブチ切れ、彼をぶちのめしている。

カルメラ兄と違い、ケンカはそこまで強くはない。

ただし、コケザルをどついたりマサルやたかしに大声でどなったことはある。



天野勘九郎(あまの・かんくろう)

テツとは鑑別所での同期。36歳か37歳。一人称は「ワシ」。

以前はコケザルのへこんだ頭をネタにユスリをやっていたが、偶然チエにそれをしかけようとしてテツと再会、テツの説教で改心し、服役後は鑑別所の所長を務めていた釜地捨丸から鉄工所を斡旋してもらい社会復帰、妻とも復縁して一家で西萩界隈の住民となる(校区はチエの隣にあたる)

なお初期単行本のみ「島勘九郎」と名乗っていた。



天野コケザル(あまの・コケザル)

勘九郎の息子でいっぱしの不良少年。

坊主頭の右側が少しへこんでいる。一人称は「ワシ」。時には「オレ」である。

チエの一つ年下。父と組んでユスリをやっていたが、父の逮捕を機に辞める。

小学4年生だが父親以上にしたたかで、喫煙したりパチンコ屋に入り浸ったり、レイモンド飛田などの大人相手に金儲けなどの話題を出すなどこましゃくれた言動に出たりするため、チエと菊から「小型のテツ」と揶揄されることもある。

チエのことが好きだが素直になれない。

一時期は母方の実家である和歌山市に住んでいたが、勘九郎の出所後、西萩に引っ越し、チエの隣の学校に通うことになる。

引っ越した学校では、クラスの学級委員になったり、「アニキ」と慕う子分役の少年がいたりと、意外に人望があり、チエを驚かせている。



平山ヒラメ(ひらやま・ヒラメ)

チエの同級生で大の仲良し。一人称は「ウチ」。

努力家だが、周りからドン臭いと見られることを本人は気にしており、何かと傷付きやすい、繊細な性格。

絵画と相撲が大の得意で、特に絵は大阪府のコンクールで金賞を受賞(題材はテツのボクシング場面)するほどの腕前。

相撲では多彩な技を持っており、また腕っぷしが強く、腕相撲ではチエに勝っているほか、懸垂も得意で1分以上鉄棒にぶら下がることができる。

母親譲りで足は遅いがスタミナはあり、隠れた実力を発揮することも。

凄まじい音痴でもあり、その歌声は聴く者を悶絶させ、その自覚を逆手にとって、時折マサル脅迫の武器にしたりもする。

落ち込みやすい一方立ち直りも早く、根は素直で明るい。

テツも彼女には甘く、よく気遣っている場面も。

塩せんべいが大好物で、ほかに駄菓子類を好む。

絵画以外は不器用なのかそろばんは苦手である。

マサルのことはチエよりも嫌っており、きつく当たることが多い。

アニメ映画版には登場しない。

これはヒラメの存在があまりに印象的なため、監督・高畑勲があえて登場させなかったため。



小林マサル(こばやし・マサル)

チエの同級生で学級委員(「級長」と呼ばれることもある。

一人称は「オレ」で、たまに「僕」と言うこともある。

学校では優等生ぶってチエやヒラメをからかったりするが、実はヘタレでいつもチエにやられてしまい、暴力を受けるとすぐに泣くことが多い。

チエへの悪口を「悪口ノート」と称するノート幾冊に渡り書き溜めているが、これを読んだアントニオJr.に言わせると、かなり文才があるようだ。

実際はチエに対する歪んだ愛情表現らしく、コケザルから「ワシはチエの結婚相手じゃ」とケンカを売られた直後、嫉妬からチエに「あんなシャツ一枚のサルみたいな奴(と結婚するのか)」と匿名の手紙を出すほど(チエは誰からの手紙か、その文章に対するむかつき具合で察した)。



