テセウスTheseus
インモータルズImmortals
2011年(平成23年)のアメリカ映画
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テセウスTheseus アイゲウスAegeus メデイアMedea
アイゲウスAegeus
パンディオン2世Pandion IIとピュリアPyliaの長男Eldest son(または養子adopted son)。
パンディオン2世Pandion IIはアテナイ王King of Athensであったが、メガラの王King of Megara・ピュラスPylasの娘daughter・ピュリアPyliaと結婚marriageして王位throneを継いだ。
パンディオン2世Pandion IIにはそのほかニソスNisus、パラスPallas、リュコスLycusという3人の息子sonsがいた。
しかしパンディオン2世Pandion IIはスキュロス島Scyrosの王King・スキュリオスScyriusの息子son(アイゲウスAegeus)を養子adopted sonにして実子Real childと称しているという噂があった。
パンディオン2世Pandion IIが死ぬと、ニソスNisusがメガラの王King of Megaraになり、他の3兄弟three brothersはアッティカAtticaを攻めて、そこを支配していたメティオンMetionの息子sonsたちを追い払った。
初めは領土territoryを3兄弟three brothersで平等に分けるDivide equallyことを約束Promiseしていたのに、勝利ののちアイゲウスAegeusは自分1人で領有することを主張し、その言い分を通した。
デルポイの神託the Delphic oracle
アイゲウスAegeusは2度結婚marriageしたが、子供childがなかった。
そこでデルポイの神託Delphic oracleに計ったところ、アテナイAthínai(アテネAthens)に到着するまでは酒袋wineskinsの口bulging mouthを開いてはいけない、という意味不明のお告げcryptic wordsがあった。
アイゲウスAegeusは、友人のトロイゼンの王King of Troezena・ピッテウスPittheusに頼んで神託oracleの意味meaningを解いてもらおうと思った。
デルポイDelphiからトロイゼンTroezenaに向かう途中、アイゲウスAegeusはコリントスCorinthに立ち寄ったが、そこでメデイアMedeaからアテナイAthensに神殿templeを造るように頼まれた。
メデイアMedeaはそのかわり自分の魔術Magicを使ってアイゲウスAegeusの望む子供childを与えようと約束Promiseした。
ピッテウスPittheusは、神託oracleが偉大な英雄Great heroの誕生birthを予言Prophecyしていると知って、アイゲウスAegeusを酒wineに酔わせ、娘daughter・アイトラAethraと同じ床に寝かせた。
アイトラAethraが身ごもったことを知ったとき、アイゲウスAegeusは、大きな岩huge rockの下に剣swordとサンダルsandalsを隠しておいた。
そしてアイトラAethraに、息子sonが岩huge rockを持ち上げることができるようになったら、親子Parent and childのしるし、すなわち剣swordとサンダルsandalsを持ってアテナイAthensに来れば、息子sonとして受け入れようと言った。
やがて生まれた息子sonはテセウスTheseusと名付けられた。
(父fatherはポセイドンPoseidonであるとも考えられている。)
メデイアMedea アイエテスAeetesとイデュイアIdyiaとの娘daughter
叔母auntのキルケCirceに似て腕のいい魔女witchで、ヘカテHecateに心服していた
アイゲウスAegeusはアテナイAthensに帰ると、コリントスCorinthから逃れてきたメデイアMedeaと結婚marriageし、息子son・メドスMedusをもうけた。
メデイアMedeaがのちにテセウスTheseusを邪魔に思って憎んだのはこのためである。
テセウスTheseusがイストモスIsthmusの地峡Isthmus(コリントス地峡the Isthmus of
Corinth)で山賊Banditsを退治した英雄heroとしてアテナイAthensにやって来たとき、メデイアMedeaはその素姓を知ったが、彼は息子sonであるしるしの品をまだ父fatherに見せていなかった。
メデイアMedeaはアイゲウスAegeusを説得して、テセウスTheseusをマラトンの牡牛the Marathonian
Bull退治にやらせた。
この牛はかつてミノスMinos王Kingの息子son・アンドロゲオスAndrogeusを殺したことがある。
テセウスTheseusがこの牛Bullを生け捕りcapture aliveにしたので、メデイアMedeaは彼を殺そうと決意した。
アイゲウスAegeusは、テセウスTheseusの剣swordに気づいて息子sonと知った
メデイアMedeaはアイゲウスAegeusに、テセウスTheseusがパラスPallasの50人の息子Fifty sonsと共謀してアイゲウスAegeusの王位throneを覆そうとしていると言って、父fatherの目の前でテセウスTheseusに毒酒の杯A cup of poisonous liquorをすすめた。
しかしアイゲウスAegeusは、テセウスTheseusが、アイゲウスAegeusがトロイゼンTroezenaに置いてきた剣swordを持っているのに気がついて、あるいは、テセウスTheseusがその剣swordで肉meatを切るのを見て息子sonと知り、毒杯A cup of poisonous liquorをたたき落とした。
そして正式officiallyにテセウスTheseusを息子sonとして認知recognitionしたので、メデイアMedeaはメドスMedusとともにコルキスColchisへ逃げ去った。
テセウスTheseusはアイゲウスAegeusを助けて、王位throneを奪おうとしていたパラスPallasとリュコスLycusの一族familyを追い払った。
クレタ島Crete
テセウスTheseusはミノタウロスMinotaur退治にクレタ島Creteへ旅立った。
怪物monster・ミノタウロスMinotaurに食べさせるため毎年(一説によれば9年ごとに)7人の少年Seven boysと7人の少女Seven
girlsを犠牲Sacrificeに捧げる習慣customは、クレタ島Creteの強い王・ミノスMinosが、息子son・アンドロゲオスAndrogeusがマラトンの牡牛Marathonian Bullに殺された、またはライオスLaiusの葬礼競技Funeral Gamesに出席するためにテバイThebesに行く途中死んだのを怒って、アテナイAthensに課したものである。
ミノスMinosはメガラMegaraとアテナイAthensを攻め、メガラMegaraは陥落fallし、アテナイAthensは疫病Plagueで苦しめられた。
アイゲウスAegeusはデルポイの神託Delphic oracleに従ってミノスMinosの条件を受け入れたのだった。
テセウスTheseusは、生きて戻った場合は喪mourningを表す黒い帆Black sailのかわりに白い帆White sailを張るという父fatherと交わした、かねての約束Promiseを忘れて、黒い帆Black sailのまま帰って来たので、それを見たアイゲウスAegeusは悲しみdeep griefのあまり断崖cliffからアイガイオンの海Aegean Sea(エーゲ海the Aegean Sea)(アイゲウスAegeusに因んで名づけられた)へ、またはアテナイのアクロポリスAcropolis of Athensから海Seaに身を投げて死んだcommitted suicide
by jumping。
アイゲウスAegeusが投身committed suicide
by jumpingしたと考えられる場所に、英雄heroを祭る神殿templeが建てられた。
ヒッポダメイアHippodamia ペロプスPelops ミュルティロスMyrtilus
ピッテウスPittheus
ペロプスPelopsとヒッポダメイアHippodamiaとの息子son。
彼と兄弟brotherのトロイゼンTroezenは、ポセイドンPoseidonの孫grandson・アエティオスAetiusが支配者だったアルゴリスArgolisに定住した。
アエティオスAetiusが死ぬと、ピッテウスPittheusとトロイゼンTroezenはしばらくの間共同支配を続けたが、やがてトロイゼンTroezenも死ぬと、ただ1人王Kingとして残ったピッテウスは町を建設し、亡き兄弟brotherに因んでそれをトロイゼンTroezenと名付けた。
ピッテウスPittheusは抜け目のない博学な人物で、アテナイAthensの王King・アイゲウスAegeusが解釈できない神託oracleを携えて彼のもとにやってきたとき、彼はそれがアイゲウスAegeusの息子sonが偉大な英雄Great heroになることを予言Prophecyしたものだと分かった。
