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2021年1月10日日曜日

 テセウスTheseus

インモータルズImmortals

2011年(平成23年)のアメリカ映画


グランド百貨店 Grand Department Store 2010年(平成22年)

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テセウスTheseus アイゲウスAegeus メデイアMedea


アイゲウスAegeus

パンディオン2Pandion IIピュリアPylia長男Eldest son(または養子adopted son)。

パンディオン2Pandion IIアテナイ王King of Athensであったが、メガラの王King of MegaraピュラスPylasdaughterピュリアPylia結婚marriageして王位throneを継いだ。

パンディオン2Pandion IIにはそのほかニソスNisusパラスPallasリュコスLycusという3人の息子sonsがいた。

しかしパンディオン2Pandion IIスキュロスScyrosKingスキュリオスScyrius息子sonアイゲウスAegeus)を養子adopted sonにして実子Real childと称しているという噂があった。

パンディオン2Pandion IIが死ぬと、ニソスNisusメガラの王King of Megaraになり、他の3兄弟three brothersアッティカAtticaを攻めて、そこを支配していたメティオンMetion息子sonsたちを追い払った。

初めは領土territory3兄弟three brothers平等に分けるDivide equallyことを約束Promiseしていたのに、勝利ののちアイゲウスAegeusは自分1人で領有することを主張し、その言い分を通した。


デルポイの神託the Delphic oracle


アイゲウスAegeus2結婚marriageしたが、子供childがなかった。

そこでデルポイの神託Delphic oracleに計ったところ、アテナイAthínaiアテネAthens)に到着するまでは酒袋wineskinsbulging mouthを開いてはいけない、という意味不明のお告げcryptic wordsがあった。

アイゲウスAegeusは、友人のトロイゼンの王King of TroezenaピッテウスPittheusに頼んで神託oracle意味meaningを解いてもらおうと思った。

デルポイDelphiからトロイゼンTroezenaに向かう途中、アイゲウスAegeusコリントスCorinthに立ち寄ったが、そこでメデイアMedeaからアテナイAthens神殿templeを造るように頼まれた。

メデイアMedeaはそのかわり自分の魔術Magicを使ってアイゲウスAegeusの望む子供childを与えようと約束Promiseした。



ピッテウスPittheusは、神託oracle偉大な英雄Great hero誕生birth予言Prophecyしていると知って、アイゲウスAegeuswineに酔わせ、daughterアイトラAethraと同じ床に寝かせた。

アイトラAethraが身ごもったことを知ったとき、アイゲウスAegeusは、大きな岩huge rockの下にswordサンダルsandalsを隠しておいた。

そしてアイトラAethraに、息子sonhuge rockを持ち上げることができるようになったら、親子Parent and childのしるし、すなわちswordサンダルsandalsを持ってアテナイAthensに来れば、息子sonとして受け入れようと言った。

やがて生まれた息子sonテセウスTheseusと名付けられた。

fatherポセイドンPoseidonであるとも考えられている。)


メデイアMedea アイエテスAeetesイデュイアIdyiaとのdaughter

叔母auntキルケCirceに似て腕のいい魔女witchで、ヘカテHecateに心服していた


アイゲウスAegeusアテナイAthensに帰ると、コリントスCorinthから逃れてきたメデイアMedea結婚marriageし、息子sonメドスMedusをもうけた。

メデイアMedeaがのちにテセウスTheseusを邪魔に思って憎んだのはこのためである。

テセウスTheseusイストモスIsthmus地峡Isthmusコリントス地峡the Isthmus of Corinth)で山賊Banditsを退治した英雄heroとしてアテナイAthensにやって来たとき、メデイアMedeaはその素姓を知ったが、彼は息子sonであるしるしの品をまだfatherに見せていなかった。

メデイアMedeaアイゲウスAegeusを説得して、テセウスTheseusマラトンの牡牛the Marathonian Bull退治にやらせた。

この牛はかつてミノスMinosKing息子sonアンドロゲオスAndrogeusを殺したことがある。

テセウスTheseusがこのBull生け捕りcapture aliveにしたので、メデイアMedeaは彼を殺そうと決意した。


アイゲウスAegeusは、テセウスTheseusswordに気づいて息子sonと知った


メデイアMedeaアイゲウスAegeusに、テセウスTheseusパラスPallas50人の息子Fifty sonsと共謀してアイゲウスAegeus王位throneを覆そうとしていると言って、fatherの目の前でテセウスTheseus毒酒の杯A cup of poisonous liquorをすすめた。

しかしアイゲウスAegeusは、テセウスTheseusが、アイゲウスAegeusトロイゼンTroezenaに置いてきたswordを持っているのに気がついて、あるいは、テセウスTheseusがそのswordmeatを切るのを見て息子sonと知り、毒杯A cup of poisonous liquorをたたき落とした。

そして正式officiallyテセウスTheseus息子sonとして認知recognitionしたので、メデイアMedeaメドスMedusとともにコルキスColchisへ逃げ去った。

テセウスTheseusアイゲウスAegeusを助けて、王位throneを奪おうとしていたパラスPallasリュコスLycus一族familyを追い払った。


クレタCrete


テセウスTheseusミノタウロスMinotaur退治にクレタCreteへ旅立った。

怪物monsterミノタウロスMinotaurに食べさせるため毎年(一説によれば9年ごとに)7人の少年Seven boys7人の少女Seven girls犠牲Sacrificeに捧げる習慣customは、クレタCreteの強い王・ミノスMinosが、息子sonアンドロゲオスAndrogeusマラトンの牡牛Marathonian Bullに殺された、またはライオスLaius葬礼競技Funeral Gamesに出席するためにテバイThebesに行く途中死んだのを怒って、アテナイAthensに課したものである。

ミノスMinosメガラMegaraアテナイAthensを攻め、メガラMegara陥落fallし、アテナイAthens疫病Plagueで苦しめられた。

アイゲウスAegeusデルポイの神託Delphic oracleに従ってミノスMinosの条件を受け入れたのだった。




テセウスTheseusは、生きて戻った場合はmourningを表す黒い帆Black sailのかわりに白い帆White sailを張るというfatherと交わした、かねての約束Promiseを忘れて、黒い帆Black sailのまま帰って来たので、それを見たアイゲウスAegeus悲しみdeep griefのあまり断崖cliffからアイガイオンの海Aegean Seaエーゲthe Aegean Sea)(アイゲウスAegeusに因んで名づけられた)へ、またはアテナイアクロポリスAcropolis of AthensからSea身を投げて死んだcommitted suicide by jumping

アイゲウスAegeus投身committed suicide by jumpingしたと考えられる場所に、英雄heroを祭る神殿templeが建てられた。


ヒッポダメイアHippodamia ペロプスPelops ミュルティロスMyrtilus


ピッテウスPittheus

ペロプスPelopsヒッポダメイアHippodamiaとの息子son

彼と兄弟brotherトロイゼンTroezenは、ポセイドンPoseidongrandsonアエティオスAetiusが支配者だったアルゴリスArgolisに定住した。

アエティオスAetiusが死ぬと、ピッテウスPittheusトロイゼンTroezenはしばらくの間共同支配を続けたが、やがてトロイゼンTroezenも死ぬと、ただ1Kingとして残ったピッテウスは町を建設し、亡き兄弟brotherに因んでそれをトロイゼンTroezenと名付けた。

ピッテウスPittheusは抜け目のない博学な人物で、アテナイAthensKingアイゲウスAegeusが解釈できない神託oracleを携えて彼のもとにやってきたとき、彼はそれがアイゲウスAegeus息子son偉大な英雄Great heroになることを予言Prophecyしたものだと分かった。