チエの悪口を言うことはマサルにとっていわゆる「生きがい」であり、チエが学校を休むと悪口を言う相手がいなくなるために、具合が悪くなる。

教育ママの母親の下で閉塞感を持っており、母親からの期待にプレッシャーを感じているが、結局はボンボン育ちを抜け出せない。

父親は何度か話にのぼったが、顔はヒラメが描いた似顔絵と食事中の後ろ姿があったのみで、素顔は登場しなかった。

作者のはるきによると、マサルははるき自身がモデルで、「俺にはマサルの気持ちがようわかるんですよ。まさにその嫌味なキャラは俺自身ですわ」と若い頃にその心情を述べたことがある。

単行本1巻「教育パパの巻」では、授業中に「藤井君」と呼ばれていた(のちの再版で修正され、作者も謝罪文を載せている)。

マヨネーズが苦手なため、給食に出てきたサンドイッチのマヨネーズを避けるためにパンをちぎって食べていたこともある。



タカシ

チエの同級生で、一人称は「オレ」または「僕」。いつもマサルと行動をともにする。

通称「腰巾着(こしぎんちゃく)」。

しかし意外と器用で運動神経も良く、マサルが見ていない場面ではその能力を遺憾なく発揮している場面もある。

初期では「浩二 / コウジ」と呼ばれていた。

はるきの元アシスタントのいわしげ孝がモデルらしい(ただし、タカシは、いわしけがアシスタントになった1980年より前の作品(第3話「教育パパの巻」)から登場している)。

不思議なほどマサルに従順であり、マサルが体調を崩した(「チエの悪口が喉に詰まって」)際には大量のマサル作「悪口ノート」をチエの家までわざわざ運んで来るなど、あらゆる場面でマサルに尽くす様子が見られる。

チエとヒラメはそこまで彼を嫌っておらず、むしろマサルがいない場面では、意図的にタカシ君と呼ぶなど独り立ちを促す場面も多く、それに対し幾度となく心が揺れている場面がある(だが、基本はマサルとの男の友情を持っており、マサルもタヌキ騒動の際に、彼だけに真意を打ち明けている)。



米谷里子(よねたに・さとこ)

チエのクラスの転入生。一人称は「わたし」。通称「サッちゃん」。

勉強・運動ともに優秀な優等生。

単行本45 - 48巻のみメインキャラとして登場。

チエの学校に転入する前は、父親の仕事の関係で、引っ越しを繰り返してきた。

転入当初は、飼い猫のロックと小鉄の過去の因縁による行き違いと、転校の多い子供にありがちな、本人の裏腹な心からチエのことを敵視していた。

マラソン大会の後、誤解が解けて、チエ・ヒラメと大の仲良し(マサルによると「パンパカトリオ」)となる。

後に銀行員だった父親が脱サラして、定食屋を営む母(里子の祖母)がいる岡山に引っ越した。

母親は亡くなっており、その容姿はヨシ江に偶然よく似ていた。



岡山では漁港に近い場所で暮らしており、カルメラ亭の屋号をもらって、祖母と父子でラーメン屋を営む。

市場に近い関係で朝早く、学校に行くまでの間に家業を手伝い、チエへのリスペクトとして、接客中は下駄を履いている。

愛猫家であり、秋田で出会ったロックをかわいがっていたほか、偶然出会ったアントニオジュニアも「マフラーちゃん」と名付けてかわいがっていた。

なお、彼女は劇中後半に登場したため、アニメには第1期、第2期とも登場しなかった上、途中で転校していってしまうが、チエ、ヒラメとともに最終回の集合写真の中心を飾っているほか、双葉社の公式サイト「西萩通信」でも主要人物として紹介されている。



小鉄(こてつ) Kotetsu

チエの飼い猫。額にある三日月状の傷がトレードマークとなっている。

一人称は「ワシ」(若い頃は「オレ」)である。

体毛は焦げ茶で、八割れタイプ。

生まれながら天涯孤独の野良猫であり、幼児期にはじめて眼を覚ました時(物心がついた時)にはダンボール箱に乗って大きな川の中を流れており、ダンボール箱が浸水して沈みはじめたのでヤケクソで向こう岸まで泳ぎ着いて生き延びるという経験をしている。