そこで彼はアイゲウスAegeusを酔わせ、自分の娘daughter・アイトラAethraと一緒に寝かせた。
やがてアイトラAethraはテセウスTheseusを産んだ。
(もっとも、テセウスTheseusの実の父Real fatherはポセイドンPoseidonであるとする説もある。)
テセウスTheseusはピッテウスPittheusの宮廷courtで成長し、彼の王位継承者the successor to the throneに指名された。
後年、テセウスTheseusがトロイゼンTroezenではなくアテナイAthensの王Kingになったとき、テセウスTheseusは息子sonのヒッポリュトスHippolytusがピッテウスPittheusとともに住んでトロイゼンTroezenの王位throneを継承successionするよう、彼をトロイゼン市Troezenに送った。
アイトラAethra テセウスTheseus
アイトラAethra
トロイゼン王King of Troezen・ピッテウスPittheusの娘daughter。
テセウスTheseusの母mother。
はじめベレロポンBellerophonと結婚marriageすることになっていたが、ベレロポンBellerophonが殺人のかどBecause of murderでコリントスCorinthを追われたので、ピッテウスPittheusは結婚式weddingをとりやめにした。
アイゲウスAegeusがトロイゼンTroezenに来たとき、ピッテウスPittheusは娘daughterをスパイリアの島the island of Sphairiaにやり、そこでアイゲウスAegeusはアイトラAethraと一夜をともにした。
(のちに、たぶん娘daughterの評判reputationを守るため、アイトラAethraと交わったのはポセイドンPoseidonであるという話が広められ、その後生まれたテセウスTheseusはポセイドンPoseidonの子childと呼ばれることが多い。)
トロイゼンTroezenを出る前にアイゲウスAegeusは、彼女との関係を証明する品(剣swordとサンダルsandals)を岩huge rockの下に隠しておいた。
それから、テセウスTheseusがアテナイAthensの王Kingになったのち、アイトラAethraも同行して一緒に暮らしていたが、テセウスTheseusがペイリトオスPirithousとともに冥府the Underworldに行っている間に、ゼウスZeusの息子sons・カストルCastorとポリュデウケスPolydeucesが、ヘレネHelenの奴隷slaveにするためにアイトラAethraをさらった。
これはテセウスTheseusがヘレネHelenを奪ったことに対する仕返しである。
同時に彼らは、アイトラAethraがヘレネHelenを預かっていたアッティカAtticaのアピドナイAphidnaからヘレネHelenを救い出した。
ヘレネHelenはアイトラAethraをトロイアTroyまで連れて行ったが、トロイアが陥落the fall of Troyしたのちは、アガメムノンAgamemnonが、アイトラAethraの孫grandsonsのデモポンDemophonとアカマスAcamasとに、彼女をアッティカAtticaに連れ戻すことを許した。
ペット・ショップ Pet Shop 2011年(平成23年)
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テセウスTheseus ミノタウロスMinotaur
テセウスTheseus
アテナイAthensの最も偉大な英雄The greatest hero。
アイゲウスAegeusまたはポセイドンPoseidonとピッテウスPittheusの娘daughter・アイトラAethraとの息子son。
アイゲウスAegeusがデルポイの神託the Delphic oracleに伺いをたてて、子供childができないのだがどうしたら子供childができるようになるかと尋ねたところ、アテナイAthensに戻るまで葡萄酒袋wineskinの口bulging mouthを開けてはならないとの託宣oracleが下った。
アイゲウスAegeusはその神託oracleの意味meaningが分からなかったので、トロイゼンTroezenに赴き、トロイゼン王King of Troezen・ピッテウスPittheusに神託oracleの意味meaningについて相談した。
するとピッテウスPittheusは、その意味meaningは帰国したアイゲウスAegeusが息子sonを得ることになろうとの予言prophecyであると解釈し、アイゲウスAegeusにスパイリアSphairiaという小島islandに一緒に来るように誘い、そこで彼を葡萄酒wineで酔わせ、娘daughterのアイトラAethraと床を共にさせた。
ポセイドンPoseidon (ネプトゥヌスNeptune)
ゼウスZeusの次兄second elder brother 海の神god of the sea
アイゲウスAegeusはまもなく一部始終を悟り、その上、アテナイAthensに向けてトロイゼンTroezenを離れる前に、アイトラAethraに子供childができたことも知った。
そこで彼は彼女を大きな石huge rockのあるところに連れて行き、その石huge rockを持ち上げると、その下にunder a huge rock剣swordとサンダルsandalsを置き、再びその上に岩huge rockを被せた。
彼はアイトラAethraに、万一子供childが男児Boyだったら、その子Boyがその岩huge rockを持ち上げられるくらい大きくなるまで待って、それからその子BoyをアテナイAthensに送るように、そして、その若者Youthが岩huge rockを持ち上げて、自分のもとに剣swordとサンダルsandalsを持って来たら、彼を実の子Real childと認め、アテナイAthensの王位継承者Successor to the throneとしよう、と言った。
もっとも、アイゲウスAegeus自身の王位throne保持も不確かであった。
彼の腹違いの兄弟half brother・パラスPallasとその50人の息子Fifty
sonsたちが、彼はパンディオン2世Pandion IIの養子adopted sonにすぎないと宣言し、王権throneは自分たちのものであると主張していたためである。
一方、トロイゼンTroezenでは、ピッテウスPittheusが娘daughterの愛人loverはポセイドンPoseidonであるから、娘daughterはやがて産む子childは神の子child of Godであるという話を触れ回っていた。
のちにテセウスTheseusはポセイドンPoseidonの息子sonであるという考えがアテナイAthensで広まった。
それにテセウスTheseus自身も父fatherがポセイドンPoseidonであると主張したと言われる。
アイトラAethra テセウスTheseus
テセウスTheseusが成人すると、アイトラAethraは彼に岩huge
rockを見せて、彼が王家の血筋Royal lineageであるとの秘密secretを伝えた。
彼はたやすく岩huge rockを持ち上げて剣swordとサンダルsandalsを手にすると、徒歩でOn footアテナイAthensへと向かった。
早くて安全safeな船旅journey by seaよりもサロニコス湾the Saronic Gulfに沿って回る困難dangerousな陸路の旅journey by landを選んだchooseのである。
それというのも、勇者brave・ヘラクレスHeraclesを心から賞賛praiseするテセウスTheseusは、陸路journey by landにつきまとう数多くの盗賊banditsの噂を耳にしていて、自分自身も力試しをしてみたかったからである。
ペリペテスPeriphetes
エピダウロスEpidaurusの近くで、テセウスTheseusはヘパイストスHephaestusの息子sonでコリュネテスCorynetes(「棍棒男the Club-Bearer」)と呼ばれていたペリペテスPeriphetesに出会った。
ペリペテスPeriphetesがそう綽名nicknamedされていたのは、彼が青銅の棍棒bronze clubで旅人travelersを殴り殺していたからである。
テセウスTheseusは格闘技Martial artsに長けていたので、棍棒the clubを取り上げると、ペリペテスPeriphetesが他の多くの者にしていたのと同じようにして彼を殴り殺した。
テセウスTheseusは棍棒the clubをそのまま持ち続けたため、ライオンの皮lion's skinがヘラクレスHeraclesの象徴Symbolとなったように、棍棒the clubが彼の象徴Symbolとなった。
シニスSinis
コリントス地峡the Isthmus of Corinthで、テセウスTheseusはシニスSinisに呼び止められた。