そこで彼はアイゲウスAegeusを酔わせ、自分のdaughterアイトラAethraと一緒に寝かせた。

やがてアイトラAethraテセウスTheseusを産んだ。

(もっとも、テセウスTheseus実の父Real fatherポセイドンPoseidonであるとする説もある。)

テセウスTheseusピッテウスPittheus宮廷courtで成長し、彼の王位継承者the successor to the throneに指名された。

後年、テセウスTheseusトロイゼンTroezenではなくアテナイAthensKingになったとき、テセウスTheseus息子sonヒッポリュトスHippolytusピッテウスPittheusとともに住んでトロイゼンTroezen王位throne継承successionするよう、彼をトロイゼン市Troezenに送った。


アイトラAethra テセウスTheseus


アイトラAethra

トロイゼン王King of TroezenピッテウスPittheusdaughter

テセウスTheseusmother

はじめベレロポンBellerophon結婚marriageすることになっていたが、ベレロポンBellerophon殺人のかどBecause of murderコリントスCorinthを追われたので、ピッテウスPittheus結婚式weddingをとりやめにした。

アイゲウスAegeusトロイゼンTroezenに来たとき、ピッテウスPittheusdaughterスパイリアの島the island of Sphairiaにやり、そこでアイゲウスAegeusアイトラAethraと一夜をともにした。

(のちに、たぶんdaughter評判reputationを守るため、アイトラAethraと交わったのはポセイドンPoseidonであるという話が広められ、その後生まれたテセウスTheseusポセイドンPoseidonchildと呼ばれることが多い。)

トロイゼンTroezenを出る前にアイゲウスAegeusは、彼女との関係を証明する品(swordサンダルsandals)をhuge rockの下に隠しておいた。



それから、テセウスTheseusアテナイAthensKingになったのち、アイトラAethraも同行して一緒に暮らしていたが、テセウスTheseusペイリトオスPirithousとともに冥府the Underworldに行っている間に、ゼウスZeus息子sonsカストルCastorポリュデウケスPolydeucesが、ヘレネHelen奴隷slaveにするためにアイトラAethraをさらった。

これはテセウスTheseusヘレネHelenを奪ったことに対する仕返しである。

同時に彼らは、アイトラAethraヘレネHelenを預かっていたアッティカAtticaアピドナイAphidnaからヘレネHelenを救い出した。

ヘレネHelenアイトラAethraトロイアTroyまで連れて行ったが、トロイアが陥落the fall of Troyしたのちは、アガメムノンAgamemnonが、アイトラAethragrandsonsデモポンDemophonアカマスAcamasとに、彼女をアッティカAtticaに連れ戻すことを許した。


ペット・ショップ Pet Shop 2011年(平成23年)

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テセウスTheseus ミノタウロスMinotaur


テセウスTheseus

アテナイAthens最も偉大な英雄The greatest hero

アイゲウスAegeusまたはポセイドンPoseidonピッテウスPittheusdaughterアイトラAethraとの息子son

アイゲウスAegeusデルポイの神託the Delphic oracleに伺いをたてて、子供childができないのだがどうしたら子供childができるようになるかと尋ねたところ、アテナイAthensに戻るまで葡萄酒袋wineskinbulging mouthを開けてはならないとの託宣oracleが下った。

アイゲウスAegeusはその神託oracle意味meaningが分からなかったので、トロイゼンTroezenに赴き、トロイゼン王King of TroezenピッテウスPittheus神託oracle意味meaningについて相談した。

するとピッテウスPittheusは、その意味meaningは帰国したアイゲウスAegeus息子sonを得ることになろうとの予言prophecyであると解釈し、アイゲウスAegeusスパイリアSphairiaという小島islandに一緒に来るように誘い、そこで彼を葡萄酒wineで酔わせ、daughterアイトラAethraと床を共にさせた。


ポセイドンPoseidon (ネプトゥヌスNeptune

ゼウスZeus次兄second elder brother 海の神god of the sea


アイゲウスAegeusはまもなく一部始終を悟り、その上、アテナイAthensに向けてトロイゼンTroezenを離れる前に、アイトラAethra子供childができたことも知った。

そこで彼は彼女を大きな石huge rockのあるところに連れて行き、そのhuge rockを持ち上げると、その下にunder a huge rockswordサンダルsandalsを置き、再びその上にhuge rockを被せた。

彼はアイトラAethraに、万一子供child男児Boyだったら、そのBoyがそのhuge rockを持ち上げられるくらい大きくなるまで待って、それからそのBoyアテナイAthensに送るように、そして、その若者Youthhuge rockを持ち上げて、自分のもとにswordサンダルsandalsを持って来たら、彼を実の子Real childと認め、アテナイAthens王位継承者Successor to the throneとしよう、と言った。



もっとも、アイゲウスAegeus自身の王位throne保持も不確かであった。

彼の腹違いの兄弟half brotherパラスPallasとその50人の息子Fifty sonsたちが、彼はパンディオン2Pandion II養子adopted sonにすぎないと宣言し、王権throneは自分たちのものであると主張していたためである。

一方、トロイゼンTroezenでは、ピッテウスPittheusdaughter愛人loverポセイドンPoseidonであるから、daughterはやがて産むchild神の子child of Godであるという話を触れ回っていた。

のちにテセウスTheseusポセイドンPoseidon息子sonであるという考えがアテナイAthensで広まった。

それにテセウスTheseus自身もfatherポセイドンPoseidonであると主張したと言われる。


アイトラAethra テセウスTheseus


テセウスTheseusが成人すると、アイトラAethraは彼にhuge rockを見せて、彼が王家の血筋Royal lineageであるとの秘密secretを伝えた。

彼はたやすくhuge rockを持ち上げてswordサンダルsandalsを手にすると、徒歩でOn footアテナイAthensへと向かった。

早くて安全safe船旅journey by seaよりもサロニコスthe Saronic Gulfに沿って回る困難dangerous陸路の旅journey by land選んだchooseのである。

それというのも、勇者braveヘラクレスHeraclesを心から賞賛praiseするテセウスTheseusは、陸路journey by landにつきまとう数多くの盗賊banditsの噂を耳にしていて、自分自身も力試しをしてみたかったからである。



ペリペテスPeriphetes

エピダウロスEpidaurusの近くで、テセウスTheseusヘパイストスHephaestus息子sonコリュネテスCorynetes(「棍棒男the Club-Bearer」)と呼ばれていたペリペテスPeriphetesに出会った。

ペリペテスPeriphetesがそう綽名nicknamedされていたのは、彼が青銅の棍棒bronze club旅人travelersを殴り殺していたからである。

テセウスTheseus格闘技Martial artsに長けていたので、棍棒the clubを取り上げると、ペリペテスPeriphetesが他の多くの者にしていたのと同じようにして彼を殴り殺した。

テセウスTheseus棍棒the clubをそのまま持ち続けたため、ライオンの皮lion's skinヘラクレスHeracles象徴Symbolとなったように、棍棒the clubが彼の象徴Symbolとなった。



シニスSinis

コリントス地峡the Isthmus of Corinthで、テセウスTheseusシニスSinisに呼び止められた。

シニスSinis無法者banditで、旅人travelers松の木pine treesを折り曲げるのを手伝わせて(そこから彼は「松曲げ男pine-bender」と綽名されたnicknamed)、その後突然それを放って旅人travelersを空中に投げ飛ばしたとも、また自分で地面まで折り曲げた2本の松の木pine treesに通りすがりの者たちを縛り付け、木から手を離すと彼らは裂かれて死んだとも、言われる。

