ビッグ・ベン Big Ben 時計台 Clock tower 2016年(平成28年)
ウェストミンスター宮殿 Palace of
Westminster 1859年(安政6年)
英国国会議事堂 Houses of Parliament
ビッグ・ベン Big Ben 時計台 Clock tower 2016年(平成28年)
ビッグ・ベン Big Ben 時計台 Clock tower 2016年(平成28年)
ギリシア神話関連地図Greek mythology related map
ケクロプス1世Cecrops I
アテナイの初代の王the first king of Athens
アッティカAtticaの2代目の王the second king of
Atticaで、伝説では大地earthから生まれたという。
アクタイオスActaeusの娘daughter・アグラウロスAglaulusと結婚し、義父father in lawのアクテActe(当時アッティカAtticaはこう呼ばれていた)の王国Kingdomを継承し、その地にケクロプスCecropsの名に因む、ケクロペイアCecropiaの名を与えた。
ケクロプス1世Cecrops I は人間の体Human bodyと蛇の尻尾Snake tailを持つと信じられていた。
アグラウロスAglaulusは息子son・エリュシクトンErysichthonを産んだが、彼はケクロプス1世Cecrops I より先に死んだ。
アグラウロスAglaulusはまた3人の娘daughter・パンドロソスPandrosus、アグラウロスAglaulus、ヘルセHerseを産んだ。
アテナAthenaとポセイドンPoseidonがアッティカAtticaの所有権をめぐって争ったとき、アテナAthenaがアクロポリスAcropolis山上にオリーヴの木olive treeを生えさせたのに対し、ポセイドンPoseidonはただ塩水の泉salt seaを生じさせただけだったので、ケクロプス1世Cecrops I はアッティカAtticaをアテナAthenaに与えた。
ケクロプス1世Cecrops I はアレスAresの裁判trialのためにアテナイAthínai(アテネAthens)のアレイオス・パゴスAreios Pagosの法廷Courtを創設establishしたと信じられていた。
アレスAresはハリロティオスHalirrhotiusを殺したためにこの法廷Courtで告発Accusationされ、無罪Not guiltyの判決Judgmentを得た。
ケクロプス1世Cecrops Iは彼の王国Kingdomで人間を犠牲sacrificesに捧げる習慣を廃し、人間や動物の肉体ではなく菓子(ペラノイPelanous)をゼウスZeusに捧げることによって、神々の中でゼウスZeusの優越性the supreme Deityを最初に認めた。
彼の王位throneはクラナオスCranausが継いだ。
アテナAthenaとポセイドンPoseidonがアッティカAtticaの所有権をめぐって争ったとき、アテナAthenaがアクロポリスAcropolis山上にオリーヴの木olive treeを生えさせたのに対し、ポセイドンPoseidonはただ塩水の泉salt seaを生じさせただけだったので、ケクロプス1世Cecrops I はアッティカAtticaをアテナAthenaに与えた。
パルテノン神殿the Parthenon
アテナイAthensのアクロポリスAcropolisの上に建設された、アテナイAthensの守護神Guardian deityである女神goddessアテナAthenaを祀るdedicate神殿temple。
アテナイのアクロポリスAcropolis of Athens
アクロポリスAcropolisとは、古代ギリシアancient GreeceのポリスPolisのシンボルsymbolとなった小高い丘Small hillのこと。
アクロポリスAcropolisは「高いところHigh place、城市Castle city」を意味し、防壁defense wallで固められた自然の丘Natural hillsに神殿templeや砦fortが築かれているのが普通である。
アレイオス・パゴスAreios Pagos
アテナイAthensのアクロポリスAcropolis西北面の中腹halfway up a hillにある小高い丘Small hillである「アレスの丘Hill of Ares」のこと。
ハリロティオスHalirrhotiusは、ポセイドンPoseidonとニンフnymphのエウリュテEuryteとの息子son。
アテナイAthensのアクロポリスAcropolis近くで、アレスAresとアグラウロスAglaulusとの娘daughter・アルキッペAlcippeを犯そうとして、アレスAresに殺された。
アレスAresはポセイドンPoseidonによってアレイオス・パゴスAreios Pagos(アレオパゴスAreopagus)の法廷Courtに訴えられた。
これが「アレスの丘Hill of Ares」を意味するこの法廷Courtの起源であり、のちにも多くの殺人事件Murder caseの裁判trialが行われた。
アレスAresは無罪Not guiltyを言い渡された。
別の話では、ハリロティオスHalirrhotiusは父father・ポセイドンPoseidonの命令に従って、アクロポリスAcropolis of Athensの丘Hillのアテナ女神Athenaの神木sacred treeであるオリーヴの木olive treeを伐ろうとしたとき、過って手をすべらせ、自分が持っていた斧axeにあたって死んだという。
エリクトニオス1世Erichthonius I
アテナイAthensの伝説上の4代目の王the fourth
King。
古いアッティカAtticaの英雄でアテナイ王King of Athens。
ヘパイストスHephaestusの子と伝えられる。
アテナAthenaがヘパイストスHephaestusに武器の製造some weaponsを注文requestしに来たとき、ヘパイストスHephaestusは彼女を抱きしめて、思いを遂げようとした。