シニスSinisは無法者banditで、旅人travelersに松の木pine treesを折り曲げるのを手伝わせて(そこから彼は「松曲げ男pine-bender」と綽名されたnicknamed)、その後突然それを放って旅人travelersを空中に投げ飛ばしたとも、また自分で地面まで折り曲げた2本の松の木pine treesに通りすがりの者たちを縛り付け、木から手を離すと彼らは裂かれて死んだとも、言われる。
テセウスTheseusはシニスSinisをその松の木pine treesで殺した。
それから彼はシニスSinisの美しい娘daughter・ペリグネPeriguneが野生のアスパラガスasparagusの畑に隠れているのを見つけると、彼女を愛人loverにした。
ペリグネPeriguneは彼との間にメラニッポスMelanippusを産んだが、のちに彼女はオイカリアOechaliaのエウリュトスEurytusの息子son・デイオネウスDeioneusと結婚marriageした。
クロムミュオンの牝豚the Crommyonian sow
クロムミュオンCrommyonでは、テセウスTheseusはパイアPhaea(「灰色gray」)と呼ばれる灰色grayの牝豚sowの形をした悪名高い害獣Vermin(クロムミュオンの牝豚the Crommyonian sow)を片付けて人々を救った。
その獣beast(クロムミュオンの牝豚the Crommyonian sow)は怪物monsterのエキドナEchidnaとテュポンTyphonから生まれ、その地方を荒らし回っていたのである。
しかし、他の説によれば、この厄介物nuisance(クロムミュオンの牝豚the Crommyonian sow)は山賊banditsないしは牝豚sowと綽名nicknamedされていた堕落した女fallen womanだったという。
海に投げ込まれるスキロンSciron Sciron beaten by Theseus
スキロンSciron
テセウスTheseusがメガラMegaraの地に入ると、道が山とスキロンの岩the Sceironian Rocksと呼ばれる湾を見下ろす高い崖a cliff on the
Saronic coastとの間を走っている場所にやって来た。
ここに潜んでいたのがスキロンScironという悪党robberで、旅人travelersの持ち物を盗んでは彼らに無理やり自分の足を洗わせようとしたforced them to wash his feet。
旅人travelersが彼の前にかがみこむとknelt before him、彼らを崖cliffから蹴落としhe kicked them over the cliff into the sea、湾Gulfの浜辺に棲んでいた大亀a monstrous sea turtleの餌食にしたthey were eaten by a monstrous sea turtle。
テセウスTheseusはスキロンScironの言うままになるふりをしたが、腰をかがめたときにスキロンScironの足をつかみ崖cliffから彼を投げ落としてpushing him off the
cliff、大亀a monstrous sea turtleの餌食にした。
(しかし、メガラMegaraではスキロンScironは盗賊robberではなく、偉大な兵士the military leaderであったと言われる。)
ケルキュオンCercyon
テセウスTheseusが次に関わった争いは、当時アテナイAthensから独立していた都市・エレウシスEleusisにおいてのものだった。
そこのケルキュオンCercyonと呼ばれるエレウシスの王the King of Eleusisは負けた方が死ぬThe loser was murderedという条件で、旅の者passers-byたちに自分との格闘wrestling matchを強要していた。
しかし、ケルキュオンCercyonはテセウスTheseusという強敵に出会い、敗れて殺され、エレウシスEleusisの王位throneはテセウスTheseusのものとなった。
彼はのちにそこをアテナイの王国the Kingdom of Athensに加え、ケルキュオンCercyonの孫grandson・ヒッポトオンHippothoonをその統治者にした。
プロクルステスProcrustes
アイガレオス山Mount Korydallosに近いエリネオスErineusでは、テセウスTheseusはプロクルステスProcrustes(「叩き延ばす者the stretcher」)に引き止められた。
彼は旅人passer-byを自分の宿にとめ、背の低い者Short personは長いベッドLong bedに、背の高い者tall manは短いベッドShort bedに寝かせた。
そのあと彼らをベッドbedに縛り付けると、ちょうどベッドbedの長さlengthに合うように彼らの身体bodyを伸ばしたstretchり、身体の端を切り落としたamputate the excess
lengthりしていた。
テセウスTheseusはその仕打ちを用いて、プロクルステスProcrustesを殺した。
プロクルステスProcrustesは非常に背が高かったvery tallので、その首Headを切り落としたのである。
プロクルステスProcrustesはまたダマステスDamastes(「大人しくさせる者」)とかポリュペモン(「有害な者」)としても知られた。
デメテルDemeter (ケレスCeres)
豊穣の女神goddess of the harvest and agriculture
ゼウスZeusの次姉Second elder sister
ピュタロスPhytalus
その後、テセウスTheseusはケピソス川the river Cephissusにやって来たとき、旅に出て以来初めて親切な歓迎hospitalityを受けた。
デメテルDemeterにいちじくの木fig-treeをもらったピュタロスPhytalusの子孫descendantsが、テセウスTheseusの犯した殺人の罪を浄めhave cleansed Theseus of the murders he had committed、彼を厚くもてなしたwarm welcomeのである。
そこでテセウスTheseusは彼らを司祭Priestにした。
子childrenを殺し、戦車chariotに乗って逃げるメデイアMedea
テセウスTheseusがアテナイAthensにやって来ると、街は混乱状態にあった。
アイゲウスAegeusには嫡出子legitimate childがなく、パラスPallasの50人の息子Fifty
sonsたち(パランティダイthe Pallantidai)が王権throneを握ろうと企んでいたからである。
アイゲウスAegeusはメデイアMedeaと暮らしていたが、彼女は母motherである自分が外国の出Foreign originであるにもかかわらず、自分の息子son・メドスMedusがアテナイAthensの王位throneを継承successionすることを望んでいた。
テセウスTheseusは、道中に手柄exploitを立てていたので温かい歓迎hospitalityを受けたが、自分の正体true identityは明かさなかったhe did not reveal his true identity immediately。
しかし、メデイアMedeaはテセウスTheseusであることに気付きMedea recognized
Theseus immediately、自分の息子sonのためにアイゲウスAegeusに向かってあの者はパラスPallasの息子sonsたちと結託していると語って、宴会の席で自分が彼に毒poisonを盛るのを認めて欲しいと説得した。
しかし、テセウスTheseusが父fatherの剣swordで肉meatを切るとき、その剣swordが必ずアイゲウスAegeusの目にとまるように示したために、アイゲウスAegeusは息子sonの正体true identityを知り、危ういところで息子sonを毒殺Poisoningせずにすんだ。
老王Old kingはテセウスTheseusの杯cup of poisonを地面に叩き落としKnocking、テセウスTheseusも自分の危険に気がついたのである。
メデイアMedeaはアテナイAthensから逃れ、以後二度とそこでは姿が見られなかった。
アイゲウスAegeusは息子sonを胸にかき抱き、彼を後継者successorに指名した。
アイゲウスAegeusは、テセウスTheseusの剣swordに気づいて息子sonと知った
次にテセウスTheseusは、パラスPallasの50人の息子たちfifty sons(パランティダイthe Pallantidai)と戦わねばならなかった。
テセウスTheseusが既に王位継承者Successor to the throneであると公言されていたので、彼らはおおっぴらに謀叛rebellionを起こしてきたのである。
彼らのうち半数halfはアテナイAthensに進軍しmarched、半数halfはテセウスTheseusの支持者たちを待ち伏せしたlaid an ambush。
しかし、使者heraldレオスLeosがこの計画their schemesをテセウスTheseusに報告したwarnedので、テセウスTheseusは待ち伏せの一団を不意打ちにした。