テセウスTheseusシニスSinisをその松の木pine treesで殺した。

それから彼はシニスSinisの美しいdaughterペリグネPeriguneが野生のアスパラガスasparagusの畑に隠れているのを見つけると、彼女を愛人loverにした。

ペリグネPeriguneは彼との間にメラニッポスMelanippusを産んだが、のちに彼女はオイカリアOechaliaエウリュトスEurytus息子sonデイオネウスDeioneus結婚marriageした。



クロムミュオンの牝豚the Crommyonian sow

クロムミュオンCrommyonでは、テセウスTheseusパイアPhaea(「灰色gray」)と呼ばれる灰色gray牝豚sowの形をした悪名高い害獣Verminクロムミュオンの牝豚the Crommyonian sow)を片付けて人々を救った。

そのbeastクロムミュオンの牝豚the Crommyonian sow)は怪物monsterエキドナEchidnaテュポンTyphonから生まれ、その地方を荒らし回っていたのである。

しかし、他の説によれば、この厄介物nuisanceクロムミュオンの牝豚the Crommyonian sow)は山賊banditsないしは牝豚sow綽名nicknamedされていた堕落した女fallen womanだったという。


海に投げ込まれるスキロンSciron Sciron beaten by Theseus


スキロンSciron

テセウスTheseusメガラMegaraの地に入ると、道が山とスキロンの岩the Sceironian Rocksと呼ばれる湾を見下ろす高い崖a cliff on the Saronic coastとの間を走っている場所にやって来た。

ここに潜んでいたのがスキロンScironという悪党robberで、旅人travelersの持ち物を盗んでは彼らに無理やり自分の足を洗わせようとしたforced them to wash his feet

旅人travelersが彼の前にかがみこむとknelt before him、彼らをcliffから蹴落としhe kicked them over the cliff into the seaGulfの浜辺に棲んでいた大亀a monstrous sea turtle餌食にしたthey were eaten by a monstrous sea turtle

テセウスTheseusスキロンScironの言うままになるふりをしたが、腰をかがめたときにスキロンScironの足をつかみcliffから彼を投げ落としてpushing him off the cliff大亀a monstrous sea turtleの餌食にした。

(しかし、メガラMegaraではスキロンSciron盗賊robberではなく、偉大な兵士the military leaderであったと言われる。)



ケルキュオンCercyon

テセウスTheseusが次に関わった争いは、当時アテナイAthensから独立していた都市・エレウシスEleusisにおいてのものだった。

そこのケルキュオンCercyonと呼ばれるエレウシスの王the King of Eleusisは負けた方が死ぬThe loser was murderedという条件で、旅の者passers-byたちに自分との格闘wrestling matchを強要していた。

しかし、ケルキュオンCercyonテセウスTheseusという強敵に出会い、敗れて殺され、エレウシスEleusis王位throneテセウスTheseusのものとなった。

彼はのちにそこをアテナイの王国the Kingdom of Athensに加え、ケルキュオンCercyongrandsonヒッポトオンHippothoonをその統治者にした。



プロクルステスProcrustes

アイガレオス山Mount Korydallosに近いエリネオスErineusでは、テセウスTheseusプロクルステスProcrustes(「叩き延ばす者the stretcher」)に引き止められた。

彼は旅人passer-byを自分の宿にとめ、背の低い者Short person長いベッドLong bedに、背の高い者tall man短いベッドShort bedに寝かせた。

そのあと彼らをベッドbedに縛り付けると、ちょうどベッドbed長さlengthに合うように彼らの身体bodyを伸ばしたstretchり、身体の端を切り落としたamputate the excess lengthりしていた。

テセウスTheseusはその仕打ちを用いて、プロクルステスProcrustesを殺した。

プロクルステスProcrustes非常に背が高かったvery tallので、そのHeadを切り落としたのである。

プロクルステスProcrustesはまたダマステスDamastes(「大人しくさせる者」)とかポリュペモン(「有害な者」)としても知られた。


デメテルDemeter (ケレスCeres

豊穣の女神goddess of the harvest and agriculture

ゼウスZeus次姉Second elder sister


ピュタロスPhytalus

その後、テセウスTheseusケピソス川the river Cephissusにやって来たとき、旅に出て以来初めて親切な歓迎hospitalityを受けた。

デメテルDemeterいちじくの木fig-treeをもらったピュタロスPhytalus子孫descendantsが、テセウスTheseusの犯した殺人の罪を浄めhave cleansed Theseus of the murders he had committed、彼を厚くもてなしたwarm welcomeのである。

そこでテセウスTheseusは彼らを司祭Priestにした。


childrenを殺し、戦車chariotに乗って逃げるメデイアMedea


テセウスTheseusアテナイAthensにやって来ると、街は混乱状態にあった。

アイゲウスAegeusには嫡出子legitimate childがなく、パラスPallas50人の息子Fifty sonsたち(パランティダイthe Pallantidai)が王権throneを握ろうと企んでいたからである。

アイゲウスAegeusメデイアMedeaと暮らしていたが、彼女はmotherである自分が外国の出Foreign originであるにもかかわらず、自分の息子sonメドスMedusアテナイAthens王位throne継承successionすることを望んでいた。

テセウスTheseusは、道中に手柄exploitを立てていたので温かい歓迎hospitalityを受けたが、自分の正体true identityは明かさなかったhe did not reveal his true identity immediately



しかし、メデイアMedeaテセウスTheseusであることに気付きMedea recognized Theseus immediately、自分の息子sonのためにアイゲウスAegeusに向かってあの者はパラスPallas息子sonsたちと結託していると語って、宴会の席で自分が彼にpoisonを盛るのを認めて欲しいと説得した。

しかし、テセウスTheseusfatherswordmeatを切るとき、そのswordが必ずアイゲウスAegeusの目にとまるように示したために、アイゲウスAegeus息子son正体true identityを知り、危ういところで息子son毒殺Poisoningせずにすんだ。

老王Old kingテセウスTheseuscup of poisonを地面に叩き落としKnockingテセウスTheseusも自分の危険に気がついたのである。

メデイアMedeaアテナイAthensから逃れ、以後二度とそこでは姿が見られなかった。

アイゲウスAegeus息子sonを胸にかき抱き、彼を後継者successorに指名した。


アイゲウスAegeusは、テセウスTheseusswordに気づいて息子sonと知った


次にテセウスTheseusは、パラスPallas50人の息子たちfifty sonsパランティダイthe Pallantidai)と戦わねばならなかった。

テセウスTheseusが既に王位継承者Successor to the throneであると公言されていたので、彼らはおおっぴらに謀叛rebellionを起こしてきたのである。

彼らのうち半数halfアテナイAthens進軍marched半数halfテセウスTheseusの支持者たちを待ち伏せしたlaid an ambush

しかし、使者heraldレオスLeosこの計画their schemesテセウスTheseusに報告したwarnedので、テセウスTheseusは待ち伏せの一団を不意打ちにした。

もう一方の軍勢は、この知らせを聞いて逃げてしまった。


マラトンの牡牛the Marathonian Bull クレタの牡牛the Cretan Bull


それからテセウスTheseusは、アッティカAtticaの東にあるマラトンMarathonに赴き、その地方を荒らし回っていた猛牛raging bull退治captureした。

マラトンの牡牛the Marathonian Bull

彼がこの手柄exploitを成し遂げたのは、メデイアMedeaが彼にpoisonを盛ろうとする前のことで、彼女の要求でfatherアイゲウスAegeusが彼をその危険な仕事に送りだしたのか、それともメデイアMedeaが立ち去ったあと彼がその冒険adventureに出かけて行ったのかは、出典Sourceにより異なる。