しかし、戦いの女神Goddess of battleでもあるこの乙女Maiden・アテナAthenaは彼を押し退け、そのためヘパイストスHephaestusの精液semenが地the earthにこぼれた。
そこから男児babyが生まれ、ガイアGaea(大地the Earth)からアテナAthenaへ手渡されて、アテナAthenaが育てることになった。
それはおそらく、処女神virgin goddessであるアテナAthenaが自分自身の子供childを持つのに、これが最も可能な状況だったからである。
アテナAthenaは赤児babyを箱boxに入れて、ケクロプス1世Cecrops I の3人の娘たちthree daughtersに預け、中を見てはいけないと命じたwarned them never
to open it。
娘たちdaughtersの2人、パンドロソスPandrosusとヘルセHerseとが命令に背いたopened the box。
彼女たちは、箱boxの中にあまりに恐ろしいものを見たsawために、驚愕してterrifiedアクロポリスAcropolisから逃げ出し、自殺してしまったThey went insane and threw themselves off the Acropolis。
彼女たちが見たものは、蛇snakeであるとも、半人half-man半蛇half-serpentの生き物であるとも、赤児infantに巻きついているcoiled around蛇snakeであるとも言われる。
それがエリクトニオス1世Erichthonius I であって、アテナAthenaは彼を取り返して、アクロポリスAcropolisの彼女の神殿templeで育てた。
他の言い伝えでは、彼はヘパイストスHephaestusと、クラナオスCranausの娘daughter・アッティスAtthisとの子とされている。
エリクトニオスErichthoniusは、成人したのちWhen he grew up、クラナオスCranausから王位throneを奪ったアムピクテュオンAmphictyon(デウカリオンDeucalionの息子son)を追い払ったdrove out。
アテナイ王King of Athensになって、彼は、アクロポリスAcropolisにアテナAthenaのオリーヴoliveの木の彫像wooden statueを設置したりset up、彼女の主要な祭礼であるパン・アテナイア祭Panathenaic Festivalを創設したfoundedりして、アテナ信仰Athena faithを推進した。
他の言い伝えでは、彼には足がなかったlame of his feet(彼の下半身Lower bodyは蛇snakeのそれであった)ので、彼は動き回るために戦車chariotを考案したinventedことになっている。
それゆえに彼は死んだあと星座constellationの馭者座(ぎょしゃ)Aurigaになったというのである。
彼がしばしば混同されるエレクテウスErechtheusと同様に、彼もプラクシテアPraxitheaと結婚marriedしたと考えられていた。
彼は死後アテナイAthensで、蛇snakeの形をしたものとして崇拝され、パルテノン神殿the Parthenonを造った彫刻家Sculptor・ピディアスPhidias(英語読みではフィディアス)によって、パルテノン神殿the Parthenonの有名なアテナ女神像the statue of
Athenaの楯shieldの背後に、蛇snakeの姿で彫られている。
彼の息子son・パンディオン1世Pandion I がアテナイ王位the Athenian throneを継いだsucceeded。
アテナAthenaは赤児babyを箱boxに入れて、ケクロプス1世Cecrops I の3人の娘たちthree daughtersに預け、中を見てはいけないと命じたwarned them never
to open it。
娘たちdaughtersの2人、パンドロソスPandrosusとヘルセHerseとが命令に背いたopened the box。
彼女たちは、箱boxの中にあまりに恐ろしいものを見たsawために、驚愕してterrifiedアクロポリスAcropolisから逃げ出し、自殺してしまったThey went insane and threw themselves off the Acropolis。
彼女たちが見たものは、蛇snakeであるとも、半人half-man半蛇half-serpentの生き物であるとも、赤児infantに巻きついているcoiled around蛇snakeであるとも言われる。
それがエリクトニオス1世Erichthonius I であって、アテナAthenaは彼を取り返して、アクロポリスAcropolisの彼女の神殿templeで育てた。
アグラウロスAglaulus
ケクロプス1世Cecrops I とアグラウロスAglaulusとの娘daughter。
軍神god of war・アレスAresと交わって娘daughter・アルキッペAlcippeを産んだ。
アグラウロスAglaulusの姉妹SistersのヘルセHerse、パンドロソスPandrosusとともに、女神goddess・アテナAthenaから赤子babyのエリクトニオス1世Erichthonius I を預けられた。
箱boxの中(の赤子baby)を見てはいけないという女神goddessの命令にパンドロソスPandrosusは従ったが、アグラウロスAglaulusとヘルセHerseは従わずに開けてみると、蛇snakeが赤子babyを巻いていた。
それで、ある言い伝えによれば、2人はアクロポリスAcropolisより身を投げた。
しかし、オウィディウスOvidは2人を生き延びさせている。
ヘルメスHermesはパン・アテナイア祭Panathenaic Festivalの行列の中にヘルセHerseを見て恋に陥った。
そしてアグラウロスAglaulusに賄賂bribeを与えヘルセHerseの気持ちが自分に傾くようにしてくれと頼んだが、アテナAthenaはアグラウロスAglaulusが自分の言いつけに従わなかったことを思い出し、アグラウロスAglaulusがヘルセHerseを妬むEnvyように仕向けたので、アグラウロスAglaulusはヘルメスHermesがヘルセHerseの寝床に行こうとするのを妨げた。