もう一方の軍勢は、この知らせを聞いて逃げてしまった。
マラトンの牡牛the Marathonian
Bull (クレタの牡牛the Cretan Bull)
それからテセウスTheseusは、アッティカAtticaの東にあるマラトンMarathonに赴き、その地方を荒らし回っていた猛牛raging
bullを退治captureした。
(マラトンの牡牛the Marathonian
Bull)
彼がこの手柄exploitを成し遂げたのは、メデイアMedeaが彼に毒poisonを盛ろうとする前のことで、彼女の要求で父father・アイゲウスAegeusが彼をその危険な仕事に送りだしたのか、それともメデイアMedeaが立ち去ったあと彼がその冒険adventureに出かけて行ったのかは、出典Sourceにより異なる。
その牡牛BullはポセイドンPoseidonがクレタ島CreteのミノスMinosに与え、ミノスMinosの妻wife・パシパエPasiphaeが愛した牛Bullだった。
ヘラクレスHeraclesが、この牛Bullを7番目の難業the Seventh Labor(クレタの牡牛the Cretan Bull)としてギリシアGreeceに連れて来て以来、牛BullはアッティカAtticaをさまよっていたのである。
アイゲウスAegeusは、既にミノスMinosの息子son・アンドロゲオスAndrogeusをその野牛退治capture the Bullに送り出していたが、アンドロゲオスAndrogeusは牛Bullを殺そうとして逆に殺されてしまっていた。
今度はテセウスTheseusが出かけた。
途中、テセウスTheseusはヘカレHecaleという小柄な老女ancient womanに歓待Hospitalityを受けた。
ヘカレHecaleは、もしテセウスTheseusが無事に帰って来たらゼウスZeusに感謝gratitudeの犠牲sacrificeを捧げようと誓ったが、テセウスTheseusがまだ戻らないうちに彼女は死んでしまった。
牡牛the Bullを捕獲captureして戻って来ると、テセウスTheseusは老女ancient woman・ヘカレHecaleの思い出にその地に祭りを創設した。
それからテセウスTheseusは牡牛the BullをアテナイAthensに連れて行き、アポロンApolloに犠牲sacrificeとして捧げた。
ミノスMinos ゼウスZeusとエウロペEuropaの息子son
この冒険adventureの結果、テセウスTheseusはアンドロゲオスAndrogeusの死deathと、その父father・ミノスMinosが息子sonの死deathをもたらした罰punishmentとしてアテナイAthensに課していた貢物tributeのことを知った。
息子sonを殺されたミノスMinosはアッティカAtticaに戦いbattleを仕掛け勝利victoryを収めた。
戦争war中、アテナイ人たちthe Atheniansは疫病Plagueにやられたのである。
勝ったミノスMinosは、アテナイ人the Atheniansに、毎年Every year(あるいはプルタルコスPlutarchによると9年ごとにEvery
nine years)7人の若者Seven boysと7人の娘Seven girlsをクレタ島Creteへ送ることを強要demandした。
ミノタウロスMinotaur
ラビュリントス(迷宮)LabyrinthにいるミノタウロスMinotaur(パシパエPasiphaeと牡牛Bullとの間にできた子childで、体bodyは人間manだが頭headと角は牡牛Bullである怪物Monster)の餌食preyにするためである。
ちなみに、ラビュリントス(迷宮)Labyrinthというのは、アテナイAthensから追放exileされていたダイダロスDaedalusが、ミノスMinosの指示でミノタウロスMinotaurを住まわせるために築いた迷宮Labyrinthである。
パシパエPasiphae ヘリオスHeliosとペルセイスPerseisの娘daughter
テセウスTheseusが貢物tributeのことを知った時も、ちょうどその貢物tributeを納めねばならない時であった。
そして一説によると、ミノスMinosは特に一団A groupの中にテセウスTheseusを入れるよう要求demandしたと言われる。
しかし、プルタルコスPlutarchはじめほとんどの作者は、王Kingの息子sonだけが犠牲者Victimになることを免れることに、アテナイAthensの民衆peopleが怒りを示したからだと主張している。
誰が犠牲者Victimになるかは、通常くじ引きLotteryで決められていた。
そこでテセウスTheseusは自ら進んで自分も犠牲者Victimの1人になりたいと申し出た。
また一説によれば、テセウスTheseusはくじ引きLotteryの中に含まれている者たちの中に自分も加えるよう主張しただけで、くじ引きLotteryをしてみると偶然彼も当たっていた、ということである。
息子sonがいよいよ出発するとなって悲しんだアイゲウスAegeusは息子sonに、もし万が一By any chance、生きて帰ってこられたらなら、帰国Return homeの途上、船shipの黒い帆Black sailを白い帆White sail(あるいは赤い帆Red sail)に変えるようにと言った。
ミノタウロスMinotaurはラビュリントス(迷宮)Labyrinthで犠牲sacrificeとして差し出された者たちを食べたとも、彼らは餓死するまでさまよっただけだとも言われている。
彼らは武装もせずクレタ島Creteに行かねばならなかったが、彼らのうちの1人が怪物Monsterをうまく退治して脱出の道Escape wayを見出せば、犠牲sacrificeを捧げる義務Obligationは以後、無効Invalidとされると定められていた。
ポセイドンPoseidonとアムピトリテAmphitriteとトリトンTriton
ミノタウロスMinotaurの犠牲者Victimたちがクレタ島Creteに連れていかれた船shipが、アテナイAthensの船shipであったか、クレタ島Creteの船shipであったかについては議論が分かれた。
前者の解釈は、もしテセウスTheseusが戻ったのなら、彼は帰国Return homeするため船shipを持っていたことになり、従って父親fatherに無事に帰ったことを知らせるため、帆sailを変えることができたという話と合致する。
後者の解釈は、ミノスMinosが往路の旅outward journeyで、少女girlsの1人でメガラの王King of Megara・アルカトオスAlcathousの娘daughterに手を出そうとしたところ、テセウスTheseusが怒って彼のいたずらから少女girlを守ったので、ミノスMinosが腹を立てたという言い伝えと重なる。
その際、2人の男は互いを私生児illegitimate childだと罵り合ったが、ミノスMinosは父father・ゼウスZeusに祈って青空blue skyから雷鳴thunderを轟かせてもらい、またテセウスTheseusは海seaに飛び込み、ミノスMinosが軽蔑してポセイドンPoseidonの領域に投げ込んだ金の指輪Gold ringを奇跡的に取り返したことにより、それぞれ自分の親parentを証明してみせた。
テセウスTheseusに対してポセイドンPoseidonが指輪ringを渡しただけでなく、ポセイドンの妻wife・アムピトリテAmphitriteも黄金の冠Golden crownを与えた。
その冠Golden crownを被ったテセウスTheseusは勝ち誇ったように海seaから現れ、驚いているミノスMinosに指輪ringを返した。
アリアドネの糸Ariadne's
string
テセウスTheseusは敬虔な若者pious youthで、クレタ島Creteに船出departure of a shipする前に、敬慕AdoreしていたアポロンApolloの心を和らげ、アプロディテAphroditeには特別の恩恵special favorを施してくれるように頼んでおいた。
この先見Foresightは彼がクレタ島Creteに着いたとき、非常に役に立った。
なぜなら彼が任務を遂行Carry out a missionできたのは、アプロディテAphroditeがミノスMinosの娘daughter・アリアドネAriadneにテセウスTheseusを愛するfell in love with Theseusようにさせたからである。
ダイダロスDaedalusとイカロスIcarus
テセウスTheseusを一目見ただけで情熱の虜fell in love with TheseusとなったアリアドネAriadneは、ダイダロスDaedalusに相談を持ちかけ、彼から、ラビュリントス(迷宮)Labyrinthの複雑な迷路Labyrinthから脱するには、入口entranceに糸threadを結びつけ、それを伝って戻ってくるしかないという情報を引き出した。
そしてアリアドネAriadneはテセウスTheseusに言い寄って結婚marriageを約束Promiseさせたうえで、ひそかに手引きの糸玉a ball of thread(アリアドネの糸Ariadne's string)と、いくつかの出典によれば剣swordとを、彼に与えた。