その牡牛BullポセイドンPoseidonクレタCreteミノスMinosに与え、ミノスMinoswifeパシパエPasiphaeが愛したBullだった。

ヘラクレスHeraclesが、このBull7番目の難業the Seventh Laborクレタの牡牛the Cretan Bull)としてギリシアGreeceに連れて来て以来、BullアッティカAtticaをさまよっていたのである。



アイゲウスAegeusは、既にミノスMinos息子sonアンドロゲオスAndrogeusをその野牛退治capture the Bullに送り出していたが、アンドロゲオスAndrogeusBullを殺そうとして逆に殺されてしまっていた。

今度はテセウスTheseusが出かけた。

途中、テセウスTheseusヘカレHecaleという小柄な老女ancient woman歓待Hospitalityを受けた。

ヘカレHecaleは、もしテセウスTheseusが無事に帰って来たらゼウスZeus感謝gratitude犠牲sacrificeを捧げようと誓ったが、テセウスTheseusがまだ戻らないうちに彼女は死んでしまった。

牡牛the Bull捕獲captureして戻って来ると、テセウスTheseus老女ancient womanヘカレHecaleの思い出にその地に祭りを創設した。

それからテセウスTheseus牡牛the BullアテナイAthensに連れて行き、アポロンApollo犠牲sacrificeとして捧げた。


ミノスMinos ゼウスZeusエウロペEuropa息子son


この冒険adventureの結果、テセウスTheseusアンドロゲオスAndrogeusdeathと、そのfatherミノスMinos息子sondeathをもたらしたpunishmentとしてアテナイAthensに課していた貢物tributeのことを知った。

息子sonを殺されたミノスMinosアッティカAttica戦いbattleを仕掛け勝利victoryを収めた。

戦争war中、アテナイ人たちthe Athenians疫病Plagueにやられたのである。

勝ったミノスMinosは、アテナイ人the Atheniansに、毎年Every year(あるいはプルタルコスPlutarchによると9年ごとにEvery nine years7人の若者Seven boys7人の娘Seven girlsクレタCreteへ送ることを強要demandした。


ミノタウロスMinotaur


ラビュリントス迷宮LabyrinthにいるミノタウロスMinotaurパシパエPasiphae牡牛Bullとの間にできたchildで、body人間manだがheadと角は牡Bullである怪物Monster)の餌食preyにするためである。

ちなみに、ラビュリントス迷宮Labyrinthというのは、アテナイAthensから追放exileされていたダイダロスDaedalusが、ミノスMinosの指示でミノタウロスMinotaurを住まわせるために築いた迷宮Labyrinthである。


パシパエPasiphae ヘリオスHeliosペルセイスPerseisdaughter


テセウスTheseus貢物tributeのことを知った時も、ちょうどその貢物tributeを納めねばならない時であった。

そして一説によると、ミノスMinosは特に一団A groupの中にテセウスTheseusを入れるよう要求demandしたと言われる。

しかし、プルタルコスPlutarchはじめほとんどの作者は、King息子sonだけが犠牲者Victimになることを免れることに、アテナイAthens民衆peopleが怒りを示したからだと主張している。

誰が犠牲者Victimになるかは、通常くじ引きLotteryで決められていた。

そこでテセウスTheseusは自ら進んで自分も犠牲者Victim1人になりたいと申し出た。

また一説によれば、テセウスTheseusくじ引きLotteryの中に含まれている者たちの中に自分も加えるよう主張しただけで、くじ引きLotteryをしてみると偶然彼も当たっていた、ということである。



息子sonがいよいよ出発するとなって悲しんだアイゲウスAegeus息子sonに、もし万が一By any chance、生きて帰ってこられたらなら、帰国Return homeの途上、ship黒い帆Black sail白い帆White sail(あるいは赤い帆Red sail)に変えるようにと言った。

ミノタウロスMinotaurラビュリントス迷宮Labyrinth犠牲sacrificeとして差し出された者たちを食べたとも、彼らは餓死するまでさまよっただけだとも言われている。

彼らは武装もせずクレタCreteに行かねばならなかったが、彼らのうちの1人が怪物Monsterをうまく退治して脱出の道Escape wayを見出せば、犠牲sacrificeを捧げる義務Obligationは以後、無効Invalidとされると定められていた。


ポセイドンPoseidonアムピトリテAmphitriteトリトンTriton


ミノタウロスMinotaur犠牲者VictimたちがクレタCreteに連れていかれたshipが、アテナイAthensshipであったか、クレタCreteshipであったかについては議論が分かれた。

前者の解釈は、もしテセウスTheseusが戻ったのなら、彼は帰国Return homeするためshipを持っていたことになり、従って父親fatherに無事に帰ったことを知らせるため、sailを変えることができたという話と合致する。

後者の解釈は、ミノスMinos往路の旅outward journeyで、少女girls1人でメガラの王King of MegaraアルカトオスAlcathousdaughterに手を出そうとしたところ、テセウスTheseusが怒って彼のいたずらから少女girlを守ったので、ミノスMinosが腹を立てたという言い伝えと重なる。

その際、2人の男は互いを私生児illegitimate childだと罵り合ったが、ミノスMinosfatherゼウスZeusに祈って青空blue skyから雷鳴thunderを轟かせてもらい、またテセウスTheseusseaに飛び込み、ミノスMinosが軽蔑してポセイドンPoseidonの領域に投げ込んだ金の指輪Gold ringを奇跡的に取り返したことにより、それぞれ自分のparentを証明してみせた。

テセウスTheseusに対してポセイドンPoseidon指輪ringを渡しただけでなく、ポセイドンwifeアムピトリテAmphitrite黄金の冠Golden crownを与えた。

そのGolden crownを被ったテセウスTheseusは勝ち誇ったようにseaから現れ、驚いているミノスMinos指輪ringを返した。


アリアドネの糸Ariadne's string


テセウスTheseus敬虔な若者pious youthで、クレタCrete船出departure of a shipする前に、敬慕AdoreしていたアポロンApolloの心を和らげ、アプロディテAphroditeには特別の恩恵special favorを施してくれるように頼んでおいた。

この先見Foresightは彼がクレタCreteに着いたとき、非常に役に立った。

なぜなら彼が任務を遂行Carry out a missionできたのは、アプロディテAphroditeミノスMinosdaughterアリアドネAriadneテセウスTheseus愛するfell in love with Theseusようにさせたからである。


ダイダロスDaedalusイカロスIcarus


テセウスTheseusを一目見ただけで情熱の虜fell in love with TheseusとなったアリアドネAriadneは、ダイダロスDaedalusに相談を持ちかけ、彼から、ラビュリントス迷宮Labyrinthの複雑な迷路Labyrinthから脱するには、入口entrancethreadを結びつけ、それを伝って戻ってくるしかないという情報を引き出した。

そしてアリアドネAriadneテセウスTheseusに言い寄って結婚marriage約束Promiseさせたうえで、ひそかに手引きの糸玉a ball of threadアリアドネの糸Ariadne's string)と、いくつかの出典によればswordとを、彼に与えた。

テセウスTheseus仲間の者companyたちを入口entrance付近に残して、threadをどんどん繰り出してラビュリントス迷宮Labyrinthの中央に進んでいった。


ラビュリントス迷宮Labyrinth ミノタウロスMinotaurが閉じこめられた場所

ミノスMinosはこのミノタウロスMinotaurの存在を恥じて、これを隠すことを決心し、ダイダロスDaedalusラビュリントス迷宮Labyrinthを造らせた