その罰punishmentにヘルメスHermesはアグラウロスAglaulusを石stoneに変じた。
ヘルセHerse
「露Dew」の意。
ケクロプス1世Cecrops I とアグラウロスAglaulusとの娘daughter。
アグラウロスAglaulus、パンドロソスPandrosusの姉妹Sister。
ヘルメスHermesはパン・アテナイア祭Panathenaic Festivalの行列の中にヘルセHerseを見て恋に陥った。
そしてアグラウロスAglaulusに賄賂bribeを与えヘルセHerseの気持ちが自分に傾くようにしてくれと頼んだが、アテナAthenaはアグラウロスAglaulusが自分の言いつけに従わなかったことを思い出し、アグラウロスAglaulusがヘルセHerseを妬むEnvyように仕向けたので、アグラウロスAglaulusはヘルメスHermesがヘルセHerseの寝床に行こうとするのを妨げた。
その罰punishmentにヘルメスHermesはアグラウロスAglaulusを石stoneに変じた。
ヘルセHerseはヘルメスHermesの息子son・ケパロスCephalusを産んだ。
ケパロスCephalus
ポキス王King of Phocis・デイオンDeionとディオメデDiomedeの息子son、もしくはヘルメスHermesと、初代のthe firstアテナイ王King of Athens・ケクロプス1世Cecrops I の娘daughter・ヘルセHerseとの息子son。
プロクリスProcrisはアテナイ王King of Athens・エレクテウスErechtheusとプラクシテアPraxitheaの娘daughter。
オウィディウスOvidの『変身物語Metamorphoses』で語られるケパロスCephalusとプロクリスProcrisのロマンティックな恋物語の主要な部分は、ケパロスCephalusという名を持った2人の伝説的な人物(1人はアテナイ人Athenianでもう1人はポキス人)にまつわる2つの古い物語が合成されてできあがったものであろう。
ケパロスCephalusとプロクリスProcrisは結婚marriageしたとき、永遠の愛eternal loveを誓い合った。
狩りhuntingを非常に好んだケパロスCephalusは、ヒュメットス山で鹿deerを追うために朝早く彼女の寝床を抜け出すのが常だった。
彼の美しい容貌Beautiful looksは曙の女神goddess of dawn・エオスEosの心を引き、彼に恋した女神goddessは彼をさらったkidnapped。
妻wifeを深く愛していた彼には、それは自分でも思いがけぬことだった。
別の物語では、ケパロスCephalusは女神goddessエオスEosに息子son・パエトンPhaethonを産ませ、彼女のもとに8年間とどまったという。
しかしオウィディウスOvidではこの期間はもっと短くなっている。
オウィディウスOvidの物語では、ケパロスCephalusはプロクリスProcrisと結婚marriageしたことを悔いるだろうとエオスEosが断言するのを聞いて、プロクリスProcrisの貞節fidelityへの疑心doubtに駆られてアッティカAtticaへ戻った。
彼は赤の他人complete strangerに変装disguiseして妻wifeに莫大な贈り物をして妾concubineになるように誘い、それによって妻wifeの貞節Chastityを試してみようと決心した。
エオスEosは彼の外観appearanceを変えることに協力した。
変装したケパロスCephalusは執拗にプロクリスProcrisを口説き、ついに彼女は全く気が進まないながらも彼の申し出を受け入れることを告げた。
すると彼は正体Identityを現し、彼女の裏切りbetrayalを非難した。
彼女はその卑劣なやり方dirty tricksに衝撃を受け、すぐにその場を逃げ出して、それ以後人との交際を断って山中に住み、アルテミスArtemisのように狩りhuntingをして暮らすようになった。
しばらくしてケパロスCephalusは彼女を見つけ出し、彼女に戻ってくれるように必死に懇願した。
今度は彼女が復讐した。
オウィディウスOvidはそれについて詳述していないが、他の物語では、彼女がクレタ王King of CreteのミノスMinosの病気、すなわち彼と寝た女をすべて死に至らしめてしまう病気を治したのちに、彼女自身が愛人になったが、ミノスMinosの妻wife・パシパエPasiphaeが嫉妬したので、プロクリスProcrisはアテナイAthensのケパロスCephalusのもとへ帰ったという。
また彼女は、プテレオンという人から黄金の冠を貰って、その愛人になったという説もある。
ケパロスCephalusのもとへ戻ったとき、彼女は魔法magicalの槍javelinと猟犬hunting houndとを持ち帰った。
彼女の貞淑Chasteさを主張するオウィディウスOvidによれば、これはアルテミスArtemisからの贈り物ということになるのだが、もっと古い物語では、これらはミノスMinosの病気を治した例としてミノスMinosから与えられたものということになっている。
プロクリスProcrisはその槍javelinとライラプスLaelapsという名の犬dogを、相変わらず狩りhuntが好きな夫husbandに与えた。
一方テバイThebesでは、スピンクスsphinxの死を憤った女神Goddess・テミスThemis(もしくはヘラHera)が、災いをもたらすテウメッサの牝狐the Teumessian foxを送り込んできた。
そのためテバイThebesじゅうの人々は震えあがり、自分たちや家畜のことを気遣った。
この動物はあまりに敏捷で、いかなる猟犬hunting dogにも捕えることができないほど足が速かった。