野良猫時代は数々の武勇伝を持つ極道猫であるが、本人は「ケンカは嫌い」と語っている。

野良猫時代には九州や東北など日本各地を放浪していたが、拳骨の出張に紛れて東京へ行った際、「(それ以前に)関東には行ったことがない」と語っている。



チエがヨシ江(当時はまだ家出中)と出かけた時、行きつけの甘味屋でもらい受けて竹本家の一員となる(映画版ではチエの店の前を通りかかって、ホルモン一串をチエからもらったのがきっかけ)。

チエの挙げた名前の候補を全て嫌がったことから、言うことを聞かないところがテツと同じだということで小鉄と命名される。

チエの店では掃除、算盤、ホルモン焼き、留守番などをこなすスーパーキャットで、パチンコで台を打ち止めにしたり、壊れた柱時計を修理したり(だが、音に驚いてまた蹴飛ばしてしまった)もしている。

文字も全ての仮名と少々の漢字を読め、芸術を解する。

地獄組との賭け野球の際はアントニオJr.と共にピンチヒッターとして登場し、人類顔負けの見事なバッティングを披露した。



非常に頼れる存在であり、竹本家にとっての番犬ならぬ番猫の役目を果たす事も多く、テツやコケザルらの行動を監視する事をチエから請け負う事もある(非常時にはバットなどで容赦なく対象を殴る)。

かつては飼い猫を見下すような考え方を持っていたが、自分がその立場に置かれる(竹本家の飼い猫になること)ことを望んだ心の変化については具体的に描かれていない。

猫、人間を問わず最強の存在で、チエからは用心棒として紹介されることもある。

かつて「月の輪の雷蔵」、「コマ落しの銀次」の名で知られた遊侠猫であり、『どらン猫(どらンこ)』シリーズでは主役となる。

額の三日月傷もそこで語られる。現在もたまにふらりと放浪の旅に出る。

「ドラ猫発電機」「ファイティングマシーン」など数々の通り名が知られているが、今は小鉄で通っている。

自ら認めている名前はチエに付けられた小鉄のみである。

飼い猫であるにもかかわらず、ひょうたん池で釣ったフナを塩漬けにして保存していたりと自活もしている。

ごく稀にだがタバコを吸う。


アントニオ


必殺技は「必殺タマつぶし」。

アントニオ惨殺の主要因が自分の「タマつぶし」にあることを自覚しており、ジュニアの復讐戦では一切手を出さなかった。

「タマつぶし」は、食らうと精巣を破壊される事でオスのホルモン分泌に多大な影響を及ぼすようで、以前と比べて性格が女性(メス)化する(いわゆるオカマ風になってしまう)弊害が起こる場合があり非常に恐ろしい技である。

今では亡きアントニオに代わり、ジュニアの半保護者となっている。

原作で「トシはチエちゃんと変わらんぐらい」と告げているシーンがあり、アントニオJr.と比べるとずっと年上である。

一方、チエからは可愛がられているというより半ば放置されるようになり、苦労して旅から戻ってきても再会をまるで歓迎されなかったり、テツや他の猫の罪をなすりつけられたりするなど、たびたびその不遇な扱いを嘆く場面が見られる。



アントニオ

百合根光三の飼い猫で、博打屋「遊興倶楽部」の片腕として働く。通称・アントン。

一人称は小鉄とほぼ同じである。大好物はお好み焼き。

若い頃は好き放題にやっては多くの猫たちの恨みを買っていた(息子のジュニアがその尻拭いを受けることになる)。

ジュニアはアントニオについて、「オレ、父さんの事好きやけど、やってきた事には絶望してるんや」と語っている。


百合根光三


やがて博打をやっている時に百合根と出会い、飼われる。

「遊興倶楽部」で暴れるテツを叩きのめし、テツによると「土佐犬でも噛み殺す猫」と言われるほど喧嘩が強かったが、後に小鉄と戦った際、必殺技「タマつぶし」で右のキンタマを取られて敗北する。

その後はすっかり弱ってしまい、最後はいつもいじめていた近所の犬に噛み殺された(その犬は後にテツに噛みつかれた)。

死後は『堅気屋』の店内に剥製として鎮座する。

若い頃に恨みを買った猫を始め、様々な騒動に巻き込まれることがあり、ぺしゃんこにされたり、水につけられたりと落ち着かない剥製として存在している。



アントニオJr.