テセウスTheseusミノタウロスMinotaurに出くわすと、swordを用いて、あるいは別の説によれば拳骨fist怪物Monsterを殺した。

彼が迷宮Labyrinth入口entranceに戻ると、アリアドネAriadneテセウスTheseusとその仲間companyラビュリントス迷宮Labyrinthから解放したので、彼らはportに停泊しているアテナイAthensshipに戻った。

portでは夜のとばりに隠れ、ミノスMinosshipの底に穴をあけて、ミノスMinosが彼らを追跡しようとしても出航できないようにした。

そして一行a partysailを上げて帰国Return homeの途に着いた。

また一説によれば、テセウスTheseusとその友人companyらは戦いながら自分たちのshipに戻らねばならなかったので、その戦いでミノスMinos息子sonアステリオスAsteriusを殺したと言われる。


ミノタウロスMinotaur ミノスの牡牛Bull of Minos」を意味する


しかし、クレタCreteで起こったと言われるこの出来事については、かなり異なった解釈もある。

紀元前4世紀のアッティカAtticaの歴史家・ピロコロスPhilochorosによれば、テセウスTheseusクレタCreteに着くとそこで行われた競技competitionに参加し、タウロスTaurus(「牡牛」)という名のその地で不人気の格闘競技Wrestling competitionチャンピオンchampionで、パシパエPasiphaeの愛人でもある男を負かしたという。

この解釈では、ミノスMinosテセウスTheseusの武勇を賞賛し、タウロスTaurusが恥をかくのを見て喜び、彼と仲間の者companyたちを解放したことになっている。


ディオニュソスDionysusアリアドネAriadne


テセウスTheseus仲間の若者Fellow youthたちはアリアドネAriadneを連れて、無事にportを離れた。

彼らが最初に辿り着いた所は、ディアthe island of Dia(のちにナクソスthe island of Naxosとして知られるようになった)で、そこに彼らは上陸した。

そして彼らはさらに船旅return journeyを続けたが、アリアドネAriadneは置き去りにされた。

最も古い説によれば、どういうわけかテセウスTheseus魔法magicにかけられ、アリアドネAriadneのことを忘れてしまったということである。

しかし、のちの作家たちは、テセウスTheseusパノペウスPanopeusdaughterアイグレAegleに恋していたため、彼の方からわざと裏切って置き去りにしたのだとする。

ホメロスHomerは、この点についてははっきりとしないのだが、ディオニュソスDionysusアルテミスArtemisアリアドネAriadneを射るように頼み、彼女の死をもたらしたのだと言っている。


ディオニュソスDionysusアリアドネAriadne


おそらく次のような解釈が、その話にまつわる最も有名な古くからの解釈であろう。

すなわち、テセウスTheseusが出発したあと、ディオニュソスDionysus自身がディアthe island of Diaにやって来て、聖なる王妃Holy queenとするために魔法の馬車Magic carriageに乗せてアリアドネAriadneをさらっていったとするものである。

この話は、テセウスTheseusが他の女のためにアリアドネAriadneを置き去りにしたのち、彼女をwifeとしたのはディオニュソスDionysus自身ではなく、そのislandに住むオイナロスなる彼の神官Priestだったとする説により、合理的説明を与えられている。

またディオニュソスDionysusは時に、アリアドネAriadne求婚proposal of marriageしようとしてテセウスTheseusと争った、と言われる。


アリアドネAriadne


キュプロスCyprusの作家・パイオンは、テセウスTheseusshipが風に流されて針路をはずれキュプロスに着き、妊娠pregnancyして船酔いSeasicknessにあったアリアドネAriadneislandに上陸したが、shipはまたすぐに荒波にもまれて沖に追いやられ、テセウスTheseusアリアドネAriadneのもとに戻ることができなかった、と主張する。

テセウスTheseusがやっとキュプロスCyprusに戻ったときには、アリアドネAriadne子供childが産まれないうちに陣痛Labor painで死んでしまっていたとのことである。


アポロンApollo (アポロApollo

太陽神god of the Sun and light

ゼウスZeusコイオスCoeusDaughterレトLetoとの息子Son

アルテミスArtemis双子twinsyounger brother


ディアthe island of Diaの次にテセウスTheseusが上陸したのはデロスthe island of Delosであった。

一行a partyは、ラビュリントス迷宮Labyrinthのねじれた道を通った経験を思い起こして、snakeのように曲がりくねって進みながら踊る「コウノトリの舞Stork dance」をそのislandに導入した。

彼らはそこからアテナイAthensに向けて船出set sailしたが、テセウスTheseus帰国Return homeする喜びに有頂天Ecstaticになりすぎてsailを変えるのをすっかり忘れてしまった。

そのためテセウスTheseusfatherアイゲウスAegeusは待ち受けたship黒い帆Black sailを見て、彼を死んだものと早合点jump to conclusionsし、城壁castle wallから(あるいはアクロポリスAcropolisから)身を投じて自殺したthrew himself and committed suicide

テセウスTheseusアテナイAthensportパレロンPhaleronに上陸し、神々Gods感謝の犠牲Sacrifice of gratitudeを捧げたのち、アイゲウスAegeusの死の知らせを聞いた。


アンティオペAntiope アマゾンの女王Queen of the Amazons


この後しばらくして、テセウスTheseus黒海the Black Sea沿岸のテミスキュラThemiscyraに住むアマゾンthe Amazons遠征questに乗り出した。

そこでテセウスTheseusアマゾンthe Amazons指導者Leader1人で、女王QueenヒッポリュテHippolyte姉妹sisterアンティオペAntiopeを捕えた。

あるいは異説によれば、ヒッポリュテHippolyte自身を捕えた、と言われる。

いずれにしてもアンティオペAntiopeテセウスTheseusと恋に落ちたか、あるいは(別の説によれば)アマゾンthe AmazonsテセウスTheseusに友情のしるしに贈り物をしたとき、彼は使者に自分のshipに乗船するように誘い、そのままアンティオペAntiopeを乗せて出航したのか、のどちらかである。

アンティオペAntiopeを失ったことに腹を立てたアマゾンthe Amazonsは、アッティカAtticaまでテセウスTheseusの跡を追った。

彼の王国kingdomに侵入し都・アテナイAthensを攻撃した彼女らは、プニュクス丘Pnyxを占領し、アクロポリス丘Acropolisを包囲した。

そして2つのhillの狭間で激戦が繰り広げられたが、テセウスTheseusが勝利を収めた。


アマゾンthe Amazons


戦いの相手(通常ヒッポリュテHippolyteアンティオペAntiopeのいずれかで、初めにCaptiveになった女性でない方)はメガラMegaraに退却し、そこで死んだ。

のちにテセウスTheseuswife(というのも、彼は捕えた女captured woman結婚marriageしたからだが)は彼との間に息子sonヒッポリュトスHippolytusを産み、その後まもなく死んだ。

この話に関する別の解釈によると、テセウスTheseusプニュクス丘の戦いBattle of Pnyxアマゾンthe Amazonswifeを捕えたという。

だが別の説では、ヒッポリュトスHippolytusが産まれたのは、アマゾンthe AmazonsアテナイAthensを襲撃する前のことで、ヒッポリュトスHippolytusアマゾンthe AmazonsmotherテセウスTheseusの傍らで戦っている最中に、投げ槍に当たって死んだという。

このエピソードepisode(逸話)(挿話)に関する幾つかの解釈によれば、テセウスTheseusアマゾンthe Amazons攻撃はヘラクレスHeraclesとの共同事業であったと言われる。