アムピトリュオンAmphitryonはテバイ王King of Thebes・クレオンCreonにあることで援助を請うたが、その代償としてこの獣を追い払うという仕事を与えられ、ケパロスCephalusにライラプスLaelapsを貸してくれるように頼んだ。
しかしこの猟犬hunting dogがこの牝狐foxを追い始めたとき、そこに永遠に解決することのできない矛盾Contradictionが生じた。
なぜなら、アルテミスArtemisが何ものもその追跡から逃れることができないと断言した猟犬hunting dogが、やはりアルテミスArtemisによって何ものにも捕えることができないとされた牝狐foxを追い始めたのだから。
ゼウスZeusはこれら2匹の動物を大理石marbleに変えることによってこの問題を解決した。
アムピトリュオンAmphitryonは礼としてケパロスCephalusにギリシアGreece西方の島islandを贈った。
その島islandは彼の名を取ってケパレニア島the island of Cephalleniaと改められた。
これらの出来事のあとで(一説によればその前に)、狩りhuntに夢中になっている夫husbandにまだ腹を立てていたプロクリスProcrisは、夫husbandがある朝狩りhuntingでひと汗かいたあとで、優しい声で「アウラ」と呼び、「疲れたぼくを慰めに来ておくれ」と言っているのを耳にした、というおせっかいな告げ口を聞いて愕然とした。
それはケパロスCephalusが恋をしているニンフnymphの名前に違いないとプロクリスProcrisは考えたのだが、実際にはそれは「そよ風Breeze」を意味する言葉でしかなかった。
ケパロスCephalusはただ狩りhuntingで熱した自分の体を冷ましてくれと風Breezeに呼びかけていたに過ぎなかったのだ。
ある朝プロクリスProcrisは、ケパロスCephalusがいつも休息する場所の近くの茂みbrushの中に身を潜めた。
彼の声を聞いて、彼女はそちらの方へ身を動かした。
しかし彼は茂みbrushの下に獣animalがいると考えて、彼の的を外すことのない槍never-erring
javelinを妻wifeの方へ投げてしまった。
虫の息で彼に抱かれて、彼女は自分の代わりにアウラと結婚しないで欲しいと夫husbandに懇願した。
それを聞いて彼はすべてを了解し、妻wifeに真実を語って聞かせた。
妻wifeを殺したことでケパロスCephalusはアレイオス・パゴスAreios PagosのアテナイAthens法廷Courtで裁判trialにかけられ、追放Expulsionの刑punishmentを受けた。
彼はケパレニア島the island of Cephalleniaに行き、その地の王Kingとなり、ミニュアスMinyasの娘daughter・クリュメネClymeneと結婚marriageした。
彼らの息子sonがイピクロスIphiclusである。
プロクリスの死The Death of Procris
ライラプスLaelaps
市庁舎 Town Hall 2012年(平成24年)
建物上部にある1891という数字は、レゴ社の創立者の誕生年
市庁舎 Town Hall 2012年(平成24年)
市庁舎 Town Hall 2012年(平成24年)
テレウスTereus
トラキア王the King of Thraceで、アレスAresの息子son。
アテナイAthensの伝説上の6代目の王King・パンディオン1世Pandion IがテバイThebesのラブダコスLabdacus王Kingと戦ったとき、パンディオン1世Pandion Iを助けた。
そのためパンディオン1世Pandion IはテレウスTereusに娘daughter・プロクネProcneを花嫁brideとして与えた。
その結婚式weddingには不吉な兆しbad omenがあったが、やがてプロクネProcneは息子sonを産みイテュスItysと名付けた。
5年後、プロクネProcneは夫husbandにピロメラPhilomelaに会いにアテナイAthensに戻ってもよいか、さもなければ一緒に住めるようにピロメラPhilomelaを連れて来て欲しいと頼んだ。
テレウスTereusは後者の方を選び、ピロメラPhilomelaのトラキアThrace訪問の許可をパンディオン1世Pandion Iのところへ直接求めに出かけた。
ピロメラPhilomelaはとても美しかったので、テレウスTereusは彼女を見ると夢中になったが、しばらくは自分の気持ちを面に出さなかった。
ピロメラPhilomelaは父fatherを説得して自分をトラキアThraceに行かせて欲しいと頼んだ。
2人がテレウスTereusの王国kingdomに着くと、テレウスTereusはピロメラPhilomelaを森の真ん中の砦に連れて行き彼女を離そうとはしなかった。
そして彼はその場でピロメラPhilomelaを犯し、彼女が泣いたり、彼がやったことを告げることができないように彼女の舌tongueを切り取った。
以後まる1年の間、ピロメラPhilomelaは彼に捕えられたままであったが、テレウスTereusはプロクネProcneにはピロメラPhilomelaは死んでしまったと言った。
だがピロメラPhilomelaは自分が受けた不幸をつづれ織りtapestryに織り込むことを思い付き、それを織って召使いに宮廷にいるプロクネProcneのもとに送らせた。
プロクネProcneはそのつづれ織りtapestryを見てすべてを知った。
そこで、ディオニュソスDionysus祭が近づいていたので、彼女はディオニュソスDionysus信徒の扮装をしてピロメラPhilomelaが捕えられている砦に出かけ、ピロメラPhilomelaがこっそりと宮廷に来られるように彼女にも同じような扮装をさせた。
心中怒り狂っていたプロクネProcneは、復讐の手段を探した。
彼女はテレウスTereusとよく似ていた息子sonのイテュスItysを遠くの部屋に引きずり出し、そこで息子sonを刺し殺し、テレウスTereusから後継ぎを奪った。
ピロメラPhilomelaはプロクネProcneが子供childの死体を切り刻むのを手伝い、2人でその肉を料理して、テレウスTereusの食事として差し出した。