テセウスTheseusは仲間の者companyたちを入口entrance付近に残して、糸threadをどんどん繰り出してラビュリントス(迷宮)Labyrinthの中央に進んでいった。
ラビュリントス(迷宮)Labyrinth ミノタウロスMinotaurが閉じこめられた場所
ミノスMinosはこのミノタウロスMinotaurの存在を恥じて、これを隠すことを決心し、ダイダロスDaedalusにラビュリントス(迷宮)Labyrinthを造らせた
テセウスTheseusはミノタウロスMinotaurに出くわすと、剣swordを用いて、あるいは別の説によれば拳骨fistで怪物Monsterを殺した。
彼が迷宮Labyrinthの入口entranceに戻ると、アリアドネAriadneがテセウスTheseusとその仲間companyをラビュリントス(迷宮)Labyrinthから解放したので、彼らは港portに停泊しているアテナイAthensの船shipに戻った。
港portでは夜のとばりに隠れ、ミノスMinosの船shipの底に穴をあけて、ミノスMinosが彼らを追跡しようとしても出航できないようにした。
そして一行a partyは帆sailを上げて帰国Return homeの途に着いた。
また一説によれば、テセウスTheseusとその友人companyらは戦いながら自分たちの船shipに戻らねばならなかったので、その戦いでミノスMinosの息子son・アステリオスAsteriusを殺したと言われる。
ミノタウロスMinotaur 「ミノスの牡牛Bull of Minos」を意味する
しかし、クレタ島Creteで起こったと言われるこの出来事については、かなり異なった解釈もある。
紀元前4世紀のアッティカAtticaの歴史家・ピロコロスPhilochorosによれば、テセウスTheseusはクレタ島Creteに着くとそこで行われた競技competitionに参加し、タウロスTaurus(「牡牛」)という名のその地で不人気の格闘競技Wrestling competitionのチャンピオンchampionで、パシパエPasiphaeの愛人でもある男を負かしたという。
この解釈では、ミノスMinosはテセウスTheseusの武勇を賞賛し、タウロスTaurusが恥をかくのを見て喜び、彼と仲間の者companyたちを解放したことになっている。
ディオニュソスDionysusとアリアドネAriadne
テセウスTheseusと仲間の若者Fellow youthたちはアリアドネAriadneを連れて、無事に港portを離れた。
彼らが最初に辿り着いた所は、ディア島the island of Dia(のちにナクソス島the island of Naxosとして知られるようになった)で、そこに彼らは上陸した。
そして彼らはさらに船旅return journeyを続けたが、アリアドネAriadneは置き去りにされた。
最も古い説によれば、どういうわけかテセウスTheseusが魔法magicにかけられ、アリアドネAriadneのことを忘れてしまったということである。
しかし、のちの作家たちは、テセウスTheseusがパノペウスPanopeusの娘daughter・アイグレAegleに恋していたため、彼の方からわざと裏切って置き去りにしたのだとする。
ホメロスHomerは、この点についてははっきりとしないのだが、ディオニュソスDionysusがアルテミスArtemisにアリアドネAriadneを射るように頼み、彼女の死をもたらしたのだと言っている。
ディオニュソスDionysusとアリアドネAriadne
おそらく次のような解釈が、その話にまつわる最も有名な古くからの解釈であろう。
すなわち、テセウスTheseusが出発したあと、ディオニュソスDionysus自身がディア島the island of Diaにやって来て、聖なる王妃Holy queenとするために魔法の馬車Magic carriageに乗せてアリアドネAriadneをさらっていったとするものである。
この話は、テセウスTheseusが他の女のためにアリアドネAriadneを置き去りにしたのち、彼女を妻wifeとしたのはディオニュソスDionysus自身ではなく、その島islandに住むオイナロスなる彼の神官Priestだったとする説により、合理的説明を与えられている。
またディオニュソスDionysusは時に、アリアドネAriadneに求婚proposal of marriageしようとしてテセウスTheseusと争った、と言われる。
アリアドネAriadne
キュプロス島Cyprusの作家・パイオンは、テセウスTheseusの船shipが風に流されて針路をはずれキュプロス島に着き、妊娠pregnancyして船酔いSeasicknessにあったアリアドネAriadneは島islandに上陸したが、船shipはまたすぐに荒波にもまれて沖に追いやられ、テセウスTheseusはアリアドネAriadneのもとに戻ることができなかった、と主張する。
テセウスTheseusがやっとキュプロス島Cyprusに戻ったときには、アリアドネAriadneは子供childが産まれないうちに陣痛Labor painで死んでしまっていたとのことである。
アポロンApollo (アポロApollo)
太陽神god of the Sun and light
ゼウスZeusとコイオスCoeusの娘Daughter・レトLetoとの息子Son
アルテミスArtemisと双子twinsの弟younger brother
ディア島the island of Diaの次にテセウスTheseusが上陸したのはデロス島the island of Delosであった。
一行a partyは、ラビュリントス(迷宮)Labyrinthのねじれた道を通った経験を思い起こして、蛇snakeのように曲がりくねって進みながら踊る「コウノトリの舞Stork dance」をその島islandに導入した。
彼らはそこからアテナイAthensに向けて船出set sailしたが、テセウスTheseusは帰国Return homeする喜びに有頂天Ecstaticになりすぎて帆sailを変えるのをすっかり忘れてしまった。
そのためテセウスTheseusの父father・アイゲウスAegeusは待ち受けた船shipの黒い帆Black sailを見て、彼を死んだものと早合点jump to conclusionsし、城壁castle wallから(あるいはアクロポリスAcropolisから)身を投じて自殺したthrew himself and committed suicide。
テセウスTheseusはアテナイAthensの港portパレロンPhaleronに上陸し、神々Godsに感謝の犠牲Sacrifice of gratitudeを捧げたのち、アイゲウスAegeusの死の知らせを聞いた。
アンティオペAntiope アマゾンの女王Queen of the
Amazons
この後しばらくして、テセウスTheseusは黒海the Black Sea沿岸のテミスキュラThemiscyraに住むアマゾン族the Amazons遠征questに乗り出した。
そこでテセウスTheseusはアマゾン族the Amazonsの指導者Leaderの1人で、女王Queen・ヒッポリュテHippolyteの姉妹sister・アンティオペAntiopeを捕えた。
あるいは異説によれば、ヒッポリュテHippolyte自身を捕えた、と言われる。
いずれにしてもアンティオペAntiopeがテセウスTheseusと恋に落ちたか、あるいは(別の説によれば)アマゾン族the AmazonsがテセウスTheseusに友情のしるしに贈り物をしたとき、彼は使者に自分の船shipに乗船するように誘い、そのままアンティオペAntiopeを乗せて出航したのか、のどちらかである。
アンティオペAntiopeを失ったことに腹を立てたアマゾン族the Amazonsは、アッティカAtticaまでテセウスTheseusの跡を追った。
彼の王国kingdomに侵入し都・アテナイAthensを攻撃した彼女らは、プニュクス丘Pnyxを占領し、アクロポリス丘Acropolisを包囲した。
そして2つの丘hillの狭間で激戦が繰り広げられたが、テセウスTheseusが勝利を収めた。
アマゾンthe Amazons
戦いの相手(通常ヒッポリュテHippolyteかアンティオペAntiopeのいずれかで、初めに虜Captiveになった女性でない方)はメガラMegaraに退却し、そこで死んだ。
のちにテセウスTheseusの妻wife(というのも、彼は捕えた女captured womanと結婚marriageしたからだが)は彼との間に息子son・ヒッポリュトスHippolytusを産み、その後まもなく死んだ。
この話に関する別の解釈によると、テセウスTheseusはプニュクス丘の戦いBattle of Pnyxでアマゾン族the Amazonsの妻wifeを捕えたという。
だが別の説では、ヒッポリュトスHippolytusが産まれたのは、アマゾン族the AmazonsがアテナイAthensを襲撃する前のことで、ヒッポリュトスHippolytusのアマゾン族the Amazonsの母motherはテセウスTheseusの傍らで戦っている最中に、投げ槍に当たって死んだという。