ヘラクレスHeraclesは主人のエウリュステウスEurystheusヒッポリュテの帯the Girdle of Hippolyteを持って来るように命令されていたからである(9番目の難業the Ninth Labor)。


オイディプスOedipus アンティゴネAntigone ポリュネイケスPolynices


テセウスTheseusは時に、アルゴナウタイthe Argonautsカリュドンの猪狩りthe Calydonian Boar Huntをした人々の一員に数えられる。

またテセウスTheseusは、七将Seven generalsテバイThebes攻撃失敗Attack failureののち、テバイThebesで仲裁に入り、テバイの王King of ThebesクレオンCreonに強いてアルゴスArgos側の死者を丁重に埋葬させた。

テセウスTheseusはまた、オイディプスOedipusとそのdaughterアンティゴネAntigoneアテナイAthensへの避難Evacuationを認め、クレオンCreon家来retainerたちが、オイディプスOedipusに圧力をかけて彼がアッティカAtticaを離れテバイThebesに戻るように求めたときも(これはクレオンCreonが、テバイに向かう七将Seven Against Thebesとの戦いでエテオクレスEteoclesを支援するためであった)、彼はそれを阻止した。


ペイリトオスPirithous ゼウスZeusイクシオンIxionの妻・ディアDiaとの息子


テセウスTheseusの一番の親友best friendは、テッサリアThessalyラピテス族の王King of LapithsペイリトオスPirithousであった。

テセウスTheseus勇敢な資質heroic natureを耳にしたペイリトオスPirithousは、彼に会おうと決意した。

それでペイリトオスPirithousマラトンMarathonテセウスTheseus牛群cattle herdを襲い、cattleを追い払ってしまった。

そしてテセウスTheseusが追跡していると聞くと、ペイリトオスPirithousは向きを変えてテセウスTheseusと相対した。

だが2人は戦わなかった。

ペイリトオスPirithousアテナイの王King of Athensに手を差し延べると、テセウスTheseusもその手を取り、cattleを襲ったことでペイリトオスPirithousを罰するどころか、彼と永遠の友情Eternal friendshipを誓い合った。

それ以後、2人は一緒に多くの手柄exploit(おそらくアマゾンthe Amazonsの地に遠征questに出かけたことや、プニュクス丘Pnyxでの勝利の戦いなどが含まれよう)をたてた。


ペイリトオスPirithousヒッポダメイアHippodamia結婚式wedding


ペイリトオスPirithousヒッポダメイアHippodamia結婚marriageしたとき、テセウスTheseusはその結婚式weddingに出席した。

同じく結婚式weddingに出席していて酒に酔ったケンタウロスたちthe centaursが、花嫁brideや居合わせたラピテスthe Lapithsの女たちを連れ去らんとしたので、戦いが始まったが、テセウスTheseusペイリトオスPirithousを助けてケンタウロスたちthe centaursと戦った。


パイドラPhaedra ミノスMinosパシパエPasiphaeの娘 アリアドネAriadneの妹


テセウスTheseusミノスMinosdaughterアリアドネAriadneを棄てたにもかかわらず、ミノスMinosのもう1人のdaughterパイドラPhaedra結婚marriageしたと言われる。

ミノスMinos自身は死んでいたが、彼はこの結婚marriageによりミノスMinos王位throneを受け継いでいたデウカリオンDeucalion確固たる友情Firm friendshipを交わすことになった。

パイドラPhaedraテセウスTheseusとの間に2人の息子sonsアカマスAcamasデモポンDemophonを産んだ。

この結婚marriage後しばらくして、パラスPallas50人の息子Fifty sonsたちとともにテセウスTheseus王位throneから追放しようと再び戦いを挑んできたが、これが最後の挑戦となった。

テセウスTheseusパラスPallasを殺し、彼の一族を一掃した。

親族relativesにあたる者をこのように殺害したため、テセウスTheseusアテナイAthensから1年間追放の宣告Declaration of expulsion for one yearを受けた。

そこでwifeと家族の者を引き連れて、テセウスTheseusのもう1つの王国kingdomトロイゼンTroezenに出かけた。


アルテミスArtemis (ディアナDiana

狩猟hunt貞潔chastity処女神virgin goddess

ゼウスZeusコイオスCoeusDaughterレトLetoとのDaughter

アポロンApollo双子twinselder sister


そこでは成人した息子sonヒッポリュトスHippolytus総督Governorとして支配していた。

ないしは祖父grandfatherピッテウスPittheusに育て上げられていた。

ヒッポリュトスHippolytus恥ずかしがり屋Shy引っ込み思案diffidentの若者で、狩猟huntingを好んだためアルテミスArtemisのお気に入りだった。

彼は結婚marriageのことなど考えるのも嫌で、アプロディテAphrodite崇拝worshipすることを軽蔑Despiseしていた。


アプロディテAphrodite (ウェヌスVenus

lovebeauty女神Goddess


しかし、継母stepmotherパイドラPhaedraヒッポリュトスHippolytusエレウシスの秘教Eleusinian mysteriesを伝授してもらっていた時に初めて彼を見て、一目惚れをしてしまった。

今やパイドラPhaedraトロイゼンTroezenにありヒッポリュトスHippolytusのすぐ近くに住むことになったので、彼女の情熱は燃え上がった。

テセウスTheseusデルポイの神託the Delphic oracleに伺いをたてるためにしばらくトロイゼンTroezenを離れると、その間に事態は決定的段階に進んだ。

パイドラPhaedraの老いた乳母Nannyが、女主人mistressの心情を哀れんで、ヒッポリュトスHippolytusに彼女の熱情を打ち明けると、彼は衝撃を受け、不快に感じたが、そのことは秘密にしておくと誓った。

しかし、パイドラPhaedraヒッポリュトスHippolytusから相手にされなかったと知って首を吊って自殺し、テセウスTheseusに、息子sonが自分を誘惑したと非難する嘘の手紙suicide noteを残した。


ヒッポリュトスHippolytus テセウスTheseusアンティオペAntiope息子son


テセウスTheseusデルポイDelphiから戻ると、その手紙suicide noteを信用し、かつて彼に3つの願いthree cursesを聞いてやると約束PromiseしていたポセイドンPoseidonに、息子sondeathをもたらすよう乞うてヒッポリュトスHippolytus呪ったcursed

それからテセウスTheseus息子son追放Expulsionした。

そのためヒッポリュトスHippolytus戦車chariot二輪戦車、チャリオット)に乗ってトロイゼンTroezen近くの浜辺beachを走っていたとき、怪獣sea monsterseaから現れ、Hippolytus' horsesを驚かせたので、戦車chariotから投げ出されて死んだ。

その後、テセウスTheseusアルテミスArtemisから事の真相truthを知らされた。

ある出典によれば、テセウスTheseusデルポイDelphiから帰って来たとき、ヒッポリュトスHippolytusが誘惑したとして明け透けに非難したパイドラPhaedraが自殺したのは、この時だったという。


テセウスTheseusペイリトオスPirithousヘレネHelenを連れ去った


テセウスTheseusペイリトオスPirithousは、2人ともやもめwidowerになると、互いに助け合って自分たちの地位にふさわしいと考えられるようなwifeを得ようと約束し合った。

そして2人はゼウスZeusdaughterを選んだ。

まず彼らはスパルタSpartaに出かけ、レダLedadaughterヘレネHeleneヘレネHelen)を奪ってテセウスTheseus花嫁brideとした。

プルタルコスPlutarchによれば、2人のKingはどちらがヘレネHelen結婚marriageすべきかを見るためにくじ引きLotteryをしたという。

ヘレネHelenはまだ12歳にすぎなかったが、すでに美人beautiful girlの誉れ高かった。

彼らはヘレネHelenアルテミスArtemis神殿templeで踊っているところを見つけ、アッティカAtticaアピドナイAphidnaに彼女を連れ去った。

その地でテセウスTheseusは、ヘレネHelenが自分と結婚marriageするにふさわしい年齢に達するまで、motherアイトラAethraに彼女の世話をしてもらった。