食事後、ピロメラPhilomelaが入って来て自分を犯したテレウスTereusに、血のついた子供childの首Headを突き付けたので、テレウスは2人の姉妹sistersを殺そうとした。
しかし彼が2人を追ったとき、2人は鳥birdsに姿を変え、プロクネProcneはナイチンゲールnightingaleに、ピロメラPhilomelaは舌tongueがなかったのでさえずるだけの燕swallowになった。
(ローマRomeの作家たちは、たぶんピロメラPhilomelaという名の発音の方が気に入ったのだろう、2人の立場を変えピロメラPhilomelaをナイチンゲールnightingaleにしている。)
この物語はナイチンゲールnightingaleがなぜ悲しそうにイテュン、イテュンと鳴くのかの説明となっている。
テレウスTereusも鳥birdsに姿を変えられた。
彼の場合はヤツガシラhoopoeであった。
この物語はオウィディウスOvidの『変身物語Metamorphoses』に語られている。
ピロメラPhilomelaとプロクネProcne
ピロメラPhilomelaとテレウスTereus
The Rape of
Philomela by Tereus
小夜啼鳥(サヨナキ・ドリ) 夜鳴鶯(ヨナキ・ウグイス) ナイチンゲール Nightingale
燕(ツバメ) swallow
八頭(ヤツガシラ)(戴勝) hoopoe
林檎の木の家 Apple Tree House 2010年(平成22年)
林檎の木の家 Apple Tree House 2010年(平成22年)
メレアグロスMeleager
オイネウスOeneusとアルタイアAlthaea、あるいはアレスAresとアルタイアAlthaeaとの息子sonでカリュドンCalydon in Aetoliaの王子prince。
アルゴ船の遠征the Argonauticaに参加し、同船上では彼の叔父Uncleないしは義兄弟Brother-in-lawのラオコオンLaocoonが彼の面倒をみた。
一説によると、彼はアイエテスAeetesを殺してから戻って来て、イダスIdasの娘daughter・クレオパトラCleopatraと結婚marriageしたという。
その後しばらくしてアルテミスArtemisはカリュドンCalydonの地を荒らす大きな野生の猪biggest wild boarを遣わした。
なぜならオイネウスOeneusがアルテミスArtemisに犠牲Sacrificeを供えなかったからである。
メレアグロスMeleagerはギリシアGreece中の英雄heroesに猪狩りBoar Huntに来るように呼びかけた。
そして、英雄たちheroesを歓待した。
そのため彼らは否が応でもこの猪狩り(カリュドンの猪狩りCalydonian boar hunt)を彼と一緒に行わなくてはならなくなった。
オイネウスOeneusも多くの助っ人をかき集め、猪boarを殺した者にその皮を与えると言った。
9日間の饗応feastののち、狩りhuntが始まった。
アルカディアArcadiaのアンカイオスAncaeusほか多くの者が猪boarによって殺された。
それから処女virginの狩人hunter・アタランテAtalantaが矢を放ち、初めて獣beastに血を流させた。
アムピアラオスAmphiarausもまた猪boarに矢を射た。
だが猪boarを殺し獲物gameに対する権利を獲得したのはメレアグロスMeleagerであった。
その後内輪で喧嘩fightが起こり、メレアグロスMeleagerは母mother・アルタイアAlthaeaの兄弟brotherである叔父Uncleを少なくとも1人殺してしまい、カリュドンCalydonは隣のクレス人たちCuretesから攻撃されることとなった。
ホメロスHomer以外の出典によると次のようになっている。
メレアグロスMeleagerは、女womanであるがゆえに英雄たちheroesから狩人hunterの一行の仲間としてふさわしくないと思われていたアタランテAtalantaに恋していたので、アタランテAtalantaが猪boarに最初の血を流させたことを理由に賞を彼女に与えた。
アルタイアAlthaeaの兄弟brother・トクセウスToxeusとプレクシッポスPlexippusは賞をアタランテAtalantaから奪おうとしたが、これがメレアグロスMeleagerが2人の叔父Uncleのうち一方、あるいは両方を殺してしまった原因であった。
メレアグロスMeleagerの母・アルタイアAlthaeaは自分の兄弟brotherを殺されたことで息子sonを呪い、戦死Killed in actionするようにと願った。
それを怒ったメレアグロスMeleagerは、引き続いて起きたクレス人たちCuretesとの戦いBattleでは家に閉じ籠もって寝ていた。
彼の背信の結果、クレス人たちCuretesはカリュドンCalydonを包囲し焼き打ちをかけ、勝利寸前のところまできた。
妻wifeのクレオパトラCleopatraに懇願されてメレアグロスMeleagerは心を和らげた。
メレアグロスMeleagerは際どいところでカリュドンCalydonを救ったが、気が変わるのが遅すぎたので、何の褒賞も得られなかった。
ホメロスHomerは、メレアグロスMeleagerがトロイア戦争Trojan War以前に、おそらくこの戦いBattleで没したのだろうと示唆している。
アイスキュロスAeschylusやバッキュリデスBacchylidesやオウィディウスOvidら他の作家により伝えられるメレアグロスMeleagerの死にまつわる話は、以下のようである。
メレアグロスMeleagerが生まれたとき、運命の女神たちthe Three Fates・モイライMoirae 3人がアルタイアAlthaeaの寝室を訪れ、2人の女神goddessは赤児babyの勇気と栄光を予言したが、3番目の女神goddessがそのとき炉の中にあった燃え木firebrandが焼け尽きるのと同時にメレアグロスMeleagerは死ぬだろうと宣言した。
そこでアルタイアAlthaeaは燃え木firebrandを掴み、火を消して大切にしまいこんだ。
しかしメレアグロスMeleagerの手で彼女の兄弟brotherたちが殺されたと聞くや、彼女はすぐに例の燃え木firebrandのことを思い出した。