このエピソードepisode(逸話)(挿話)に関する幾つかの解釈によれば、テセウスTheseusのアマゾン族the Amazons攻撃はヘラクレスHeraclesとの共同事業であったと言われる。
ヘラクレスHeraclesは主人のエウリュステウスEurystheusにヒッポリュテの帯the Girdle of Hippolyteを持って来るように命令されていたからである(9番目の難業the Ninth Labor)。
オイディプスOedipus アンティゴネAntigone ポリュネイケスPolynices
テセウスTheseusは時に、アルゴナウタイthe Argonautsやカリュドンの猪狩りthe Calydonian Boar Huntをした人々の一員に数えられる。
またテセウスTheseusは、七将Seven generalsのテバイThebes攻撃失敗Attack
failureののち、テバイThebesで仲裁に入り、テバイの王King of Thebes・クレオンCreonに強いてアルゴスArgos側の死者を丁重に埋葬させた。
テセウスTheseusはまた、オイディプスOedipusとその娘daughter・アンティゴネAntigoneにアテナイAthensへの避難Evacuationを認め、クレオンCreonの家来retainerたちが、オイディプスOedipusに圧力をかけて彼がアッティカAtticaを離れテバイThebesに戻るように求めたときも(これはクレオンCreonが、テバイに向かう七将Seven Against Thebesとの戦いでエテオクレスEteoclesを支援するためであった)、彼はそれを阻止した。
ペイリトオスPirithous ゼウスZeusとイクシオンIxionの妻・ディアDiaとの息子
テセウスTheseusの一番の親友best friendは、テッサリアThessalyのラピテス族の王King of Lapiths・ペイリトオスPirithousであった。
テセウスTheseusの勇敢な資質heroic natureを耳にしたペイリトオスPirithousは、彼に会おうと決意した。
それでペイリトオスPirithousはマラトンMarathonでテセウスTheseusの牛群cattle herdを襲い、牛cattleを追い払ってしまった。
そしてテセウスTheseusが追跡していると聞くと、ペイリトオスPirithousは向きを変えてテセウスTheseusと相対した。
だが2人は戦わなかった。
ペイリトオスPirithousがアテナイの王King of Athensに手を差し延べると、テセウスTheseusもその手を取り、牛cattleを襲ったことでペイリトオスPirithousを罰するどころか、彼と永遠の友情Eternal friendshipを誓い合った。
それ以後、2人は一緒に多くの手柄exploit(おそらくアマゾン族the Amazonsの地に遠征questに出かけたことや、プニュクス丘Pnyxでの勝利の戦いなどが含まれよう)をたてた。
ペイリトオスPirithousとヒッポダメイアHippodamiaの結婚式wedding
ペイリトオスPirithousがヒッポダメイアHippodamiaと結婚marriageしたとき、テセウスTheseusはその結婚式weddingに出席した。
同じく結婚式weddingに出席していて酒に酔ったケンタウロスたちthe centaursが、花嫁brideや居合わせたラピテス族the Lapithsの女たちを連れ去らんとしたので、戦いが始まったが、テセウスTheseusはペイリトオスPirithousを助けてケンタウロスたちthe centaursと戦った。
パイドラPhaedra ミノスMinosとパシパエPasiphaeの娘 アリアドネAriadneの妹
テセウスTheseusはミノスMinosの娘daughter・アリアドネAriadneを棄てたにもかかわらず、ミノスMinosのもう1人の娘daughter・パイドラPhaedraと結婚marriageしたと言われる。
ミノスMinos自身は死んでいたが、彼はこの結婚marriageによりミノスMinosの王位throneを受け継いでいたデウカリオンDeucalionと確固たる友情Firm friendshipを交わすことになった。
パイドラPhaedraはテセウスTheseusとの間に2人の息子sons・アカマスAcamasとデモポンDemophonを産んだ。
この結婚marriage後しばらくして、パラスPallasは50人の息子Fifty
sonsたちとともにテセウスTheseusを王位throneから追放しようと再び戦いを挑んできたが、これが最後の挑戦となった。
テセウスTheseusはパラスPallasを殺し、彼の一族を一掃した。
親族relativesにあたる者をこのように殺害したため、テセウスTheseusはアテナイAthensから1年間追放の宣告Declaration of
expulsion for one yearを受けた。
そこで妻wifeと家族の者を引き連れて、テセウスTheseusのもう1つの王国kingdom・トロイゼンTroezenに出かけた。
アルテミスArtemis (ディアナDiana)
狩猟hunt・貞潔chastityの処女神virgin goddess
ゼウスZeusとコイオスCoeusの娘Daughter・レトLetoとの娘Daughter
アポロンApolloと双子twinsの姉elder sister
そこでは成人した息子son・ヒッポリュトスHippolytusが総督Governorとして支配していた。
ないしは祖父grandfather・ピッテウスPittheusに育て上げられていた。
ヒッポリュトスHippolytusは恥ずかしがり屋Shyで引っ込み思案diffidentの若者で、狩猟huntingを好んだためアルテミスArtemisのお気に入りだった。
彼は結婚marriageのことなど考えるのも嫌で、アプロディテAphroditeを崇拝worshipすることを軽蔑Despiseしていた。
アプロディテAphrodite (ウェヌスVenus)
愛loveと美beautyの女神Goddess
しかし、継母stepmother・パイドラPhaedraはヒッポリュトスHippolytusがエレウシスの秘教Eleusinian mysteriesを伝授してもらっていた時に初めて彼を見て、一目惚れをしてしまった。
今やパイドラPhaedraはトロイゼンTroezenにありヒッポリュトスHippolytusのすぐ近くに住むことになったので、彼女の情熱は燃え上がった。
テセウスTheseusはデルポイの神託the Delphic oracleに伺いをたてるためにしばらくトロイゼンTroezenを離れると、その間に事態は決定的段階に進んだ。
パイドラPhaedraの老いた乳母Nannyが、女主人mistressの心情を哀れんで、ヒッポリュトスHippolytusに彼女の熱情を打ち明けると、彼は衝撃を受け、不快に感じたが、そのことは秘密にしておくと誓った。
しかし、パイドラPhaedraはヒッポリュトスHippolytusから相手にされなかったと知って首を吊って自殺し、テセウスTheseusに、息子sonが自分を誘惑したと非難する嘘の手紙suicide noteを残した。
ヒッポリュトスHippolytus テセウスTheseusとアンティオペAntiopeの息子son
テセウスTheseusはデルポイDelphiから戻ると、その手紙suicide noteを信用し、かつて彼に3つの願いthree cursesを聞いてやると約束PromiseしていたポセイドンPoseidonに、息子sonに死deathをもたらすよう乞うてヒッポリュトスHippolytusを呪ったcursed。
それからテセウスTheseusは息子sonを追放Expulsionした。
そのためヒッポリュトスHippolytusは戦車chariot(二輪戦車、チャリオット)に乗ってトロイゼンTroezen近くの浜辺beachを走っていたとき、怪獣sea monsterが海seaから現れ、馬Hippolytus' horsesを驚かせたので、戦車chariotから投げ出されて死んだ。
その後、テセウスTheseusはアルテミスArtemisから事の真相truthを知らされた。
ある出典によれば、テセウスTheseusがデルポイDelphiから帰って来たとき、ヒッポリュトスHippolytusが誘惑したとして明け透けに非難したパイドラPhaedraが自殺したのは、この時だったという。
テセウスTheseusとペイリトオスPirithousはヘレネHelenを連れ去った
テセウスTheseusとペイリトオスPirithousは、2人ともやもめwidowerになると、互いに助け合って自分たちの地位にふさわしいと考えられるような妻wifeを得ようと約束し合った。
そして2人はゼウスZeusの娘daughterを選んだ。
まず彼らはスパルタSpartaに出かけ、レダLedaの娘daughter・ヘレネHelene(ヘレネHelen)を奪ってテセウスTheseusの花嫁brideとした。