ハデスHadesペルセポネPersephone


さて今度はペイリトオスPirithous花嫁brideを得る番であった。

そこで彼はハデスHadeswifeペルセポネPersephoneを選んだ。

ペイリトオスPirithousテセウスTheseus冥界the Underworldに降りると、ハデスHades2人をうやうやしくもてなす振りをした。

しかし、ハデスHadesに促されて彼らが椅子Chairsに腰をおろすと体が椅子Chairsにくっついて離れなくなってしまった。

そして、彼らは自分たちが何者であるかすっかり忘れてしまった。

彼らは忘却の椅子Chairs of Forgetfulnessに腰をかけていたのである。

ペイリトオスPirithousは、そこに永久に残され、ウェルギリウスVergiliusバージルVergil)によれば、テセウスTheseusも同様だったという。

だが、もっとよく知られている説では、テセウスTheseusは、しばらくしてヘラクレスHeracles冥界the Underworld番犬watchdogケルベロスCerberusを取りに来たとき救い出されたと言われる。

ある出典によれば、ヘラクレスHeraclesが発狂して、メガラMegaraとの間にできた子供childrenたちを殺してしまったあと、ヘラクレスHeraclesに居場所を与えたのはテセウスTheseusであったという。


The Rape of the Daughters of Leucippus

ディオスクロイDioscuri ゼウスZeusの息子たち」の意。

カストルCastorポリュデウケスPolydeuces叔父UncleレウキッポスLeucippusの娘Daughtersたち、ポイベPhoebeヒラエイラHilaeiraとの結婚marriageを望んだ。


テセウスTheseusアテナイAthensに戻ってみると、市は混乱し、自分がひどく人望popularityのないことが分かった。

それというのは、ヘレネHelen兄弟brothersディオスクロイDioscuriに率いられたスパルタ人the Spartansが、ヘレネHelenを救出せんとアッティカAtticaに侵入してアピドナイAphidnaを略奪し、アイトラAethraを連れ去ったからである。

アテナイAthensは、エレクテウス2Erechtheus II子孫descendantsメネステウスMenestheusの支配下に置かれ、テセウスTheseus息子sonsアカマスAcamasデモポンDemophonエウボイアEuboeaに難を逃れていた。

アテナイAthensから逃れざるを得なかったテセウスTheseusは、スキュロスScyrosに赴き、そこで祖父grandfatherスキュリオスScyriusから領地territoryを受け継いだ。

(これは、テセウスTheseusfatherアイゲウスAegeusスキュリオスScyriuschildで、パンディオン2Pandion IIchildではないとする言い伝えと一致する。)


リュコメデスLycomedesKing宮廷CourtでのアキレウスAchilles


スキュロス島の王King of ScyrosリュコメデスLycomedesは、表向きには彼を親切に迎え入れたが、自分の王国kingdomにこれほど強力で危険な人物Powerful and dangerous personがいることをひそかに恐れていた。

それで彼はテセウスTheseus断崖cliffの上に連れ出し、うわべは彼にislandの自分の領地territoryを見せる振りをして彼を裏切りbetrayalcliffから突き落とした。

これがアテナイAthens創始者Founderと言われる、その最も偉大な英雄The greatest hero最期Last Momentである。

メネステウスMenestheusトロイア戦争Trojan Warの時までアッティカAtticaを支配し続け、その戦争War戦死Killed in actionしたと考えられている。

それからテセウスTheseus息子sonデモポンDemophonが、トロイア攻略sacking of TroyアイトラAethraを救出し、アテナイAthensに戻ってfather王国kingdomを受け継いだ。

紀元前475年頃、アテナイAthens将軍generalキモンCimonは、人気取りの一環Part of popularityとしてスキュロスScyrosからテセウスTheseusremainsと思われるものを持って来て、英雄heroに捧げられた神殿templeにそれを再び埋葬burialした。

なぜなら、アテナイAthensの人々は、その英雄heroこそマラトンの戦いthe Battle of Marathon in 490 BC(紀元前490年)で自分たちを援助してくれた人物だと信じたからである。


消防署 Fire Brigade 2009年(平成21年)

消防署 Fire Brigade 2009年(平成21年)

消防署 Fire Brigade 2009年(平成21年)

消防署 Fire Brigade 2009年(平成21年)

消防署 Fire Brigade 2009年(平成21年)

消防署 Fire Brigade 2009年(平成21年)


ダイダロスDaedalusイカロスIcarus


ダイダロスDaedalus

名工cunning worker」の意。

アテナイAthens伝説的な工人skillful craftsman

多様な技術Technology発明inventionとで名高かった。

彼のfatherエレクテウスErechtheusKing息子sonと伝えられる「賢い手を持った」エウパラモスEupalamus、あるいは「物知りの」メティオンMetionであった。

ソクラテスSocratesは自分のことをダイダロスDaedalus子孫descendantsと呼んでいた。

ダイダロスDaedalusは長じてアテナイAthens随一number-one画家painter彫刻家Sculptorとなった。

彼の作品workはあまりに真に迫っているtrue to natureので、まるで本物のように見えたLooks real


ヤマウズラ山鶉Daurian partridge


彼の姉妹sisterは自分の息子sonペルディクスPerdixタロスTalusあるいはカロスCalosとも呼ばれる)を彼に徒弟apprenticeとして与えた。

その少年boyペルディクスPerdixダイダロスDaedalusよりもさらに優れた工人craftsmanとなる素質Qualitiesを持っていた。

彼は蛇の顎骨jawbone of a snakeあるいは魚の背骨spine of a fishをまねて(のこぎり)saw発明inventionし、またコンパスcompass轆轤(ろくろ)latheとを発明inventionしたからである。

そのためダイダロスDaedalusは彼に激しい嫉妬envyを抱き、アクロポリスAcropolis山頂mountaintopから、あるいはcliffからseaへ、彼を突き落として殺した。

ペルディクスPerdixをその巧みな技skillful workのゆえに愛していたアテナ女神the goddess Athenaは、彼が墜落fallingしていくのを見て、彼をヤマウズラ山鶉the Perdixpartridge)に変えた。

それ以後、このbirdは彼の名で呼ばれるようになった。


ミノタウロスMinotaur


このcrimeのためにダイダロスDaedalusアレイオス・パゴスAreios Pagosの法廷で裁かれた。

その判決に従ってか、あるいは自発的にか、彼は国を出てクレタCreteへ赴いた。

クレタCreteではミノスMinosKingが彼を迎え入れた。

ダイダロスDaedalusKingの要請によって素晴らしい工芸技術craft skillsの腕前を発揮したが、中でも最も珍奇な考案物device人工の牝牛wooden cowだった。

海神Sea godポセイドンPoseidonからミノスMinosに贈られた牡牛bull激しい恋情lustを抱いた王妃QueenパシパエPasiphaeは自分の欲情lustを満たすために、その木製の牝牛wooden cowの中に入った。

ポセイドンPoseidon牡牛bullはその造り物に欺(あざむ)かれ、その牝牛cowと交わったため、その結果、中にいたパシパエPasiphae半人半牛Half-human half-bullミノタウロスMinotaurを身ごもった。