彼女は隠し場所からそれを取り出し、火の中に投げ入れた。
そのため息子sonは即座に死に至った。
メレアグロスMeleagerの姉妹たちSistersは彼の死を悼むあまり、ほろほろ鳥guinea fowl(メレアグロイthe Meleagrids)となった。
アルタイアAlthaeaは後悔し、首を吊ったという。
モイライMoirae(パルカParca)
3人の運命の女神たちThree Fates。
ニュクスNyxの娘daughterたち
クロトClotho(「紡ぎ女」)(「紡ぐもの」)
ラケシスLachesis(「分け前をはかる女」)(「運命の図柄を描くもの」)
アトロポスAtropos(「免れがたい女」)(「不可避のもの」)
メレアグロスMeleagerの誕生にまつわる物語では、本来、運命の女神たちThree Fatesには人間の生を支配し、誕生の瞬間にその全生涯をも決定する役割があると言われている。
メレアグロスMeleagerが生まれて7日後、運命の女神たちthe Fates・モイライMoiraeは彼を産んだ母親の前に現れ、おりしも炉の中で燃えている薪が燃え尽きるとき、赤児は死ぬだろうと言った。
母は炉の中から燃え木を取り出し、その火を消したので、メレアグロスMeleagerは成人した。
しかし、カリュドンの猪狩りCalydonian Boar Huntの折、口論がもとでメレアグロスMeleagerが母の兄弟を殺したことを知った母は怒り、あの燃えさしの薪を再び炉の中へ投じた。
すると、メレアグロスMeleagerは突然世を去った。
古代作家たちの多くは運命の女神たちthe Fates・モイライMoiraeをオリュムポスの神々the Olympian godsよりも優位においている。
ホメロスHomerもウェルギリウスVergilius(バージルVergil)も、最高神・ゼウスZeusが運命の女神たちthe Fates・モイライMoiraeの意図を知ろうと天秤をとり、英雄たちの運命をのせた天秤のバランスがどちらに傾くか見ている様を描いている。
そうすると、ゼウスZeusは運命の決定者というよりも、定められた運命の執行人のように思われる。
たとえば、ゼウスZeusは息子のサルペドンSarpedonがトロイア戦争Trojan Warの折、パトロクロスPatroclusに殺される運命にあることを知りつつ、最愛の子の定められた運命を覆すことができない。
息子が故郷・リキュアの地で手厚く葬られるよう取り計らうばかりで、あとは、手をこまねいて見ているしかないのである。
神話の中で、運命の女神たちthe Fates・モイライMoiraeが大きな働きをすることはない。
巨人族giants・ギガンテスGigantes相手の戦いと、テュポンTyphonとの争いのときゼウスZeusに味方し、ギガンテスGigantesのアグリオスAgriusとトアスThoasを棍棒で殴り殺したり、すでにゼウスZeusに追い詰められていたテュポンTyphonに、食べれば身の細る食物を力のつく食物と偽って食べさせたりしたこと。
あるいは反対に、アポロンApolloに謀られ酒を飲まされて、アポロンApolloの友人・アドメトスAdmetusの運命を変更させられたこと、くらいのエピソードしかない。
酒に酔った運命の女神たちthe Fates・モイライMoiraeは、アドメトスAdmetusの身代わりに死ぬものがあれば、という条件で、アドメトスAdmetusが定められた寿命より長く生きることを許したのだった。
カリュドンの猪 Calydonian Boar
カリュドンの猪狩り Calydonian Boar Hunt
ほろほろ鳥 Guinea fowl
アタランテAtalanta
アルテミスArtemisと同じく、有名な狩人hunterで、かたくなに処女virginを守った。
彼女については、ボイオティア地方Boeotiaに伝わる物語とアルカディア地方Arcadiaに伝わる物語の2つがある。
アルカディアArcadiaではリュクルゴスLycurgus王Kingの子・イアソスIasusの娘daughter、ボイオティアBoeotiaではアタマスAthamusの子・スコイネウスSchoeneusの娘daughterと言われるが、母親motherは共通してミニュアスMinyasの娘daughter・クリュメネClymeneと伝えられる。
アタランテAtalantaが生まれると、男子boyを望んでいた父fatherは失望してアタランテAtalantaを棄てた。
牝熊She-bearが乳を与えたが、のち、猟師Hunterに見つけられて育てられた。
そのため成人したアタランテAtalantaは狩猟huntingを好み、結婚Marriageにも女性的なたしなみにも関心を示さなかった。
ケンタウロス族the centaursのロイコスとヒュライオスに犯されそうになったが、得意の矢で2人を射殺した。
アルゴナウタイthe Argonautsに応募したが、隊長のイアソンJasonは女性womanが1人加わると男たちの間に嫉妬が始まると言って断った。
アルゴナウタイthe Argonautsが無事帰還し、ペリアスPeliasが死んだとき、アタランテAtalantaは葬礼競技Funeral Gamesに参加し、レスリング競技Wrestling
competitionでペレウスPeleusに勝った。
アタランテAtalantaの名を有名にしたのは、主にカリュドンの猪狩りCalydonian Boar Huntと、彼女の求婚者たちSuitorsを競争Foot raceで負かした神話である。
アタランテAtalantaはカリュドンCalydonで猪狩りboar huntに出かける勇者brave personたちの仲間groupに加わった。
叔父UncleのアンカイオスAncaeus、ケペウスCepheusらは女性womanが入ることに反対したが、アタランテAtalantaを愛するメレアグロスMeleagerが彼ら反対者たちの参加を許さなかった。
追い詰めた猪boarにアタランテAtalantaが真っ先に矢を放ち、メレアグロスMeleagerがとどめを刺した。