プルタルコスPlutarchによれば、2人の王KingはどちらがヘレネHelenと結婚marriageすべきかを見るためにくじ引きLotteryをしたという。
ヘレネHelenはまだ12歳にすぎなかったが、すでに美人beautiful girlの誉れ高かった。
彼らはヘレネHelenがアルテミスArtemisの神殿templeで踊っているところを見つけ、アッティカAtticaのアピドナイAphidnaに彼女を連れ去った。
その地でテセウスTheseusは、ヘレネHelenが自分と結婚marriageするにふさわしい年齢に達するまで、母mother・アイトラAethraに彼女の世話をしてもらった。
ハデスHadesとペルセポネPersephone
さて今度はペイリトオスPirithousが花嫁brideを得る番であった。
そこで彼はハデスHadesの妻wife・ペルセポネPersephoneを選んだ。
ペイリトオスPirithousとテセウスTheseusが冥界the Underworldに降りると、ハデスHadesは2人をうやうやしくもてなす振りをした。
しかし、ハデスHadesに促されて彼らが椅子Chairsに腰をおろすと体が椅子Chairsにくっついて離れなくなってしまった。
そして、彼らは自分たちが何者であるかすっかり忘れてしまった。
彼らは忘却の椅子Chairs of Forgetfulnessに腰をかけていたのである。
ペイリトオスPirithousは、そこに永久に残され、ウェルギリウスVergilius(バージルVergil)によれば、テセウスTheseusも同様だったという。
だが、もっとよく知られている説では、テセウスTheseusは、しばらくしてヘラクレスHeraclesが冥界the Underworldの番犬watchdog・ケルベロスCerberusを取りに来たとき救い出されたと言われる。
ある出典によれば、ヘラクレスHeraclesが発狂して、メガラMegaraとの間にできた子供childrenたちを殺してしまったあと、ヘラクレスHeraclesに居場所を与えたのはテセウスTheseusであったという。
The
Rape of the Daughters of Leucippus
ディオスクロイDioscuri 「ゼウスZeusの息子たち」の意。
カストルCastorとポリュデウケスPolydeucesは叔父Uncle・レウキッポスLeucippusの娘Daughtersたち、ポイベPhoebe、ヒラエイラHilaeiraとの結婚marriageを望んだ。
テセウスTheseusがアテナイAthensに戻ってみると、市は混乱し、自分がひどく人望popularityのないことが分かった。
それというのは、ヘレネHelenの兄弟brothersのディオスクロイDioscuriに率いられたスパルタ人the Spartansが、ヘレネHelenを救出せんとアッティカAtticaに侵入してアピドナイAphidnaを略奪し、アイトラAethraを連れ去ったからである。
アテナイAthensは、エレクテウス2世Erechtheus IIの子孫descendants・メネステウスMenestheusの支配下に置かれ、テセウスTheseusの息子sons・アカマスAcamasとデモポンDemophonはエウボイア島Euboeaに難を逃れていた。
アテナイAthensから逃れざるを得なかったテセウスTheseusは、スキュロス島Scyrosに赴き、そこで祖父grandfather・スキュリオスScyriusから領地territoryを受け継いだ。
(これは、テセウスTheseusの父father・アイゲウスAegeusがスキュリオスScyriusの子childで、パンディオン2世Pandion IIの子childではないとする言い伝えと一致する。)
リュコメデスLycomedes王Kingの宮廷CourtでのアキレウスAchilles
スキュロス島の王King of Scyros・リュコメデスLycomedesは、表向きには彼を親切に迎え入れたが、自分の王国kingdomにこれほど強力で危険な人物Powerful and
dangerous personがいることをひそかに恐れていた。
それで彼はテセウスTheseusを断崖cliffの上に連れ出し、うわべは彼に島islandの自分の領地territoryを見せる振りをして彼を裏切りbetrayal、崖cliffから突き落とした。
これがアテナイAthensの創始者Founderと言われる、その最も偉大な英雄The greatest heroの最期Last Momentである。
メネステウスMenestheusはトロイア戦争Trojan Warの時までアッティカAtticaを支配し続け、その戦争Warで戦死Killed in actionしたと考えられている。
それからテセウスTheseusの息子son・デモポンDemophonが、トロイア攻略sacking of Troy中アイトラAethraを救出し、アテナイAthensに戻って父fatherの王国kingdomを受け継いだ。
紀元前475年頃、アテナイAthensの将軍general・キモンCimonは、人気取りの一環Part of popularityとしてスキュロス島ScyrosからテセウスTheseusの骨remainsと思われるものを持って来て、英雄heroに捧げられた神殿templeにそれを再び埋葬burialした。
なぜなら、アテナイAthensの人々は、その英雄heroこそマラトンの戦いthe Battle of Marathon in 490 BC(紀元前490年)で自分たちを援助してくれた人物だと信じたからである。
消防署 Fire Brigade 2009年(平成21年)
消防署 Fire Brigade 2009年(平成21年)
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ダイダロスDaedalusとイカロスIcarus
ダイダロスDaedalus
「名工cunning worker」の意。
アテナイAthensの伝説的な工人skillful craftsman。
多様な技術Technologyと発明inventionとで名高かった。
彼の父fatherはエレクテウスErechtheus王Kingの息子sonと伝えられる「賢い手を持った」エウパラモスEupalamus、あるいは「物知りの」メティオンMetionであった。
ソクラテスSocratesは自分のことをダイダロスDaedalusの子孫descendantsと呼んでいた。
ダイダロスDaedalusは長じてアテナイAthens随一number-oneの画家painter・彫刻家Sculptorとなった。
彼の作品workはあまりに真に迫っているtrue to natureので、まるで本物のように見えたLooks real。
ヤマウズラ(山鶉)Daurian partridge
彼の姉妹sisterは自分の息子son・ペルディクスPerdix(タロスTalusあるいはカロスCalosとも呼ばれる)を彼に徒弟apprenticeとして与えた。
その少年boy・ペルディクスPerdixはダイダロスDaedalusよりもさらに優れた工人craftsmanとなる素質Qualitiesを持っていた。
彼は蛇の顎骨jawbone of a snakeあるいは魚の背骨spine of a fishをまねて鋸(のこぎり)sawを発明inventionし、またコンパスcompassと轆轤(ろくろ)latheとを発明inventionしたからである。
そのためダイダロスDaedalusは彼に激しい嫉妬envyを抱き、アクロポリスAcropolisの山頂mountaintopから、あるいは崖cliffから海seaへ、彼を突き落として殺した。
ペルディクスPerdixをその巧みな技skillful workのゆえに愛していたアテナ女神the goddess Athenaは、彼が墜落fallingしていくのを見て、彼をヤマウズラ(山鶉)the Perdix(partridge)に変えた。
それ以後、この鳥birdは彼の名で呼ばれるようになった。
ミノタウロスMinotaur
この罪crimeのためにダイダロスDaedalusはアレイオス・パゴスAreios Pagosの法廷で裁かれた。
その判決に従ってか、あるいは自発的にか、彼は国を出てクレタ島Creteへ赴いた。
クレタ島CreteではミノスMinos王Kingが彼を迎え入れた。
ダイダロスDaedalusは王Kingの要請によって素晴らしい工芸技術craft skillsの腕前を発揮したが、中でも最も珍奇な考案物deviceは人工の牝牛wooden cowだった。
海神Sea god・ポセイドンPoseidonからミノスMinosに贈られた牡牛bullに激しい恋情lustを抱いた王妃Queen・パシパエPasiphaeは自分の欲情lustを満たすために、その木製の牝牛wooden cowの中に入った。
ポセイドンPoseidonの牡牛bullはその造り物に欺(あざむ)かれ、その牝牛cowと交わったため、その結果、中にいたパシパエPasiphaeは半人半牛Half-human half-bullのミノタウロスMinotaurを身ごもった。
ラビュリントス(迷宮)Labyrinth