アントニオの息子。通称はジュニア。一人称は「オレ」である。

亡父と同じく、虎猫のような体毛をしている。

「堅気屋」で百合根光三と一緒に暮らす。

デタラメな父親と違って思いやりがあり、律儀な性格である。

赤子の頃に父親によって彼を産んだ母親に捨てられる境遇に遭ったと、ジュニア自身が小鉄に語ったことがある。

放浪の旅の末に父アントニオのいた『堅気屋』にたどり着き、小鉄を恨むテツの企みで父の復讐をすべく小鉄と決闘するが、小鉄の捨て身(無抵抗)の説得により和解し、以後は小鉄を慕うようになった。

小鉄ほどではないが、かなり格闘能力は高く、瓦や石を叩き割る、瓶を手刀で一刀両断するなど、彼も規格外の強さを持っており、特に父親譲りの頭突き攻撃や回し蹴りなどを得意とする。


小鉄


毎年春や秋になるとノイローゼになり(キザなセリフや哲学めいた言葉、メタ的な発言を口にしたり、ぼけたように空を眺める等)、小鉄からは呆れられることも多い。

シンボルの赤いスカーフは、『堅気屋』に来る以前に淀川沿いの野良猫達の兄貴分だった際、野良猫排除運動によって仲間を失った苦い思い出に因むものであり、その運動の中心人物であったペット組合会長の自宅を襲撃した際に組合会長が着ていたガウンの切れ端である。

復讐を果たして以来、「やるだけやって逃げたと思われたら癪だから」ということで、敢えて自分の仕業であることを主張するために着けている。

このスカーフは箕面のサル軍団とのケンカの中でボロボロになった為に処分しており、それ以降は同じ柄の生地を探してきて着けている。

退屈凌ぎに小鉄の放浪に同行することもある。

小鉄が話したがらない無頼時代のことを聞き出すのが好き。

小鉄もそうだが、人間の言葉はしゃべれなくても人間の言葉は理解できる。

文字も多少読め、時間を掛ければマサルの悪口ノートも解読できる。



釜虎

アントニオの親友。鉄カブトをかぶっていて知恵の輪の名人。

アントニオとは日本を表と裏に分けて縦断制覇する夢を誓った仲で裏日本を引き受けていたが、アントニオの死を知って敵討ちの為にひょうたん池に現れる。

ギリシア神話Greek mythologyスピンクスsphinxパロディParody


スピンクスsphinxオイディプスOedipus



マサルの母

絵に描いたような教育ママで、マサルに家庭教師を付けたり、絵画教室や剣道道場に通わせたりしている張本人。

いわゆる富裕層の金持ちマダムで、なにげなく嫌味な発言が多く、口から先に生まれたようなお喋りでもあり、その自慢話には息子のマサルも手を焼いている。

テツとはお互い相性が悪く、普段から避けている。

旧姓は逆根(さかね)で、良夫という弟がいる。

なお、父親は原作で一度も登場していない(ヒラメの似顔絵と食事中での後ろ姿が登場するのみ)。



ヒラメと丸太の母

平山家の母親で、専業主婦。顔は兄妹と瓜二つ。

脚は遅いが、高校時代は登山部だったので体力があり山にも慣れている。

普段はおっとりしているが、いざというときには優れた行動力を発揮することも。

兄妹はお母ちゃんと呼んでいる。

また、平山家も父親は劇中に登場しない。

テツも彼女に対しては「オバはん」呼ばわりしないことが多い。



一霧二郎

難波大学応援団団長。ヨシ江に一目惚れし、テツに逆恨みする。

剣道の心得があり、テツと互角の勝負を演じた。


グランド百貨店 Grand Department Store 2010年(平成22年)


ペット・ショップ Pet Shop 2011年(平成23年)


探偵事務所 Detective Office 雑居ビル Mixed residence building 2015年(平成27年)


煉瓦造りの銀行 Brick Bank 2016年(平成28年)












































































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