剥がされた猪boarの皮skinは、メレアグロスMeleagerからアタランテAtalantaに与えられた。
しかし、メレアグロスMeleagerの母motherの兄弟brotherがそれに反対し、皮skinを横取りしたため、メレアグロスは彼らを殺し、メレアグロスは母親motherのアルタイアAlthaeaに殺され、結局愛するアタランテAtalantaとの結婚Marriageは実現できなかった。
アタランテAtalantaの噂はかつて赤子babyのときに女児female infantだからと言って棄てた父親fatherの耳にも達した。
父fatherは娘daughterにぜひ結婚Marriageするように勧めたが、以前にも増して結婚Marriageの意志をなくしていたアタランテAtalantaは、自分と競争Foot raceして勝った男と結婚Marriageするが、競争Foot raceに負けた者はその場で殺すと答えた。
アタランテAtalantaの出した条件は厳しかったが、アタランテAtalantaの美しさにひかれた多くの青年Youthたちが競争Foot raceに挑んだ。
アタランテAtalantaは衣服を身に付け、あるいは武装し、若者Youthは裸で走ったが、みな彼女に負けて殺された。
アルカディア地方Arcadiaの伝説ではメラニオンMelanionが、ボイオティア地方Boeotiaの伝説ではヒッポメネスHippomenesという青年Youthが、アプロディテAphroditeに助けられ、キュプロス島Cyprusタマソスの果樹園Orchardから女神goddess自身の手でもぎ取った黄金のりんごgolden applesを3つ贈られ、それを途中アタランテAtalantaに追いつかれそうになると後ろに投げながら走った。
アタランテAtalantaは好奇心Curiosityからか、あるいは黄金のりんごgolden applesが欲しかったためか、あるいはまた青年Youthを勝たせたかったためか、りんごapplesを1つずつ拾っていて、その間に競争Foot raceに負けた。
しかし若者YouthはアプロディテAphroditeとの誓いOathを守ることを忘れ、そのうえ若者YouthとアタランテAtalantaの2人は家へ帰る途中アプロディテAphroditeの神域Sanctuaryで結ばれた。
2人はその神域Sanctuaryを汚す冒涜行為Blasphemyを怒った女神goddessに、ライオンLionに変えられた。
ライオンLion同志は交わることなく、ただ豹pantherとだけ交わると信じられていたのである。
すなわち、アタランテAtalantaとその恋人は永遠の貞潔を守るべく裁きを下されたわけである。
プロペルティオスによると、メラニオンMelanionがアタランテAtalantaの心を得たのは競争Foot raceに勝ったためではなく、狩猟huntingで苦労を分かち合ったためという。
アタランテAtalantaをパルテノパイオスParthenopeus(「処女の子」)の母motherとする説もある。
しかしアタランテAtalantaはその子を赤子babyのときに棄て、その子は母motherと同じように猟師Hunterに拾われて育てられたという。
ヒッポメネスHippomenes
ヒッポメネスHippomenes、またはメラニオンMelanionは、アルカディアArcadiaのアムピダマスAmphidamas、またはオンケストスOnchestusのメガレウスMegareusの息子sonで、アタランテAtalantaの夫husband。
ケイロンChironの弟子Discipleとしても知られ、困難に立ち向かう意志において他の弟子Discipleを凌ぐとされた。
碑文では、カリュドンの猪狩り Calydonian Boar Huntに参加したとされる。
ヒッポメネスHippomenesは主にアタランテAtalantaへの求婚Marriage proposalで知られている。
ベレロポンBellerophon
シシュポスSisyphusの孫Grandchild。
コリントス王King of Corinth・グラウコスGlaucusの息子son。
一説ではポセイドンPoseidonの息子son。
母motherはメガラ王King of Megara・ニソスNisusの娘daughter・エウリュノメEurynome(あるいはエウリュメデEurymede)。
偉大な英雄heroの1人であるが、ヘラクレスHeraclesやイアソンJasonやテセウスTheseusと同様に、上の者から命ぜられて手柄を立てる場合が多かった。
コリントスCorinth(当時のエピュラEphyra)での青年時代Youthに、ベレロポンBellerophonは、不死身Immortalで翼を持つ馬winged horse・ペガソスPegasusを調教Trainingしたいと切望した。
この馬horseは、ペルセウスPerseusがメドゥサMedusaを殺したときに、メドゥサMedusaの切り落とされた首Headから流れ出た血の中から生まれたのだった。
メドゥサMedusaはポセイドンPoseidonの子childを孕んでいたので、この馬horseの父fatherはポセイドンPoseidonだと言われた。
その名は「泉fountain」を意味するギリシア語Greekペゲと結びついて考えられることがある。
また、ギリシアGreeceの少なくとも2つの泉fountainが、この馬horseの蹄hoofの跡に起源があると考えられている。
その2つとは、ヘリコン山Mount Heliconのヒッポクレネ(「馬の泉」)と、トロイゼンTroezenaの同名の泉である。
初めこの馬horseは地上と空中を駆け回り、誰もそばに寄せ付けなかった。
ベレロポンBellerophonは予言者seer・ポリュイドスPolyidusの助言を得てついにこれを手なずけた。
ポリュイドスPolyidusは彼に、アテナAthenaの祭壇altarの上で1晩眠るように勧めた。
その場所で青年Youthは、アテナ女神the
goddess Athenaが彼に黄金のくつわa golden bridleを与え、調教者the Tamer・ポセイドンPoseidonに犠牲sacrificeとして牡牛1頭a white bullを捧げるように命ずる夢dreamを見た。