ミノスMinosはこの怪物Monsterの存在を恥じて、これを隠すことを決心し、ダイダロスDaedalusにラビュリントス(迷宮)Labyrinthを造らせた。
これは地下の迷路Labyrinthで、多くのトンネルtunnelや廊下Corridorと1つの入口entranceから成り、中に入った者は2度と外への道を発見できないように考案されていた。
ミノタウロスMinotaurはその中心部に置かれた。
それは人肉Human fleshを常食staple foodとした。
ミノスMinosによって戦争warで打ち負かされたアテナイ人the Atheniansは、毎年Every year、あるいは9年毎Every nine yearsに、7人の少年Seven boysと7人の少女Seven
girlsを貢物tributeとしてミノスMinos王Kingのもとへ送ることを強いられ、それらの少年少女boys and girlsはミノタウロスMinotaurの餌食preyとして1人ずつラビュリントス(迷宮)Labyrinthへ送り込まれた。
何年かしてテセウスTheseusがクレタ島Creteへやって来たときに、ミノスMinosの娘daughter・アリアドネAriadneから彼に与えられた糸巻spoolは、ダイダロスDaedalusの考案したものであったが、テセウスTheseusは、ミノタウロスMinotaurを殺したあと、その糸巻spoolのおかげでラビュリントス(迷宮)Labyrinthから外へ出ることができた。
海へ墜落fell into the oceanしたイカロスIcarus
ミノスMinosはダイダロスDaedalusの裏切りbetrayalを知って、彼とその幼い息子young son・イカロスIcarus(ダイダロスDaedalusがミノスMinosの女奴隷Female slaveによって得た子child)とをラビュリントス(迷宮)Labyrinthに閉じ込めたimprisoned。
通常の方法ではとうてい脱出できないことを知っていたダイダロスDaedalusは、鳥の翼wings of a birdのようなものを作り空を飛んで脱出しようと決心した。
彼は蠟(ろう)waxと羽feathersとを用いてイカロスIcarusと自分のために翼wingsを作った。
そして、高く飛び過ぎればfly too high太陽の熱heat of
the sunで翼wingsの蠟(ろう)waxが溶けてしまい、低く飛び過ぎればfly too low海の波しぶきsea foamで翼wingsが重たくなってしまうsoak the feathersことを少年・イカロスIcarusによくよく注意したあとで、ダイダロスDaedalusは空に飛び上がった。
イカロスIcarusもすぐそのあとに従った。
彼らは北東Northeastに飛んで、パロス島the island of Paros、デロス島the island of Delos、サモス島Samosを通り過ぎた。
しかしスポラデス諸島the Sporades islandsと小アジアAsia Minorのイオニア海the Ionian Sea岸との間の海Seaにさしかかったとき、イカロスIcarusは興奮のあまり高く飛び過ぎてfly too highしまった。
太陽the sunに近づいたために翼wingsの蠟(ろう)waxが溶け、彼はまっさかさまに海へ墜落fell into the oceanした。
その海Seaは、今ではイカロスIcarusに因んでイカリア海the Icarian Seaと名づけられている。
そのすぐ近くにある今日イカリア島the island of Icariaと呼ばれている島islandにダイダロスDaedalusは着地し、海Seaから息子sonの死体dead bodyを回収して埋葬burialした。
ダイダロスDaedalusの甥nephew・ペルディクスPerdixの変身Transformしたヤマウズラpartridgeが、彼の悲嘆に暮れるさまを見てほくそえんだ。
他の説によれば、パシパエPasiphaeがダイダロスDaedalusをラビュリントス(迷宮)Labyrinthから救い出したという。
それから彼は船shipを造り、それを推進する帆sailを始めて考案して、イカロスIcarusとともにその船shipに乗ってクレタ島Creteから逃げて行ったという。
彼はシシリア島Sicilyへ行き、シシリア人SicilianのカミコスCamicus王King・コカロスCocalusの宮廷Courtに匿ってもらった。
しかし復讐revengeの決意に燃えるミノスMinos王Kingは、次のような手段を使ってついに彼の所在を突きとめた。
彼は西方のすべての支配者たちのもとへ出かけて行って、渦巻状の貝殻spiral seashellに糸stringを通すにはどうすればよいかと、全員に同じ問題を出した。
コカロスCocalusが糸stringの通された巻貝spiral seashellをミノスMinosに返したとき、ミノスMinosはコカロスCocalusがダイダロスDaedalusを匿(かくま)っていることを確信した。
ダイダロスDaedalus以外の誰にもその難問を解決できるbe able to solve the riddleはずがないと考えたからである。
ダイダロスDaedalusは貝殻seashellの先端に穴holeをあけ、1匹の蟻an antに糸stringをくくりつけて貝殻seashellの中に入り込ませたという。
蟻an antは貝殻seashellの中を曲がりくねりながら進み、ついに先端の穴holeから出てきた。
ピンク貝queen conch 巻貝Conch
ミノスMinosはダイダロスDaedalusを引き渡すよう要求したが、コカロスCocalusは断った。
ダイダロスDaedalusが彼のために難攻不落の市Impregnable cityを建設constructionしていたからである。
ミノスMinosは市cityを包囲した。
コカロスCocalusは和解settlementの態度を装って、ダイダロスDaedalusを引き渡すと約束し、ミノスMinosを食事に招待Invite to eatした。
ミノスMinosはまず風呂bathを勧められた。
昔からのやり方で王Kingの3人の娘daughtersたちが、彼を入浴take a bathさせることになっていた。
しかし水道管工事Water pipe
constructionの技術Technologyを身につけていたダイダロスDaedalusが、管Water pipeの装備された風呂bathを造っていた。
管Water pipeから熱湯boiling waterが噴出し、ミノスMinosは苦悶のうちに死んだ。
他の説によれば、コカロスCocalusはミノスMinosの軍隊armed forcesと戦って戦死Killed in actionしたという。
イタリアItalyのギリシア植民市Greek colony
Cumae
was the first ancient Greek colony on the mainland of Italy.
他の多くの重要な建造物Buildingや考案物deviceがダイダロスDaedalusの創意によるものと考えられた。
彼はクマイCumaeのアポロン神殿the temple of Apolloを建設constructionし、それを彼自身の生涯を物語る絵で飾ったという。
シシリア島Sicilyでは、アラボン川沿いの貯水池reservoir、セリノスの蒸し風呂Steam bath、アクラガス(アグリゲントム)の要塞Fortress、エリュクスのアプロディテ神殿the temple of Aphroditeの柱廊Porticoなどが、彼の建築Architectureになるものと言われた。
またシシリア島Sicilyには、彼は黄金製の蜂の巣Golden beehiveの模型modelも残した。
彼は帆柱mastと帆sailを考案inventしたとも信じられていた。
それから、膠(にかわ)glueと斧axe、(もしペルディクスPerdixの発明inventionになるものでないとすれば)鋸(のこぎり)saw、鉛錘糸Plumb bob thread、らせん錐(ぎり)Spiral coneなど大工道具Carpenter's toolsのほとんど全てを人類に与えたと信じられていた。
さらに、アテナイAthensのアテナ・ポリアス神殿the temple of Athena Poliasに展示されていた折り畳み椅子Folding chairも、ダイダロスDaedalusの作品workと信じられていた。
彼はまた多くの木像Wooden statueを彫刻Sculptureしたと考えられていて、それらの木像Wooden statueの中には、目や手を動かしたり、歩いたりするものもあった。
それらはギリシアGreeceやイタリアItalyの様々な場所に見出された。
サルディニアSardiniaでは、ダイダレアdaidaliaと呼ばれたいくつかの塔Towerが彼の作品workと考えられていた。
そればかりか、エジプトEgyptのピラミッドpyramidや大神殿Great Temple(たとえばメムピスMemphisのプタハ神殿the temple of Ptah)もダイダロスDaedalusの意匠designになるものとする言い伝えがギリシアGreeceにはあった。
『イカルスの星』 越路吹雪(こしじ・ふぶき)