ラビュリントス迷宮Labyrinth


ミノスMinosはこの怪物Monsterの存在を恥じて、これを隠すことを決心し、ダイダロスDaedalusラビュリントス迷宮Labyrinthを造らせた。

これは地下の迷路Labyrinthで、多くのトンネルtunnel廊下Corridor1つの入口entranceから成り、中に入った者は2度と外への道を発見できないように考案されていた。

ミノタウロスMinotaurはその中心部に置かれた。

それは人肉Human flesh常食staple foodとした。

ミノスMinosによって戦争warで打ち負かされたアテナイ人the Atheniansは、毎年Every year、あるいは9年毎Every nine yearsに、7人の少年Seven boys7人の少女Seven girls貢物tributeとしてミノスMinosKingのもとへ送ることを強いられ、それらの少年少女boys and girlsミノタウロスMinotaur餌食preyとして1人ずつラビュリントス迷宮Labyrinthへ送り込まれた。

何年かしてテセウスTheseusクレタCreteへやって来たときに、ミノスMinosdaughterアリアドネAriadneから彼に与えられた糸巻spoolは、ダイダロスDaedalusの考案したものであったが、テセウスTheseusは、ミノタウロスMinotaurを殺したあと、その糸巻spoolのおかげでラビュリントス迷宮Labyrinthから外へ出ることができた。


海へ墜落fell into the oceanしたイカロスIcarus


ミノスMinosダイダロスDaedalus裏切りbetrayalを知って、彼とその幼い息子young sonイカロスIcarusダイダロスDaedalusミノスMinos女奴隷Female slaveによって得たchild)とをラビュリントス迷宮Labyrinthに閉じ込めたimprisoned

通常の方法ではとうてい脱出できないことを知っていたダイダロスDaedalusは、鳥の翼wings of a birdのようなものを作り空を飛んで脱出しようと決心した。

彼は(ろう)waxfeathersとを用いてイカロスIcarusと自分のためにwingsを作った。

そして、高く飛び過ぎればfly too high太陽の熱heat of the sunwings(ろう)waxが溶けてしまい、低く飛び過ぎればfly too low海の波しぶきsea foamwings重たくなってしまうsoak the feathersことを少年・イカロスIcarusによくよく注意したあとで、ダイダロスDaedalusは空に飛び上がった。

イカロスIcarusもすぐそのあとに従った。

彼らは北東Northeastに飛んで、パロスthe island of Parosデロスthe island of Delosサモス島Samosを通り過ぎた。

しかしスポラデス諸島the Sporades islands小アジアAsia Minorイオニアthe Ionian Sea岸との間のSeaにさしかかったとき、イカロスIcarusは興奮のあまり高く飛び過ぎてfly too highしまった。

太陽the sunに近づいたためにwings(ろう)waxが溶け、彼はまっさかさまに海へ墜落fell into the oceanした。



そのSeaは、今ではイカロスIcarusに因んでイカリア海the Icarian Seaと名づけられている。

そのすぐ近くにある今日イカリア島the island of Icariaと呼ばれているislandダイダロスDaedalusは着地し、Seaから息子son死体dead bodyを回収して埋葬burialした。

ダイダロスDaedalusnephewペルディクスPerdix変身Transformしたヤマウズラpartridgeが、彼の悲嘆に暮れるさまを見てほくそえんだ。

他の説によれば、パシパエPasiphaeダイダロスDaedalusラビュリントス迷宮Labyrinthから救い出したという。

それから彼はshipを造り、それを推進するsailを始めて考案して、イカロスIcarusとともにそのshipに乗ってクレタCreteから逃げて行ったという。



彼はシシリア島Sicilyへ行き、シシリア人SicilianカミコスCamicusKingコカロスCocalus宮廷Courtに匿ってもらった。

しかし復讐revengeの決意に燃えるミノスMinosKingは、次のような手段を使ってついに彼の所在を突きとめた。

彼は西方のすべての支配者たちのもとへ出かけて行って、渦巻状の貝殻spiral seashellstringを通すにはどうすればよいかと、全員に同じ問題を出した。

コカロスCocalusstringの通された巻貝spiral seashellミノスMinosに返したとき、ミノスMinosコカロスCocalusダイダロスDaedalusを匿(かくま)っていることを確信した。

ダイダロスDaedalus以外の誰にもその難問を解決できるbe able to solve the riddleはずがないと考えたからである。

ダイダロスDaedalus貝殻seashellの先端にholeをあけ、1匹の蟻an antstringをくくりつけて貝殻seashellの中に入り込ませたという。

an ant貝殻seashellの中を曲がりくねりながら進み、ついに先端のholeから出てきた。


ピンク貝queen conch 巻貝Conch


ミノスMinosダイダロスDaedalusを引き渡すよう要求したが、コカロスCocalusは断った。

ダイダロスDaedalusが彼のために難攻不落の市Impregnable city建設constructionしていたからである。

ミノスMinoscityを包囲した。

コカロスCocalus和解settlementの態度を装って、ダイダロスDaedalusを引き渡すと約束し、ミノスMinos食事に招待Invite to eatした。

ミノスMinosはまず風呂bathを勧められた。

昔からのやり方でKing3人のdaughtersたちが、彼を入浴take a bathさせることになっていた。

しかし水道管工事Water pipe construction技術Technologyを身につけていたダイダロスDaedalusが、Water pipeの装備された風呂bathを造っていた。

Water pipeから熱湯boiling waterが噴出し、ミノスMinosは苦悶のうちに死んだ。

他の説によれば、コカロスCocalusミノスMinos軍隊armed forcesと戦って戦死Killed in actionしたという。


イタリアItalyギリシア植民市Greek colony

Cumae was the first ancient Greek colony on the mainland of Italy.


他の多くの重要な建造物Building考案物deviceダイダロスDaedalusの創意によるものと考えられた。

彼はクマイCumaeアポロン神殿the temple of Apollo建設constructionし、それを彼自身の生涯を物語る絵で飾ったという。

シシリア島Sicilyでは、アラボン川沿いの貯水池reservoir、セリノスの蒸し風呂Steam bath、アクラガス(アグリゲントム)の要塞Fortress、エリュクスのアプロディテ神殿the temple of Aphrodite柱廊Porticoなどが、彼の建築Architectureになるものと言われた。

またシシリア島Sicilyには、彼は黄金製の蜂の巣Golden beehive模型modelも残した。

彼は帆柱mastsail考案inventしたとも信じられていた。

それから、(にかわ)glueaxe、(もしペルディクスPerdix発明inventionになるものでないとすれば)(のこぎり)saw鉛錘糸Plumb bob threadらせん錐(ぎり)Spiral coneなど大工道具Carpenter's toolsのほとんど全てを人類に与えたと信じられていた。



さらに、アテナイAthensアテナ・ポリアス神殿the temple of Athena Poliasに展示されていた折り畳み椅子Folding chairも、ダイダロスDaedalus作品workと信じられていた。

彼はまた多くの木像Wooden statue彫刻Sculptureしたと考えられていて、それらの木像Wooden statueの中には、目や手を動かしたり、歩いたりするものもあった。

それらはギリシアGreeceイタリアItalyの様々な場所に見出された。

サルディニアSardiniaでは、ダイダレアdaidaliaと呼ばれたいくつかのTowerが彼の作品workと考えられていた。

そればかりか、エジプトEgyptピラミッドpyramid大神殿Great Temple(たとえばメムピスMemphisプタハ神殿the temple of Ptah)もダイダロスDaedalus意匠designになるものとする言い伝えがギリシアGreeceにはあった。


イカルスの星』 越路吹雪(こしじ・ふぶき)
















































































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