目を覚ますと、傍らに黄金のくつわgolden bridleが置かれてあった。
ポリュイドスPolyidusがすぐさま命令を実行するように言ったので、ベレロポンBellerophonは正式に犠牲sacrificeを捧げた。
ほどなく彼はコリントスCorinthのペイレネPireneの泉wellのほとりでペガソスPegasusが静かに立っているのを発見した。
それは彼が近寄るのを歓迎するように見えた。
彼は馬horseの口に黄金のくつわgolden bridleをはめた。
ベレロポンBellerophonは過って兄弟brotherのデリアデスDeliadesを、一説ではエピュラEphyra(コリントスCorinth)の僭主tyrant・ベレロスBellerosを殺し(この説によればベレロポンBellerophonという名は「ベレロスを殺した者」という意味のあだ名であって、彼のもとの名はヒッポノオスであるという)、その結果彼はエピュラEphyraから追放されてアルゴスArgosへ行き、アルゴス王King of Argos・プロイトスProetusによって殺人murderの罪crimeを浄められたexpiation。
しかし王Kingの妃Queen・ステネボイアStheneboea(ホメロスHomerの『イリアスIliad』ではアンテイアAntiaと呼ばれる)が彼に恋をした。
言い寄る彼女をベレロポンBellerophonが拒絶rejectすると、彼女はベレロポンBellerophonに犯されそうになったと嘘の報告をした。
プロイトスProetusは客人guestを殺すことに気が進まなかったが、ベレロポンBellerophonに封印をした手紙sealed messageを持たせてリュキアLyciaの義父father-in-law・イオバテスIobatesの宮廷に行かせた。
ベレロポンBellerophonはリュキアLyciaに着いて、ステネボイアStheneboeaの父fatherから歓待を受けた。
習慣どおり9日間に渡って彼をもてなしてから、10日目にリュキアの王King of Lyciaは手紙messageを開き、そこに手紙messageの持参者を殺してくれと書いてあることを知った。
今やベレロポンBellerophonはイオバテスIobatesの客人guestであるから、イオバテスIobatesは当然プロイトスProetusと同じためらいを感じたのであるが、それでも彼はリュキアLyciaを荒らす怪獣monster・キマイラChimeraを殺すよう若者に命じた。
そうすればベレロポンBellerophonが死ぬだろうと王Kingは考えたのだが、ベレロポンはペガソスPegasusの助けを借りて怪獣monsterのはるか上方から襲いかかり、矢を射て首尾よくこれを殺した。
イオバテスIobatesはベレロポンBellerophonの勝利に仰天したが、なおも心を和らげず、たった1人でリュキアLyciaの仇敵である隣国のソリュモイ人the Solymiと戦うよう命じた。
このときもペガソスPegasusが彼らを打ち破るのに大きな役割を演じた。
3度目にイオバテスIobatesは彼をアマゾンthe Amazonsへ送りだした。
この3度目も勝利を得て帰る途中、ベレロポンBellerophonは、困り果てたイオバテスIobatesの送ったリュキアLyciaの精鋭の兵士の一団に待ち伏せられ、攻撃をしかけられた。
しかしベレロポンBellerophonは彼らを皆殺しにした。
イオバテスIobatesはついに敗北を認め、彼を信頼し、秘密の手紙messageを見せ、彼に娘daughterの1人・ピロノエPhilonoeを妻wifeとして与え、また王国kingdomの半分halfを譲って同盟者とした。
ベレロポンBellerophonは3人の子、すなわちヒッポロコスHippolochus、イサンドロスIsander、ラオダメイアLaodamiaを得た。
エウリピデスEuripidesの現存しない悲劇『ステネボイアStheneboea』によれば、ベレロポンBellerophonはアルゴスArgosに戻って王妃Queenに復讐したことになっている。
ステネボイアStheneboeaを愛していると見せかけて、ベレロポンBellerophonは、ペガソスPegasusに乗って自分と逃げようと彼女を誘った。
彼女が同意して馬horseに乗ると、彼は彼女を翼のある馬winged horseの背から真っ逆様に突き落とした。
彼女の死体は海中で発見され、発見者の漁夫FishermanによってアルゴスArgosへ運ばれた。
ベレロポンBellerophonの晩年Late yearsはみじめだった。
彼の子供childrenのうち2人は死んでしまった。
イサンドロスIsanderはソリュモイ人Solymiとの戦いの中で、ラオダメイアLaodamiaは病気で。
ベレロポンBellerophon自身は、彼の名を冠したエウリピデスEuripidesの現存しない戯曲『ベレロポンBellerophontes』によれば、神々と競い、ペガソスPegasusに乗って天Mount Olympusにまで上ろうとした。
ゼウスZeusは怒って虻(あぶ)gad-flyに馬horseを刺させsting、そのためベレロポンBellerophonは馬horseから振り落とされた。
ベレロポンBellerophonは一命を取り留めたが、生涯足が不自由になった。
その後彼は地上を放浪し、彼の死は記録にも残されなかった。
アテナAthenaとペガソスPegasus
ペガソスPegasus
(天馬(てんば)flying horse)
ポセイドンPoseidonとメドゥサMedusaの子child。
首headを切られたメドゥサMedusaの体bodyから血しぶきとともに、翼のある馬winged horseペガソスPegasusとクリュサオルChrysaorが飛び出した。
キマイラChimera
テュポンTyphonとエキドナEchidnaの娘Daughter。
ライオンlionと山羊goatの頭headとライオンlionの胴体body、毒蛇Viperの尻尾tailを持つ怪物Monster、口から火を吐いた。